おはようございます。
医師、看護師の人生の転機でお役に立つ
転職コンサルタント歴13年の
ジーネット株式会社の小野勝広です。
「死後のプロデュース」
金子 稚子 PHP新書 を読みました。
いやはや…、これはすごい本です。
まだお読みになっていない方は
是非お手に取る事をおススメ致します。
流通ジャーナリストとして
名を馳せた金子哲雄氏。
詳しく知りたい方は ↓ wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E5%AD%90%E5%93%B2%E9%9B%84
この本は
その金子哲雄氏の奥様である
金子稚子氏が書かれました。
金子哲雄氏の闘病生活から、
死を目前にする中で夫婦で何を考え、
何をしたか。
まだ40代という
若くして不治の病に罹ってしまった
金子哲雄氏の生き様、死に様を
赤裸々に語った本です。
日本ではタブー視される
「死」について書かれていますから、
内容はもっと暗くなってしまっているのではないかと
思っていましたが、
いい意味でそれは裏切られました。
ひと言で申し上げるなら、
この本は「愛」の本です。
それは金子夫妻の愛という個別のものではなく、
人類愛とか、慈愛とかと言った
もっと大きなものであり、
人を思いやる、
人を大切にするといった
我々が日常生活の中で忘れがちな大事なもの。
そういったものが
全編を通して感じる事ができます。
親を亡くす。
子を亡くす。
夫を亡くす。
妻を亡くす。
友を亡くす。
こういった事は
できれば考えたくない事でありますし、
そんな話しをしようものなら
縁起でもない事を言うなと叱られるのが
普通だと思います。
ですが、
いつか、必ず、誰にでも、
訪れるものなんですよね。
みんな頭ではわかっている事だと思います。
ですが、頭でわかっていたって
いざそういう場面に直面すると、
冷静ではいられなくなると思うのです。
事実、医療現場では、
何としてでも回復させてくれとか、
何が何でも死なすな、など、
まるでモンスターのような言い草で
医療者に迫ってくる方も少なくないと聞きます。
それはその方が悪いとかではなく、
我々日本人にとって死というものが遠いもの、
少なくとも身近なものではなくなってしまった事、
病院で死を迎える方が増えたとか、
そういった理由があるのではないかと思います。
本人は至って真面目な訳ですが、
それはやっぱり第三者から見ると
見苦しいものではないかと思うのです。
そうならない為に、
私たち現代に生きる大人達は
もっと「死」について
考えておかねばならないと思います。
そして死を恐れるのではなく、
自然の摂理と捉え、
どう受け止めるのかを
想像しておくべきではないかと思うのです。
それを悲しみとか、
痛みとかだけではなく、
大きな愛で包み込むべきではないのかな。
そんな事を考えさせてくれる良書です。
最後に目次をご紹介致しますね。
第1章 金子哲雄の死の準備
第2章 引き継げる関係をつくっておく
第3章 「引き継ぎ」から生まれること
第4章 「死」とは何か?
第5章 「引き継ぎ」のすすめ
となっています。
良くも悪くも、
私たちの生きているこの世界は
世知辛い世の中であります。
死んだらお終い。
死=無。
といった、
さみしい話しだけでなく、
この本に書かれているような
死ぬことと生きることは同じとか、
生と死は繋がっているという感覚で
今を考える事ができたら、
もっと日々が
充実したものになっていくのではないか…。
そう思いました。
金子夫妻の取った行動が
良いかどうかといった話しではなく、
少なくとも彼らの行動や思いというものは、
死を目前にした時の支えや
参考になると思うのです。
お奨め度は ★★★★★ と致します。
じっくりと過去を振り返りたい方。
じっくりとこれから先を考えたい方。
そんな方には超絶おススメです。
それでは、また…。
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