おはようございます。
医師のライフ、キャリアのプランニングを
オーダーメードで丁寧に一緒に考えていく
ジーネット株式会社の小野勝広です。
「日本辺境論」
内田 樹 新潮新書 を読みました。
前回の書評が大前研一氏の
日本の論点でありまして、
何となくこの「日本」というのが
私の心に刺さったのです。
あれ、自分最近日本の事わかってる?
日本の事を勉強している?
もっと日本の事を知らないと、
足元をしっかり見つめ直さないと
いけないんじゃない?
そんな事を考えたのです。
という事で、
私のまだ読んでない書棚から
「日本を学ぶ」というテーマで
セレクトしたのが本書でした。
好きな内田樹氏の著書ですから
大変に楽しみに読み始めました。
結論から申し上げちゃいますと
本書は日本人とは何ものか?という問いに、
「地政学的辺境性が
日本人の思考と行動を規定している」
という答えを用意し、
それを証明する為に様々な角度から論じていきます。
これが実に面白い。
政治、歴史、教育、哲学など、
内田氏が想定する「辺境」というキーワードを、
学際的に、でもふんわりと語っています。
なるほど、私たちがそう考えてしまう
根本的な原因にはこういうものがあるんだな…。
そんな気付きをたくさん与えてくれました。
どうしても我々は島国根性から抜け出せず、
ワールドワイドな物の見方などが
不得手のような気がします。
もちろん中には
そうでない人もいらっしゃるでしょうが、
日本人として小さな視点で
つい考えがちである事は、
隠しようがないようにも思うんですね。
私たち日本人固有の思考や行動を
その辺境性によって説明するロジックに脱帽です。
辺境人として生きる術とその可能性も含めて、
多様な視点から論考を組み立てる凄さは
まるでマジックのようにも思いました。
何となくそうだなあ…と漠然と感じていた
自分をも含めた私たち日本人の特徴。
良くも悪くもの日本人らしさ…。
その疑問がすっきりと氷解した気分であります。
最後に目次をご紹介します。
Ⅰ 日本人は辺境人である
Ⅱ 辺境人の「学び」は効率がいい
Ⅲ 「機」の思想
Ⅳ 辺境人は日本語と共に
おススメ度は ★★★★☆ と致します。
内田さんの本は5つ星が多いですが、
本書は何となく言い訳がましい箇所があり
それが少し残念でした。
賛否両論はあるのでしょうが、
私としてはもっと内田節全開でいいのに…
と、思った次第です。
でも私たち日本人は何ものなんだ?
という問いを考察する際には
非常に有益な1冊だと思います。
それでは、また…。
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