ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

日本の医療に未来はあるか? ー間違いだらけの医療制度改革

 

おはようございます。

 

医師の転職、開業の情報提供をしている

医師転職相談センターを運営する

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

「日本の医療に未来はあるか?

 -間違いだらけの医療制度改革

鈴木 厚 ちくま新書 を読みました。

 

医師キャリア転職未来

 

率直な感想としては、

「ここまで率直に言っちゃって大丈夫!?」

って、ところです。

 

著者は医師なのですが、

おそらく本書を読んだ医療従事者は

「よく言ってくれた!」

と拍手をするのではないかと思います。

 

2003年に出版されたのですが、

現在の状況とほとんど一緒です。

 

目からウロコという程に

2014年でも通用します。

 

医療従事者と患者。

 

医療の世界は

この関係がもっと重要だと思います。

 

ですが、この両者の関係を悪くしているのは、

厚生労働省であり、

製薬メーカーであり、

社会保障制度自体であり、

マスコミであると…。

 

こういった存在を

思いっ切りぶった切っているのが本書です。

 

私自身も、

それなりに医療の置かれた状況を

理解しているだけに、

喝采を送るとともに、

この著者はここまで言ってしまって大丈夫かな?

敵を作ってしまうのではないかな?と

心配になりました。

 

ですが、真実を述べていると思いますし、

それがすべてとまでは言いませんが、

相当に正確な情報であるとも思いました。

 

本来であれば

政治家にこそ読んで頂きたい本です。

 

ですが、彼らはそんな暇はないでしょうから、

我々一般人や、医療従事者自身が読んで、

この現状を把握し、

政治家にプレッシャーを掛け、

官僚どもを動かし、

制度を変えていかねばならないのではないかと思います。

 

なぜ日本の医療がよくならないのか?

 

それは、医療への批判が

的外れに終始しているからである。

 

もうこの著者の主張が、全てでしょうね。

 

医療従事者を批判しても、

結果的に損をするのは我々患者です。

 

患者と医療従事者が、

一緒になって改革を起こさねば、

永遠に日本の医療は良くならないと思います。

 

本書を執筆された著者の勇気に、

拍手を送るとともに、

1人でも多くの方に本書を読んで頂きたい。

心よりそう思いました。

 

おススメ度は ★★★★★ と満点です。

 

最後に目次をご紹介します。

 

Ⅰ 日本の医療費

  日本の財政事情

  日本の医療財政事情

  国民医療費は誰がどのように負担するのか

  国民医療費高騰の嘘

  国民医療費の価値

  老人医療の誤解

  医療費の国際比較

  安すぎる日本の医療費

 

Ⅱ 病院経営

  医療従事者の過労

  不足するマンパワー

  医師・看護師の多忙

  公的病院の赤字

  私立病院の深刻さ

  診療所の経営

 

Ⅲ 日本の社会保障

  福祉の流れに逆行する日本

  公共事業が優先される実態

  年金と介護

 

Ⅳ 医療周辺産業

  高い薬剤費比率

  製薬会社が儲かる理由

  日本の製薬会社は世界で生き残れるか

  医療機器の値段

  院外薬局の是非

 

Ⅴ 医療現場の憂鬱

  三時間待ちの三分診療

  医療サービスとは何か

  公私の格差

  救急医療について

  救急車の値段

  高額医療費の功罪

  高額医療が良い医療なのか

 

Ⅵ 医師の不安神経症

 

Ⅶ 日本の保険制度

  国民皆保険の破綻

  保険制度にかかわる不満

  現在の医療保険と医療報酬

  保険診療の矛盾点

  健康保険組合の問題点

 

Ⅷ 日本の医療の推移と現状

  戦後の医療

  医師の技術料

  医療はどのように受け止められているか

 

Ⅸ 医療事故から考えること

  患者取り違え事件

  麻酔科医死亡事件

  安楽死事件

  都立広尾病院医療事故

  有名病院ほど事故が多い

 

Ⅹ 日本の医療はどこへ向かうのか

  国民の願い

  どこに問題があるのか

  医療の方向性

  医療の効率化と医療難民

  医療の平等性の弊害

  医療報酬の減額が意味するもの

  日本の医療の病巣

  最大の問題点

  日本の医療の国際評価

  医師は何をなすべきか

 

ⅩⅠ 医療の未来を考える

 

ホント素晴らしい本ですから、

まだお読みでない方は、

是非お手に取って欲しいです。

 

それでは、また…。

 

 

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