ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

患者革命 納得の医療 納得の死

 

おはようございます。

 

医師、看護師の人生の転機でお役に立つ

転職コンサルタント歴13年の

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

「患者革命 納得の医療 納得の死」

中島みち 岩波アクティブ新書 を読みました。

 

医師転職患者納得

 

まずは目次からご紹介します。

 

第1章 揺れるインフォームド・コンセント

第2章 いわゆる「がん告知」について

第3章 誤診から命を守るために

第4章 在宅で看取る

第5章 病院で看取る

 

ひと言で言うなら、

著者自身の様々な経験、

旦那さんの闘病経験などから感じた

医療への疑問、課題を

赤裸々に述べている良書です。

 

医療を敵視しているようなスタンスもありませんし、

むしろ医療者の事情や背景も

よくわかっていらっしゃる。

 

患者側への問題提起は非常に鋭く、

おっしゃる通り!と思う部分も多いですが、

だからと言って

患者側にただ手厳しいだけではない。

 

非常にバランス感覚に優れた本だと感じました。

 

それだけに書かれている内容に共感できますし、

提言に対してもそうあるべきだなと

スッと思えます。

 

ですが…。

この本が書かれてから、

もう10年以上の時が経ちます。

なのに全く色褪せない…。

 

もちろん褒めている訳ではありません。

何も変わっていない…。

いや、むしろ悪化している。

 

モンスターペイシェントの存在。

無理難題を医療者に押し付ける。

命について全く考えていない。

 

患者革命。

残念ながらごく一部を除いて

悪化していると言わざるを得ないような

気がします。

 

私思うのですが、

この世にあるほとんどの事は、

やるのもやらないのも

自分自身で決める事ができます。

 

学校に通うのも通わないのも、

仕事をするのもしないのも、

電車に乗るのも乗らないのも、

いくつかの選択肢の中から

自分自身で選んだものであるはずです。

 

もちろん国民の義務だとか、

家庭の役割だとか、

いろんな事はありますが

それでも最終的な決断は自分ないし

自分の身近にいる人の意向がある訳ですね。

 

唯一、そうでないのは「生きる」という事、

そして「死ぬ」という事ではないでしょうか。

 

まあ生きるのを止める事はできますから、

「死ぬ」事だけが唯一自分では

どうしようもできない事なのかもしれませんね。

 

昨今、病院から自宅療養へという流れを

しゃかりきになって作っていますが、

まだまだ病院で亡くなる人が大半である現代社会。

 

医療の世話にならない人はいない訳で、

それなのに医療があまりにも知られていない。

 

非常に憂うべき事態のような気がします。

 

著者はその辺りの警報を

この本を通して鳴らしていたのでしょうが、

その効果はいかがなものなのでしょう。

 

患者革命ってのは、

制度やシステムを変える事でも、

患者自身が医療に詳しくなる事でもないように思います。

 

この社会の中で

医療というもののポジショニングを明らかにし、

生活に密着させる事ではないかと思うのです。

 

それが生死というものを

考える事に繋がるでしょうし、

きっとそれ自体が

今を生きる事を

大切に思わせてくれるのではないかと感じます。

 

古い本にはなりますが、

是非1人でも

多くの方に読んで頂きたいです。

 

お奨め度は ★★★★☆ と致します。

 

それでは、また…。

 

 

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