ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

ブラックペアン1988

 

おはようございます。

 

医師、看護師の人生の転機でお役に立つ

転職コンサルタント歴13年の

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

「ブラックペアン1988」

海堂 尊 講談社文庫 を読みました。

 

医師転職オペ件数

 

いや~、実に面白い!

メチャクチャはまってしまいました。

 

しかし、海堂さんっていう人は

凄い小説家ですな~。

 

今まで読んできた本、

どれも面白かったけど

個人的にはこの本は1、2位を争うほどの

面白さに感じました。

 

シリーズに出てくる登場人物の大半が

どこかで出てきますし、

その登場人物の個性の源泉になるようなものが、

あちこちにちりばめられています。

 

もし、海堂さんの本を数冊読んだ事があって、

まだこの本を手にしていない方は、

是非、お読み下さい。

 

あ!こんな所に、

あの人の若かりし頃が出てるという

面白い発見があちこちの場面でできますから、

海堂ファンには溜まらない内容です。

 

おすすめ度は ★★★★★ とさせて頂きます。

 

内容は小説ですから

ネタバレになるので避けますが、

今回は外科の話しでオペの場面が多いです。

 

よって、臨場感溢れる息を付かせぬ展開です。

 

手術なんて、

医療者の方以外は

テレビや小説の世界の話しな訳で、

あくまでも想像の域を出ないのですが、

まるで自分が術者になったような気にさせられます。

 

しかも、そこには微妙な術者の

心理的な描写も上手く書かれており、

ドキドキワクワクしながら読めました。

 

また医療というものが持つ

本質的な矛盾のようなもの。

 

そこにも、

研修医を上手く活かしながら挑戦しており、

1度読んだだけでは理解ができないような、

実は深いテーマも内包されているように感じました。

 

エンターテイメント性と、

熟慮させられる

深いテーマの共存とでも言うのでしょうか?

 

私なぞがあーだこーだ言うよりも、

是非多くの方に読んで頂きたいなあと

思う次第です。

 

文庫には、

巻末に吉川晃司さんと海堂さんのミニ対談が

掲載されています。

 

実は、これも非常に面白かったです。

 

<いや、それには答えはないんですよ。

 (中略)結局、複雑に、「最適解」を

 求めながらいくしかないんです。

 (中略)最適解、一番いい解を。

 正解じゃなくて、最適解。

 

 でも、最適解というのは、

 たぶん条件が一つ変わると

 変わってくるものだと思うんです。>

 

この言葉だけでは

意味が通じないかもしれませんが、

医療の本質だけでなく、

社会のあちこちで必要とされる

考え方ではないかなと思いました。

 

うん、素直におススメです!

と言える本でした。

 

それでは、また…。

 

 

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