おはようございます。
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ジーネット株式会社の小野勝広です。
『資本主義はなぜ自壊したのか
「日本」再生への提言』
中谷 巌 集英社インターナショナル を読みました。
いやいやいやいや…
スゲー本と出会いました。
今の社会、この世の中に対して、
特に経済面、資本主義に対して
疑問を感じていらっしゃる方には
超絶おススメいたします。
著者の中谷巌氏は、
著名な経済学者であり、
細川内閣当時の経済改革研究会の委員を務め、
その後の小渕内閣の経済戦略会議でも
議長代理を務めました。
経済学者としての博識を政権内でも活かし、
国家政策にも反映させてきた方な訳です。
しかもソニーの取締役を務めたり、
スカパー、アスクル、WDI、
富士火災開業保険など
名立たる企業の取締役を務め、
学者として、経済人として、
超一流の人物であると言って
過言ではない方であります。
本書はそんな中谷巌氏の「懺悔」の書なのです。
今までの私の考えや行動は間違っていました…。
立場や権力のある方がそう言うのは
とてつもない勇気のいる事でありますが、
中谷氏は、過去の構造改革推進、
グローバリズム資本主義を推進する立場を返上し、
一転させた訳なんです。
良く言えば、信じる道を素直に生きる好人物、
誤りを自ら正せる勇気を持つ人物、
柔軟性を持ち続ける
真理に近づける人物などとも言えますが、
悪く言えば、カメレオンのように主張を変える人物、
自らの発言や行動に対する責任から逃れる人物、
いいとこ取りを狙うずる賢い人物などと
言われても致し方ないのでしょうね。
ただ私は本書を読んで、
中谷氏の変遷を好意的に受け止めました。
今まで社会の為に、国家の為に、
国民の為に、良かれと信じ、
その欠陥や欠点などのマイナス面に気付き、
方針を180度転換。
本書でその反省とお詫びを示しつつも、
なぜそう考えるに至ったのか?
その理由や経緯を
実に丁寧に説明、釈明しています。
2008年に出版された本書ですが、
2017年の現代では中谷氏の懸念は的中し、
なぜ転換した氏の主張を
政策に反映させなかったのか?
政府の不明が明らかになってしまっています。
グローバル資本主義がもたらした
格差問題、環境問題、社会連帯の破壊、
地域コミュニティの崩壊などを見ると
中谷氏が方針転換した事は
正しかったと今だからこそ言えます。
また単なるデータや理論、学問だけではなく、
そもそもの日本人論、宗教論、歴史や伝統、
文化など古き良き日本への回帰論も含めて、
多種多様な多角的な視点で
脱グローバリズムをススメています。
資本主義を選択しなかった国の暮らしぶりが、
GDPなどの経済指標とは裏腹に、
とても豊かで国民の満足度が高い理由などは
日本国民として、
アメリカをはじめとした欧米諸国よりも
そちらを選択した方が良かったのでは?などと
考えさせられます。
政治や国民の暮らしが
経済に翻弄されてしまう時代です。
現代社会を知る為には、
経済を学ばねばならないとも思います。
その意味では本書を読む事で
幅広い領域について学ぶ事ができるように
私は感じました。
最後に目次をご紹介します。
序章 さらば「グローバル資本主義」
第1章 なぜ、私は「転向」したのか
第2章 グローバル資本主義はなぜ格差を作るのか
第3章 「悪魔の碾き臼」としての市場社会
第4章 宗教国家、理念国家としてのアメリカ
第5章 「一神教思想」はなぜ自然を破壊するのか
第6章 今こそ、日本の「安心・安全」を世界に
第7章 「日本」再生への提言
終章 今こそ「モンスター」に鎖を
おススメ度は ★★★★★ と満点といたします。
そのデータからなぜそういう論考をするのか?
その思想にエビデンスはあるのか?など
正直、疑問に思う所もなきにしもあらずです。
また最も期待していた日本再生への提言の部分は
やや期待外れでもありました。
それでも本書は読んでおくべき
必読の書であろうと思います。
極論ではありますが、
本書を読まないと日本は益々衰退するだろう…
そう思うのです。
だから多くの方に手に取って頂きたいと
切に願います。
それでは、また…。
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