ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

看護崩壊 病院から看護師が消えてゆく

 

おはようございます。

 

医師の転職、開業の情報提供をしている

医師転職相談センターの運営企業、

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

アスキー新書の

「看護崩壊~病院から看護師が消えてゆく」

を読みました。(遅ればせながらですが…)

 

 

看護師転職相談キャリア

 

 

小林美希さんという

フリージャーナリストの方が書いた本です。

 

看護業界では

この20年ほど看護師の労働問題を直視する書

籍が見当たらないと言われていたそうですから、

価値ある本だと思います。

 

読後の感想ですが、

いろいろありますが考えた事を

何点か述べたいと思います。

 

ひとつは、

あまりにも病院の内部の事が

世間に知られていないという事です。

 

私は、医療の隅っこでビジネスをしておりますし、

母親が昔ですけど看護師(当時は看護婦でしたね)

をしておりましたので、一般の方よりは

実態を把握しているかと思ってました。

 

ところが、やはり知らない事、

初めて知る事が多かったですね。

私ですらこうなのですから、

一般の方は病院内部の事は

ほとんど知らないのではないでしょうか?

 

おそらくこの本も医療に従事している方や、

労働問題に関わっている方がお読みになっていて、

一般の方はなかなか手にしないのでは?

と思うのです。

 

様々な形で、

病院の内部の事を世間に認知して貰い、

大きなパワーで医療崩壊を食い止める声を

作っていかなければならないかと思います。

 

また、この本で1カ所気になったのは、

看護師の夜勤の過酷さを記述している中で、

「これでは医師と同じだ」と書かれていた点です。

 

ん?医師はいいけど、

看護師の夜勤を減らせってとも言うのか?

と考えてしまいました。

 

おそらく著者はそういった意図を

持ってはいないと思いますが、

チーム医療が医療現場では推進されていく中で、

労働問題についても看護師なら看護師、

ではなく病院全体、

つまり医療従事者全体で考えていかねば

ならないかと思います。

 

看護師の団体ですら

最近になるまで距離があったらしいので、

そこに医師やその他の医療従事者の団体までが

一丸となって活動するのは

難しいのかもしれませんが、

医療従事者全体が一丸となり、

また外部の人間にも力強く後押しされながら、

労働環境の改善に取り組むべきかと思いました。

 

全体的に見て、

まだまだ医療業界の勉強中の私としては

非常に勉強になる本でした。

 

医療現場が本当に疲弊している事もわかりましたし、

診療報酬という制度が現場を混乱させている事も

理解できました。

 

済生会栗橋病院副院長の本田宏先生の

「世界医師会では患者の権利、

 良質な医療を守るために行政と闘うことさえ

 医師の社会的責任とされている」

というコメントには、

医師がそこまでしないといけないのか?

と考えさせられました。

 

また、日本医師会副会長の羽生田俊先生の

「看護師の資質向上とは、

 一部の優秀な看護師を引き上げることではなく、

 看護師全体のレベルの底上げを図ることでは

 ないか。」

というコメントには、

特定看護師という制度自体が

必要なのかを考えさせられるものでした。

 

ついでに言うと、

厚生労働省の担当者とのやり取りについて

書かれている箇所があったのですが、

正直頭に来ました。

ホント、役人ってのはダメですね。

無責任かつ横柄。何なんでしょうね。

 

こういう人達が制度を作っているかと思うと

反吐が出ます。

官僚の中にも真っ当な方がいると信じたいですが、

少なくとも、

この本の中に実名で書かれているような方々は

配置転換、降格をして欲しいと思います。

 

もっと現場に足を運べ!と言いたいです。

 

さてさて、この本自体は

他にも数多く勉強させられる箇所があり、

読んで良かったと素直に思える本でした。

 

ただ、疑問に思う箇所が1点だけありましたので、

それは次回のブログで書きたいと思います。

 

それでは、また。

 

 

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