おはようございます。
医師、看護師の転職パートナー
ジーネット株式会社の小野勝広です。
「3年で辞めていった若者はどこへ行ったのか-
アウトサイダーの時代」
城 繁幸 ちくま新書 を読みました。
「3年で辞めた若者はどこへ行ったのか」
ん~、私のような仕事をしていると
興味を持ってしまうタイトルです。
著者である城繁幸氏は、
「若者はなぜ3年で辞めるのか」という
ベストセラーを出しており、
その続編的な作品とあっては
読まない訳にはいきません。
本書も実に興味深い内容でした。
医療従事者向けには書かれていない内容ですが、
20代、30代の若手医療従事者は
読んでおいて損はないと思います。
なぜなら内容で最も力を注いで書かれているのは、
「昭和的価値観 VS 平成的価値観」であるからです。
これはビジネスの世界でも、
医療の世界でも共通ではないでしょうか?
仕事面だけでなく、
ジェネレーションギャップは確実に存在しますが、
本書では日本全体の問題として、
実に幅広く、
わかりやすく問題提起しております。
充実した内容で、
私は素直に読んで良かったと思いましたよ。
「できるだけ安定した企業に新卒で就職し、
定年まで勤め上げること。
これこそ、昭和的価値観の王道だった。
そして大学という存在は、
専門知識を学ぶ場というよりも、
このシステムをより確実に進むための
パスポートを発行する機関だった。
彼らの多くも、
それまで何の疑問も持たずに生きてきた
昭和的人間だったのは間違いない。
大学に入った時点で、
一応はレールの端に上がれたと
安心しきっていたはずだ。
ところが
「どんな仕事でもいい、就職させてください」と
哀願したとしても、
どこにも就職できない人間が一定数発生したのだ。
2001年、少なくとも社会への出口において、
昭和的価値観は音を立てて崩れたと言えるだろう。
一つの時代が終わったのだ。」
この文章だけを読んでも、
相当の危機感を持たねばならない事が
おわかりになるのではないでしょうか?
医療業界においては
若干問題が違う面はありますが、
経済全体が影響を与えているのは確実であって、
いわゆる寄らば大樹という考えの終焉は、
ビジネス界も医療界も同様だと思うのです。
そしてこれこそが昭和的価値観であり、
その最も足るものは公務員、
そして旧態依然とした組織から変革できない大企業…。
その両者を引っ張っているのは、
昭和的価値観に疑問すら感じる事ができずに、
危機感を持てない50代、60代の
おっさん達でありますね…。
昭和的価値観のメッキがはがれ、
時代が変わっている事に対応できない人たち…。
とはいえ、我々40代は
昭和的価値観で育ってきた訳ですし、
20代や30代の方々だって
若さよりも老練さ、
斬新さよりも
旧態依然に流されてしまっている人もいますね。
昭和的価値観とは、
年代ではなく、思想であります。
この思想に縛られていたら
確実にリスクを背負う事になると思うのです。
しかし、旧態依然とした組織に所属をしていると、
そのリスクに気付けない…。
いつの間にやら古い思想が身に付き、
昭和的価値観を
この平成の時代に持ってしまう事になります。
これは個人の問題というよりも、
組織の問題だとは思うのですが、
所属した組織によっては、
仕事を覚えるのと同様に、
いつの間にやら覚えてしまう思想なのかもしれません。
これからの仕事人は、
自分の足で歩く事を覚えなければならないと思うんです。
ですが、大きな組織に守られてしまうと
自分の足で歩くなんて事を
知る事ができないのですね。
公務員や大企業病を抱える会社の社員などは
まさに当てはまるでしょう。
もしかしたら大学病院や民間の大総合病院、
医局といった存在も
そのひとつになりかねないと思うんです。
自分の足で歩く事ができる。
つまりキャリアの問題です。
キャリア志向ではなく、
キャリア思考が必要なのではないでしょうか?
でないと、組織の没落とともに、
自分自身も落ちて行ってしまいます…。
本書は、様々な事例を挙げて、
自分の足で歩いている方々の考え方、生き方を
紹介してくれております。
まさに必見の書と言えると思います。
最後に目次をご紹介します。
第1章 キャリア編
第2章 独立編
第3章 新世代編
となっています。
おススメ度は ★★★★☆ と致します。
キャリア。
自分の足で歩く。
そういう点に関心をお持ちになる方は
是非お手に取ってみて下さい。
それでは、また…。
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