おはようございます。
医師、看護師の人生の転機でお役に立つ
転職コンサルタント歴13年の
ジーネット株式会社の小野勝広です。
実に勉強になる本を読みました。
「大学病院のウラは墓場
~医学部が患者を殺す~」です。
実はこの本の感想については
ブログで取り上げるつもりはなかったんです。
私のブログは
多くの医師や医療従事者の方々が
お読みになって下さっているので、
このタイトルはあまりにもひどすぎるだろう…
と考えていました。
しかし、内容を読んで驚きました…。
実に正当で、客観性も持っており、
優れた本なのです。
医療者だけでなく、
少しでも医療に関心を持っている方であれば
物凄く勉強になる本なのです。
ちなみに目次は下記の通りです。
第一章 「大学病院だから安心」ではない
第二章 大学病院の言い分
第三章 大学病院は人体実験をするところか
第四章 必要悪「医局」を崩壊させたのはだれか
第五章 先祖がえりした新臨床研修制度
第六章 産科医、小児科医につづき、
外科医もいなくなる
第七章 大学病院の初期化が必要
このようになっています。
読み終えた私からすると違和感だらけです。
タイトル、目次ともに
必要以上にセンセーショナルな言葉を
使っています。
ハッキリ言って内容は
もっと冷静に医療について書いています。
著者の久坂部羊さんは医師ですが、
過去の医療業界が持っていた悪弊に関しては
厳しく批判し、長所は長所で評価をしている。
全く持って
実に残念なタイトル、目次であります。
大学病院にしても、医局にしても、
一般の人間からは見えない世界であります。
しかし、これは医療に限った話しではなく
どの業界でもそうだと思うんですね。
金融業界の核となる部署の業務を
一般の方がどの程度認識しているのか?
不動産業界の裏事情をどの程度把握しているか?
商社が外国でどんな活動をしているのか?
近所にある店舗の仕入れはどこから
どの程度の価格で行われているのか?
政策決定に至るプロセスは?などなど、
必要に応じて情報公開はしているのでしょうが、
あまり深く知らない人の方が多いと思われます。
別に医療だけ特別ではないと思います。
確かに大学病院では
信じられないような対応があり、
それが世間にマイナス評価をされるように
なったのは事実でしょう。
しかし、ごく一部を取り上げて、
大多数の誠実な医療者を糾弾するのは
間違いだと思うのです。
その意味で、
この本は実にもったいない…。
内容は素晴らしいです。
なのに、このタイトル、目次…。
恐らく著者が
決めたのではないような気がするんですね。
売れないと困る出版社が
敢えて刺激的なタイトルを付けたとしか思えません。
このタイトルに惹かれてこの本を手にした人は
恐らくガッカリするでしょう。
内容は実に真っ当に
医療を分析しているからです。
逆に本当の意味で
この本に書かれている内容を学びたい方は、
このタイトルではこの本を買わないでしょう。
ホントはこの方々が読者層としては
ターゲットであるべきなのに…。
皆さん、宜しかったら
是非、この本をお読みになって下さい。
実にまともな勉強になる本です。
こんなタイトルを付ける人間は
自分で自分の首を絞める事になっている事を
全く気付いていないのでしょう。
まったく残念です。
私は、震災以降
マスコミの報道するものに対して
不信感が増幅する一方なのですが
(同じような思いの方は多いと思いますが…)、
この本を読んで
益々強くマスコミ不信を持ちました。
彼らは国民をミスリードしています。
騙されないようにしないといけません…。
それでは、また…。
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