おはようございます。
転職を検討している医師・看護師に
キャリアプランを提供している
ジーネット株式会社の小野勝広です。
「いま医療現場で起きていること
~医師と患者、相互理解のために~」
健康ジャーナル社を読みました。
この本、すごくいいです。
実に勉強になりました。
目次は下記のようになっています。
第一章 現在、医療現場で起きていること
第二章 院長室から一言
第三章 患者さんといっしょに考えたいこと
第四章 最近の医療周辺の話題から
第五章 医療費の問題点
第六章 終わりにあたって
出版社の紹介文は、
<わが国の老人医療費は高騰。
健康保険制度そのものの危機も叫ばれています。
このままでは金持ちしか病院へ行けず、
貧乏人は死ぬしかないのでしょうか?
また、医療事故や、医療側の倫理観が欠如し、
医師と患者の信頼関係が大きく損なわれています。
社団法人大森医師会の副会長であり、
特定非営利活動法人「医療と法律研究協会」理事を務める
金子整形外科・脳神経外科クリニック院長金子則彦医師が、
医療界に投げかけられた疑問や問題点に関して、
真摯に語ります。
医師と患者の関係改善を目指し、
日本の医療問題に一石を投じる一冊。>
と書かれています。
医師が一般大衆向けに書いている本は多いですが、
一般人にはなかなか難しい内容になっていたり、
逆にあまりにも簡単にしようとし過ぎて
少しくだけた内容になっていたりするものですが、
この本は、その辺りのバランスがすごく良いです。
とても分かり易く書かれているのですが、
くだけた感じではない。
私は著者である金子先生の誠実さを
すごく感じました。
もちろんお会いした事はありませんので、
実際の所はわかりませんが、
1人の医師として現場感覚を大事にしながら、
患者サイドの事情も理解しながら書かれております。
医療に限った話しではありませんが、
現在の日本社会には様々な問題があります。
しかし、その問題に対して
批判や文句を言える人は多いものの、
わかりやすく解説したり、
現場の声を的確に伝えたり、
解決策を述べたりする事ができる人は
少ないような気がしています。
この本は医療現場における問題を
一般人でもわかるように書いてくれていますし、
現場の生の声を届けてくれていますし、
自分なりの解決策も提示してくれています。
それも医療者側の立場からだけではなく、
時には行政サイドにも立っていますし、
時には患者サイドにも立ちながら、
ある一方からの言い分を述べるのではなく、
非常にバランス良く
医療の抱える問題点を突いております。
ご自身の失敗談なども交えながら
具体的に書かれている点も
わかりやすさを助長しているようにも思いました。
おそらくその意味では、
医療者の方が読んでも
勉強になる事も多いと思いますし、
私のようなイチ患者側の立場の方には
特にお読みになって頂きたいと思います。
きっと何が問題で、自分に何ができるのか?
いい医療を受ける為には
患者側である自分はどうすべきなのか?
そんな事を理解できるのではないかと思います。
医療を提供する側、受ける側、
そして医療制度を構築する側。
きっとそれぞれの相互理解が
足りないのだと思います。
コミュニケーションを取りながら
ベースとなる信頼関係を作る。
この本を読んで、つくづく
そういった事の大切さを思い知りました。
お奨め度 ★★★★☆ の良書です。
それでは、また…。
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