おはようございます。
医師の転職、開業の情報提供をしている
医師転職相談センターを運営する
ジーネット株式会社の小野勝広です。
「ルポ 産科医療崩壊」
軸丸 靖子 ちくま書房 を読みました。
まずは目次をご紹介致します。
プロローグ 周産期医療の現実
第1章 産み場所はなぜ消えるのか
第2章 増える「危うい」妊娠
第3章 増える「困った」妊婦
第4章 逃げ出す医師たち
第5章 被災地・NICU
第6章 助産師は時代の救世主か?
第7章 安心して産むために
エピローグ 絶滅危惧種
実は、この本は随分前に買っていました。
が、なかなか読む機会が訪れずに、
しばらくは置きっぱなしになっていたのです。
たまたま知人の産婦人科医が
疲労で入院した事もあり、
産婦人科の実情について学ぼうと思い
読み始めました。
最初は、産科を中心とした
医療崩壊ものなのかなと感じましたが、
いえいえそんな単純なものではありませんでした。
丹念に現場を取材し、
客観性と事実を持って
しっかりとしたルポタージュになっている
素晴らしい内容の本でした。
産科医療を取り巻く問題点を実に幅広く、
そして冷静に取り上げており、
しかも平易に書いている事から、
私自身も良い学びになり、
そして危機意識を大いに持つことになりました。
これからお子さんを持つ事になる方々は、
浮わついた内容の雑誌なんかを読むのではなく
本書を手に取り、
真実を知る事が大切なのではないかと思いました。
私自身、娘が生まれる際の
出産の瞬間に立ち会う幸運に恵まれました。
なんて、本当は見られたくないと言っていた妻が
土壇場になって不安になり、
分娩室に付いていった次第なんですけどね(苦笑)。
子供の誕生…。
正直、私は訳もわからぬままに、
直前まで立ち会わないでいいと言われながら
急に立ち会う事になり、
心の準備も整わぬままに
その場に居合わせた訳です。
ですが、物凄い感動をしました。
娘が現れた瞬間はなぜか涙が出ました。
今でもとても大切な思い出です。
素晴らしい働きをして下さいました。
真夜中から朝方まで時間が掛かりましたが、
しっかりと支えてくれたのです。
ですが、そういった環境が
徐々に壊れつつある産科医療…。
少子化や、待機児童や、
様々な問題がありますが、
産科医療が崩壊しては、
それどころではなくなってしまいます。
これは、国を挙げて
対処すべき問題だとも思うのです。
子を持つ親。
私たちが子供を持てたのは、
自分達は子供を持てたけど、
もしかしたら、その子達は
子供を持てなくなるかもしれません…。
そんな社会を後世に残さぬよう、
産科医療は守っていかねばならない。
そう本書を読んで、強く思いました。
おススメ度は ★★★★★ と致します。
著者は医療側、患者側ともに
暖かい目で見守りつつも、
課題は厳しく指摘し、
誤りはりつ然と正すという
非常にバランスの良い
ポジショニングで本書を書きあげています。
是非、多くの方に読んで頂きたい良書です。
それでは、また…。
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