おはようございます。
転職を検討している医師・看護師に
求人しか提供できない紹介会社とは一線を課し、
相談から条件交渉まで一貫してサポートする
ジーネット株式会社の小野勝広です。
「交渉力」
団野村 角川oneテーマ21 を読みました。
我々人材紹介会社は、
エージェントと呼ばれる事もあります。
そして団野村氏は、
実際にプロ野球界のエージェントとして
活躍している方です。
あの野村克也氏を
継父に持つという事でも有名ですね。
過去、団野村氏がエージェントとして
様々な交渉に携わってきた選手は、
経歴を持っています。
そんな方ですから兼ねてから
私は団野村氏に
かなりの関心を持ってきました。
なのでこの本を見つけた時は即買いでした。
まず目次なんですが、
第1章 交渉とは何か
第2章 交渉と闘い
第3章 交渉と提案
第4章 エージェント・団野村の誕生
第5章 交渉のテクニック
第6章 プロ野球界に物申す
となっています。
この目次をご覧になれば正にその通りで、
この本は交渉というものに関心を持っている方、
野球好きな方、には大変楽しめる内容になっています。
私自身はその両方に当て嵌りますので、
非常に面白く読む事ができました。
団野村氏は、交渉のテクニックとして
大事な事として下記を挙げています。
① 市場を知る
② 複数のプランを用意し、ほのめかす
③ 相手の話しを聞き、猶予を与える
④ 約束した事は必ず書面にする
⑤ 口約束は信用するな
⑥ 怒る時は冷静に
⑦ ネットワークと正しい情報を得るにはみずから動く
⑧ 絶対に諦めない
それぞれの項目に解説が加えられているのですが、
それを読むとなるほど…の連続です。
良くも悪くもこれだけマスコミに登場し、
注目を浴びながらも
交渉に挑んできた方だけに学ぶ所が多いです。
私も医師の交渉代理人として
条件や待遇などの交渉を
医療機関側とする事があります。
それなりに医師を満足させる条件を
引き出してきたつもりではありますが、
この本を読んで
より有利な交渉ができるのでは?なんて思ってます。
私が特にいいなと思ったのは①と⑧です。
交渉はこちらが勝つ事だけではなく、
相手にも勝たせないといけないと思います。
その為には市場からかけ離れた
交渉をしていてはいけません。
ギブアンドテイクで、
なおかつ決定的な部分で
勝利を得るとでも言うのでしょうか?
マーケットをよく知り、
知っているからこそできる提案をする事で、
両者が満足できる結果を
導き出さねばいけないんだなと学びました。
それと諦めないってのは
当たり前ではありますが、
やっぱり大切な心構えなんですね。
団野村氏でもそうなんですから、
普通の人である私などは
その点強い気持ちを持つ事が必要不可欠です。
業界は違えど、
同じエージェントと呼ばれるだけあって
私にとってはとても学ぶ所の多い本でした。
団野村氏って、
いつもどこかとトラブルを起こしている
イメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
そんな方々も彼の言葉…
「それでは、われわれの使命とは何か
-それは、選手に不平等な労働環境を強いている
さまざまなボーダーを撤廃し、
選手の権利を確立してそこから解放すること、
そのうえでNPBおよび糾弾関係者とともに
アイデアを出し合い、
建設的な協議をしながら、
ファン・選手にとって
魅力ある組織にすることにほかならない。
プロ野球が本来あるべき正しい姿になる日が来るまで、
私はエージェントという仕事を通して、
選手とともに闘っていくつもりである。」
という発言を知れば、
多少なりとも誤解しているのかも…と
気付くのではないでしょうか?
実は彼ほどプロ野球界を
愛している人はいないのでは…とも思うのです。
そして私も選手を医師に、
組織を医療機関に置き換えて、
医療業界の健全な発展の為にも、
医師の待遇改善の為に
良き交渉をしていきたいと
心に強く思いました。
お奨め度 ★★★★☆ の良書です。
それでは、また…。
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