ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

14歳からの哲学 考えるための教科書

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

現代人は哲学を学ぶべき。

そう私は考えています。

 

いや別に私自身が

そんなに哲学を学んできたわけではありませんし、

理解度が高いわけでもありません。

 

それでも今まで何人もの部下に

哲学は学んだほうがいいよ…と

アドバイスしてきましたし、

そういう自分も勉強しなきゃと思い

結構な哲学書を読んできました。

 

それがこちらです。

 

ka162701.hatenablog.com

 

まあ厳密に哲学という感じではありませんが、

結構難しい本にもチャレンジしてきました。

 

なぜ哲学を学ぶべきか?

 

現代社会は複雑化し過ぎており、

スピード感も早くなる一方、

ウイルスは蔓延り、

戦争は起こり、

自然災害も頻繁で

社会は競争が激しくなるばかりですよね。

 

メンタルを痛める方も増えており、

普通の神経ではやっていけなくなるか

諦めざるを得ないかだと思うんです。

 

それを防ぐのが哲学です。

哲学的思考や哲学的なアプローチこそが

我が身を守ることに繋がると考えています。

 

今回ご紹介する書籍は、

【 14歳からの哲学 考えるための教科書 】 です。

 

 

本書をピックアップした理由

『 14歳からの哲学 考えるための教科書 』

池田 晶子 トランスビュー を読みました。

 

池田さんの著書は

過去に2冊読んだことがありまして

難しい哲学をわかりやすく教えて下さる方と

私は認識しています。

 

ka162701.hatenablog.com

 

ka162701.hatenablog.com

 

この2冊は両方満点の評価をしており、

今後も著書を読みたい哲学家の1人と考えていました。

 

それに加えて

14歳の〇〇というシリーズも

勝手ながら自分に課していました。

 

その2冊が下記です。

 

ka162701.hatenablog.com

 

ka162701.hatenablog.com

 

この2冊も満点評価です。

 

14歳シリーズ3部作と私が名付けていた

3冊めが本書です。

 

実は私の娘が13歳なのです。

14歳になるまでに

この3部作を読み終えたかったのです。

 

誕生日まで随分日はあるのですが、

池田さん3冊め、14歳シリーズ3冊めと

勝手に自分のなかでストーリーができてしまい

何だか読む理由ができたようで

ワクワクしながら手に取ったのでした。

 

目次

Ⅰ 14歳からの哲学[A]

 1 考える[1]

 2 考える[2]

 3 考える[3]

 4 言葉[1]

 5 言葉[2]

 6 自分とは誰か

 7 死をどう考えるか

 8 体の見方

 9 心はどこにある

  10 他人とは何か


Ⅱ 14歳からの哲学[B]

  11 家族

  12 社会

  13 規則

  14 理想と現実

  15 友情と愛情

  16 恋愛と性

  17 仕事と生活

  18 品格と名誉

  19 本物と偽物

  20 メディアと書物


Ⅲ 17歳からの哲学

  21 宇宙と科学

  22 歴史と人類

  23 善悪[1]

  24 善悪[2]

  25 自由

  26 宗教

  27 人生の意味[1]

  28 人生の意味[2]

  29 存在の謎[1]

  30 存在の謎[2]

 

感想

う~ん、とても勉強になりました。

哲学に苦手意識のある方でも

本書であればそれほど苦もなく読めると思います。

 

そうは言っても内容は満足できます。

 

「14歳からの」とは銘打っていますが、

あくまでも「からの」ですからね

14歳以上ならいくつでもいいと思いますし、

私のような50代でも学びとなる内容です。

 

一応、娘に読ませるかどうかの判断で手には取りましたが、

本人が読むとは限りませんし(苦笑)、

ただおススメするにしても

やはり自分が読んでおかねばならないと考えてましたが

私自身が充分に勉強させていただきました。

 

ごく一部、性であったり

殺人であったりと

娘に読ませるにはどうかと思う箇所もありますけど

あくまでも哲学的思考をしていますので

それほど問題にはならないでしょう。

 

いわゆる哲学の初心者向けという位置づけでしょうけど

上記の目次を見ていただければわかる通り、

基本的な項目はしっかり網羅されていますので

大人でもよほど哲学が好きな方でない限りは

わりといい学びができると思います。

 

私は自信を持って娘におススメしてみます。

果たして、読みますかね?(笑)

 

それでは恒例の私がグッと来た箇所を

ご紹介いたします。

 

考えるというのは、

それがどういうことなのかを考えるということであって、

それをどうすればいいのかを悩むてことじゃない。

それがどういうことなのか考えてわかっていなけりゃ、

それをどうすればいいのかわからなくて悩むのは当然じゃないか。

(P.9)

 

う~ん、哲学っぽいですね。

こういうロジックって私は好きなんです。

突き詰めていくって感じがしませんか?

 

本当のことを知るためには、

正しく考えることが必要だ。

「正しい」ということは、

自分ひとりに正しいことではなくて、

誰にとっても正しいことだと、

わかってきたね。

(P.18~19)

 

そうそう多くの人が

自分だけの正しさを主張してるんですよね。

だから喧嘩になる。

それは本質ではない。

ただの自己主張。

もっと奥深く考えなきゃいけませんね。

 

だから、「誰にとっても正しいこと」というのは、

「みんなが正しいと思っていること」ではないということも、

もうわかるだろう。

わからないことをわからないと思わないで、

「考える」ということをしていないから、

正しくないことを正しいと思っていることがある。

でも、いくら大勢で思ったって、

正しくないことが正しいことになるわけではないね。

だから、たとえそう考えるのが、

世界中で君ひとりだけだとしても、

君は、誰にとっても正しいことを、

自分ひとりで考えてゆけばいいんだ。

なぜって、それが、君が本当に生きるということだからだ。

(P.23)

 

そうそう多くの人が

自分の頭で考えることをせずに、

周囲が言う正しさを妄信してるんですよね。

本当の正しいって

そんなに簡単に見い出せません。

 

「自分」というのは、

名前でなければ、身分でもない。

体でなければ、心でもない。

ないないづくしで、どこにもない。

それが「自分」というものだけど、

だからといって、自分など「ない」というのでもない。

なぜって、自分など「ない」と言っているその自分が、

まさにそこに「ある」からだ。

ないけれどもある。

あるけれどもない、

それが「自分で」というものの正体、

その存在の仕方の不思議さなんだ。

何を「自分」と思うかで、

その人の自分は決まっているというのも、

この意味だ。

「自分が、思う」ということの自由と不自由、

これに気がつくことが

本当の自由ということなんだ。

(P.64~65)

 

この辺りが哲学のやっかいなところ、

そして面倒くさいところですね。

たぶん哲学が嫌い人は

この辺りに原因があると思います。

でもこれって真実ではないでしょうか?

 

結局のところ、

「社会」というのは、

複数の人の集まりという

単純な定義以上のものではない。

それ以上の意味は、

人の作り出した観念だということだ。

(P.84)

 

ありのままを見る。

簡単そうで難しいですね。

でも社会ってそう見ないと理解不能です。

だってあまりにも多くの人の観念の集合体なんですから。

全部を知ることなんて無理ですよね。

 

さあ、君は、どっちの人生を選ぶだろう。

食べるために生きるのか、

生きるために食べるのか、

いずれの人生を選ぶにせよ、

それは完全に君の自由だということ、

覚悟を決めなくちゃね。

(P.116)

 

キャリアや人生について

いつも考えている私ですが、

キャリア相談に乗っていて思うのは、

このプロセスがないということです。

そしてここを「考えない」から

対応が付け焼刃になって

本質を突き詰めた時に

どうして良いかわからなくなってしまうのですね。

 

自由なんです。

そして覚悟が必要なんです。

一旦は…でもいいんです。

 

もしも、ある人の仕事、ある人の姿が、

他の人に感動をもたらすとしたら、

それは、その人の仕事、その人の姿が、

その人でありながらその人でない、

その人を超えた何か大きなものに触れているからだ。

だからこそ、それは、その人でない他の人にも、

感動を与えることになるんだ。

もしもそれが、

自分の欲得を計算して為されたような仕事だったら、

どうしてそんなものが

他人に感動を与えるはずがあるだろう。

(P.128)

 

この世に生かされている。

そう考えることも必要ですし、

本当の意味での仕事論であるとも思います。

 

恥ずかしいビジネスパーソンが何と多いことか。

 

有難うと言われる仕事。

なくてはならないビジネス。

心の底からやりたいビジネス。

そうでなくっちゃね。

 

絶対に間違いがないのは、

だからこそ、古典なんだ。

古典は、考える人類が、

長い時間をかけて見抜いた本物、

本物の言葉なんだ。

消えていった幾千の偽物、

人の心に正しく届かなかった偽の言葉の中で、

なぜその言葉だけは生き残ってきたのか、

はっきりとわかる時、

君は、いにしえの賢人たちに等しい知識を所有するんだ。

これはネットでおしゃべりするなんかより、

はるかに素晴らしいことじゃないか。

(P.135~136)

 

本当にそう思います。

私自身も子供の頃から古典を読めと言われてきましたが、

その大事さに気づいたのは30代くらいだったかな。

 

遅ればせながら気づけて良かったですが、

もっと早く気づきたかった(苦笑)。

 

数年で消える自己啓発書や

つまらない自己主張本を読む暇があるなら

古典を読まねばなりませんね。

 

善悪の基準を自分の外に求めるという思い込みの根は、

とにかく深い。

まさにこの思い込みのために、

人類において、

道徳や法律は時代や国によって

相対的となっているのであって、

本当は話がまったくあべこべなのだけど、

ここ数千年、人類はそのことに気がついていない。

ごくごく少数の考える人しか、

この当たり前すぎる事実には気がついていないんだ。

(P.162)

 

これは前後の文章がないと

少しわかりにくいですが、

善悪の基準の浅はかさでしょうね。

 

私たちの判断基準は

果たしてどこまで正しいのか。

1度自分自身でじっくり考えたほうがいいかもしれません。

 

死への恐れが、

人間の中では一番大きな恐れだ。

これが人生を最も不自由にしているものだ。

死ぬことを恐れて、

人がどれだけ人生を不自由にしているかを想像してごらん。

生き「なければならない」、

食べ「なければならない]、

みんなと合わせ「なければならない」、

あらゆることがこの恐れから出てきているとわかるだろう。

でも、死は恐れるべきものではなかったのだったね。

考えれば、人は必ずそのことに気がつく。

そのために精神というものがあるんだ。

精神は、考えて、自由になるためにこそ存在しているんだ。

(P.170)

 

まあ死を恐れるのは

ごく普通のことではありますけど、

もし死を恐れずに何かに一心に取り組むことができたら

それはきっと成功するでしょうね。

 

我が国は精神を戦争に結びつけて

ややもすれば否定しがちですけど、

人と精神は切り離せないものであり、

精神力の強い人はサバイバル力が高いのは

間違いないでしょう。

 

「勉強する」ということと、

「考える」ということは、

必ずしも同じじゃない、

ある部分では、見事に正反対のことがあるんだ。

人は、自分がわかっていると思っていたことが、

じつはまるでわかっていなかったということに気がつくからこそ、

わかろうとして考え始めるのであって、

それ以外に人がものを考え始める理由はない。

わからないとわかるからこそ考えるのであって、

わかっていると思っているなら、

考えるはずがないじゃないか。

(P.194~195)

 

私はこれこそが哲学を学ぶ原点だと思いますし、

現代社会を生き抜くコツのひとつでもあると考えます。

 

わからない。

出発点はいつもここのはずです。

それなのにわかったようなことを言う人ばかりですよね。

そこに本質はありません。

 

サバイバル戦略とは

哲学がベースではないでしょうか?

 

わからないとわかるからこそ、

考えるんだ。

そうじゃないか。

考えたってわからないと考えないのは、

わかっていないということを

わかっていないからでしかない。

そうじゃないか。

わからないとわかっていることを考えるのだから、

それは答えを求めて考えることじゃない。

もしも君が、これからの人生で、

本当の勉強、本当の学問をしたいと志すのなら、

このことだけはわかっておくのがいい。

考えるということは、

答えを求めるということじゃないんだ。

考えるということは、

答えがないということを知って、

人が問いそのものと化すということなんだ。

どうしてそうなると君は思う。

謎が存在するからだ。

謎が謎として存在するから、人は考える、

考え続けることになるんだ。

(P.196~197)

 

重要なのは答えを見つけるのではなく

問い続けることだ…とダーウィンは言い残したそうですが

まさにこういうことですよね。

 

現代社会は答えがありそうでなかったり、

いくつも答えがあったりするわけです。

 

答えに意味を見い出すのではなく、

問い続けることに意味を持つべきかもしれませんね。

 

君が夢を見ているのではなくて、

夢が君を見ているんだ。

(P.203)

 

自己が中心だと見えないものがありますね。

いっそ自分を客観視すれば

意外と簡単に解決したりもするんですよね。

人生複雑だけど単純でもあります。

 

評価

おススメ度は ★★★★★ と満点といたします。

 

先が見えない時代ですし、

見えてきてもすぐに変化してしまいますよね。

 

社会の人間関係は険悪とも言えますし、

自分の決断や判断を見誤ると

極端にリスクが大きくなったりもしますね。

 

自分自身の価値観や判断基準が

強く問われていることでしょう。

 

それだけに哲学を学ぶかどうかは

自分自身を生きやすくする

重大な分岐点と言っても過言ではないと思われます。

 

本書はとても読みやすいので

今まで哲学とは無縁だった方でも

取っつきやすいと思います。

おススメです。

 

それでは、また…。

 

 

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