ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

医療鎖国 なぜ日本ではがん新薬が使えないのか

 

おはようございます。

 

今日も医師、看護師の転職について、

どうすれば良いのか考えている

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

「医療鎖国 なぜ日本では

 がん新薬が使えないのか」 

中田敏博 文春新書 を読みました。

 

医師キャリア鎖国

 

非常に勉強になりました。

ちなみに東洋経済ONLINEの書評では

下記のように書かれていました。

 

<米国に渡り、医療分野の

 ベンチャーキャピタリストとして活動する著者は、

 海の向こうから見ると、

 日本は最先端医療技術を受け入れない

鎖国」状態であり、

 医療の質や仕組みはさまざまな面で

 世界標準から懸け離れている、と指摘する。

 世界で売り上げ上位のバイオ医薬品の認可や、

 新しい医療技術の国内使用、

 保険適用などは先進国中で最も遅いことがしばしば。

 その原因は、医療を内側から牛耳っている既得権益者、

 保守的で窮屈な規制環境、

 それを打開できない政治にあるという。

 少子高齢化と財政危機にある今の日本で、

 いかにして医療の質を向上させ、

 「医療開国」するかを、

 経済的な側面から考察する。>

 

これを見て、なかなか興味深そうだと

思われる方もいらっしゃるかと思います。

 

サブタイトルに

「なぜ日本ではがん新薬が使えないのか」とありましたので、

私は日本の新薬の承認制度の問題点などについて

書いているのかと思いきや、

医療全般における様々な問題点について書かれおり、

しかも実に平易な内容となっている為に

とても良い学びとなりました。

 

医療費の水準を世界各国と比較したり、

財源問題、保険制度、医療崩壊の原因、

アメリカやイギリスの医療制度など、

幅広い分野を解説してくれています。

 

著者は、医学部卒業後に

大学病院医師として勤務したが早くに辞めて、

マサチューセッツ工科大学(MIT)のビジネススクールに入り

MBA(経営学修士)を取得、

医療分野のベンチャーキャピタル・ファンドを設立して

企業への投資を行っているという異色の経歴を持っており、

国際的な視点から

日本の医療について感じる事を赤裸々に語っており、

しがらみがないからなのか、

時にストレートな物言い、

時に変化球のようなアイデアを出しており、

とても新鮮に感じました。

 

日本の医療問題、

健康保険などを理解するには非常に良く、

医療に詳しくない方の入門書としては

最高の部類に入る良書ではないかと思います。

 

著者の経歴がそうさせるのか、

どこにも肩入れする事なく、

ニュートラルなポジショニングを取り続けている事にも

好感が持てました。

 

最後に目次をご紹介します。

 

第1章 「医療鎖国」の実態

第2章 文民統制を取り戻せ!

第3章 複雑怪奇な「身分制度」からの脱却

第4章 「開国派」の夢は実現できるのか

第5章 消費税は医療の助け舟か?

第6章 箱モノ志向・自前主義からの脱却

第7章 次世代の高度成長を牽引する医療産業

終章  いまこそ「医療開国」を

 

おススメ度は ★★★★☆ と致します。

 

おそらく、本書に書かれているような改革は

実現できないと思います。

 

今の政治家や官僚、既得権者には

必要がないのでしょう。

 

しかし、私たち患者側や、

現場で奮闘する医療従事者にとっては

是非とも実現して欲しい内容です。

 

1人でも多くの方に本書を読んで頂き、

清き1票で改革するしかないのだろうなと思いました。

 

それでは、また…。

 

 

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