ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

若きサムライのために

 

おはようございます。

 

医師が本業に専念できるように、

転職や開業をオーダーメードでフルサポートする

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

「若きサムライのために」

三島 由紀夫 文春文庫 を読みました。

 

若手医師キャリアプラン

 

三島由紀夫…。

私が随分と若い頃に興味を持って、

どの作品かも忘れましたが、

何らかの小説を読んだ記憶があります。

 

ただその時は私自身が若く、

知識も知性も教養も不足していたのでしょうか…。

 

全然面白さを感じる事ができずに、

それ以来ずっと遠ざかっていたのです。

 

たまたま何かで三島の言葉と出会い、

再び興味を持ったのですが、

小説は1度痛い目に合っていますから、

エッセイとかはないかなと探して

出会ったのが本書です。

 

本書は前半は

三島が考える精神と道徳に関してのエッセイ。

後半は当時の著名だった方との対談。

 

何せ昭和41年~昭和44年に

雑誌などで初出となったものを

1冊にまとめたものですから、

時代が違うという側面は少なからずあります。

 

しかしその時代の違いという違和感を

圧倒的な存在感でぶち壊してくれます。

 

まるで鋭利な刃物でスパッと切り込むような

抜群の切れ味のトークが展開されて、

痛快、驚嘆、ワクワク、ドキドキ…。

 

時代の違いはあっても、

そこにズレはありません。

 

時代を超えた本質を

ズバズバと突いてくれます。

 

そして三島の先見の明には頭が下がる思いです。

 

著者が昭和40年代前半に

危機感を抱いていた事が

今まさに表面化しており大きな問題になっている。

 

三島の危惧を

誰も解決できなかったと思うと

辛くなりますね。

 

なぜ三島が自らの命を絶ってまでも

訴えた事に対して、

誰も、何も、何十年も、

ほったらかしにしてしまったのか…。

私もその1人ではありますが、

かなり切なく思いました。

 

三島が絶命したのが1970年。

 

私は1969年生まれですから、

余計に感情的になってしまう部分はあるのですが、

それにしても三島を死なせた日本社会には

何か根本的な過ちがあるようにすら思えてしまいます。

 

昭和40年代前半に若者だった方への

三島流のメッセ―ジではありますが、

現代にも充分に通用する

激烈なアナウンスでもあります。

 

現代社会に不満、不安を抱えていて、

未来に希望を持てない若者は

本書を手に取るべきです。

 

ここにはまだ戦後の名残りが残っている当時だからこその

強固な日本人像があり、我々はもう1度ここに帰り、

再出発した方が良いのかもしれない…。

そんな事を考えました。

 

最後に目次をご紹介します。

 

若きサムライのための精神講和

若きサムライのために

勇者とは

作法とは

肉体について

信義について

快楽について

羞恥心について

礼法について

服装について

長幼の序について

文弱の徒について

努力について

お茶漬けナショナリズム

東大を動物園にしろ

安保問題をどう考えたらよいか<対談>猪木正道

負けるが勝ち<対談>福田赳夫

文武両道と死の哲学<対談>福田瓦存

 

おススメ度は ★★★★★ と満点とします。

 

私は今更ではありますが、

三島作品を読まねばならんと強く思いました。

 

もしかしたら小説は相性が悪いのかもしれないので(笑)、

エッセイや対談集などを探してみようと思います。

 

三島由紀夫…。

名前は知ってるけど本は読んだ事ないなあ…とか、

随分右寄りな人だよね…とか、

昔の人過ぎて良く知らないなあとか、

そんな方には是非お読み頂きたいです。

 

日本の近代史を通じて、

三島流の提言に

きっと心が動かされるのではないかと思います。

 

しかしなあ、

どうしてこういう稀有な人物を

我が国は早く失ってしまうんだろうか…。

やはり何か根本的な欠点があるのかなあ?

 

いい国だなあと思う部分と、

これでいいのかなあと思う部分…。

いろいろ考えさせられました。

 

それでは、また…。

 

 

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