おはようございます。
医師のキャリアパートナー
転職・開業コンサルタントの
ジーネット株式会社の小野勝広です。
『 床ずれ博士の在宅介護 』
大浦武彦 朝日新書 を読みました。
この本を読んでみようと思ったのには
いくつか理由があります。
ひとつは、医療を勉強していく中で
どうしても
介護についての知識も必要だと思ったから。
それと個人的な話しですが、
妻の両親が介護を受けており、元気ですし、
私自身は何かをしているという訳ではないのですが、
今まで関心すら持たなかった事を反省しつつ
総論というか、まあ大まかな最低限の知識は
身に付けたいと考えていたという事もあります。
私の両親は、
私が長男で割と若い時に生まれた子供なので
まだ介護の必要はありませんが、
いずれそう遠くない未来に
考えていかねばならないというのもあります。
超高齢化社会な訳ですから、
これはどんな方でも一緒ですね。
介護の負担というのは想像以上であり、
中には無理心中のような
悲しい結末に繋がるケースもありますので、
そうならないように心の備えを作っておく事は
大切かなとも考えています。
さてこの本ですが、こんな程度の私でも
とてもわかりやすく読むことができました。
<床ずれ>にフォーカスしてはいますが、
介護において床ずれは相当やっかいなものですし、
どんなものなのかは知っておいて損はありません。
ただ床ずれについてばかり
書いている訳ではなく、
介護というものをどう考えるのか?
何に気を付けるのか?
現在の介護制度についての説明なども
わかりやすく書かれています。
実際に医療や介護の現場にいる方にとっては
当たり前の事しか書かれていないのかもしれませんが、
私のようにこれからに備えるという一般の方には
入門書として勉強になるのではないかと思います。
また、意外と医療者の方でも
床ずれについての最新の情報を
ご存知ない方もいらっしゃるようです。
著者である大浦武彦先生は
元々は形成外科のドクターでしたが、
今では床ずれの第一人者となっているようです。
床ずれについて学びたい医療者の方にも
学んで頂けるかもしれません。
非常に勉強になった本ではありますが、
本を1冊読んだところで
介護について知ったという事には
当然なりません。
継続的な勉強は必要だなと感じていますが、
この本の中で介護について
考えねばならない問題の本質は
ここなんだろうなと思う箇所がありましたので、
その部分をご紹介します。
*****
自分はどこで、どのように死ぬのか。
そして、それまでどう「生きる」のか。
自分が介護を受ける前に、介護をする前に、
考えておかなければいけない時代なのです。
*****
ここではないかと感じました。
死生観や人生観。
それを抜きにした介護は
あり得ないのではないかと思うのです。
だからこそ介護に至る前に
家族の中でしっかりとした話し合いが
できていないといけないのだと思うんですね。
と言いつつ私も
そんな話し合いはできていませんし、
なかなかしにくいものでもあります。
しかし、考えたくもない事だけど
そこに重要な要素が隠れている訳ですから
やっぱり考えないといけないのだろうなとも思います。
そんなのそれなりの年になってから…とも考えがちですが、
この本には様々な事例も紹介してあり、
その中には若くして交通事故にあってしまい
介護を受けるようになったケースも書かれています。
いつ何時、介護について
考えねばならない状況になるかは、
誰にもわかりませんね。
日々医療を学ぶ中で、
介護から医療を見ると
また違った見方もできるような気もします。
これからも多角的に勉強したいと思います。
お奨め度 ★★★☆☆ です。
それでは、また…。
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