おはようございます。
医師が本業に専念できるように、
転職や開業をオーダーメードでフルサポートする
ジーネット株式会社の小野勝広です。
出口 顕 河出ブックス を読みました。
レヴィストロース。
構造主義。
この2点に関心があり、
思わずチャレンジしたのが本書です。
私の敬愛する内田樹さんの
お師匠さんみたいな方ですから、
いつか読みたいと思っていた
レヴィストロース。
しかし彼の本をいきなり読んでも
理解できないだろうと思い、
解説本のような本書からスタートした次第です。
レヴィストロースの著書を追い掛けながら、
彼が何を考え、何を目指していたのか、
これを明らかにしています。
社会人類学者であり、
民俗学者とも言われるレヴィストロース。
人類学、神話学についての評価を受けながらも、
構造主義というジャンルを確立させた先駆者。
きっと著者はレヴィストロースを
これ以上ない程に
わかりやすく解説しているのでしょうが、
なかなかに難しいです。
まあ20世紀後半の
大思想家とも言える方ですから、
考えていた事だって奥深いものですし、
レヴィストロースの関わりのあった人物や、
代表的な著作など事前に予備知識がないと
さすがに理解するのは難しかったです。
ただ輪郭とか、
ポイントは何となくごく一部ですが
理解できたように思いますので、
さらに知識を増やしながらも
再度のチャレンジを
その内にしてみようと思えた内容でした。
いくつかレヴィストロースの考えていた事で
うっ!と唸るような言葉がありましたので
ご紹介します。
①
比較とは、複数の文化や社会のあいだを
行き来することであるなら、
比較の人であることは
必然的に漂泊者にならざるを得ないことでもある。
~終生比較の人であったレヴィストロースが
自国フランスとアメリカやブラジルを
何度も行き来していた事について~
②
子供に学ばせようとすることが無益な企てであり、
同時に自由を侵害し、
子供特有の知的能力や
自発性以外は必要としないかのように、
彼らはあらゆる拘束を拒否し、
学校はただ知的能力や
自発性の自由な発達を阻害しないという
役割しかもたないと考えているようだった。
~学校と創造力のある子どもという討論会より~
③
かれは自分自身であることを止めずに、
他者の立場に立つことができる。
幼いときから彼自身を形作ってきた
暮らし方や感性や思考のすべて、
つまりかれ自身と区別が付かなくなった
習慣のすべてを身に付けたまま、
それを他者の目で見ることができる。
言い換えれば、
自分や自国での物の価値や物の見方を、
ほかの人間の目で
相対化することができるということだ。
~異文化との接し方~
④
どのような対象も、
さまざまな光をあてて、
さまざまな観点から考察することができるのであり、
もっぱらこのために、
意見の多様性が生じてくる。
ある国民は、あることがらを、
ある側面から眺めて、そこを固辞するが、
別の国民は、別の側面から眺めるのだ。
~相反する2つの思想の狭間で~
⑤
知性と感性の乖離の拒否であり、
物理的なるものと、精神的なるもの、
自然と人間、世界と人間を和合させるという
抽象的観念論のレベルに
とどまっているのではない唯物論なのである。
~レヴィストロースの目指していたもの~
一部の文章を抜粋しても
なかなかわかりにくいとは思いますが
何となくレヴィストロースの思想回路とか、
方向性が見えてくるのではないかと思います。
最後に目次をご紹介します。
Ⅰ 神話への旅ー移動する普遍
第1章 海の上の構造主義
第2章 仮面と地震
第3章 旅する「家」
Ⅱ 他者への回帰
第4章 遠いまなざし
第5章 「モンテーニュ再読」
第6章 Topsy-turvydom
Ⅲ 現在のシャーマン
第7章 パースペクテヴィズムと遠いまなざし
-レヴィストロースと現代の人類学
おススメ度は ★★★☆☆ といたします。
きっと予備知識がある方なら
私以上に楽しめるし、
学びになると思います。
私の場合はもう少し勉強をしないと、
本当の意味での理解まで到達できません。
しかし、ん?何だかこの分野は面白そうだぞ…という
予感めいたものはあります。
無知の知。
引き続き勉強してみたいと思います。
正直、最も学びたかった構造主義について、
どうも今ひとつ理解ができておりませんので…(苦笑)
それでは、また…。
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