ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

悪人正機

 

おはようございます。

 

医師が本業に専念できるように、

転職や開業をオーダーメードでフルサポートする

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

悪人正機

話し手 吉本 隆明 

聞き手 糸井 重里

新潮文庫 を読みました。

 

医師キャリア悪人

 

本書は2004年の発行ですから

ちょっと古めと言えますね。

 

私は吉本隆明さんに興味があって、

若い時にも何冊か読んだ事があるのですが

理解できたのかできないのかすらよくわからず、

実は本棚にも買ってまだ読んでいない

吉本さんの著書が何冊もあるような状態なんです。

 

読めばいいじゃん…って話しなんですが、

結構難しそうな分厚い本ばかりなので

なかなか手が出なくてですね、

そんな中に糸井重里さんとのコラボである本書なら

読みやすそうだなと思い、

購入即読んでみたのでした。

 

まずは目次をご紹介します。

 

・ほんとのことを言う人との時間ーまえがき 糸井重里

・「生きる」ってなんだ?

・「友だち」ってなんだ?

・「挫折」ってなんだ?

・「殺意」ってなんだ?

・「仕事」ってなんだ?

・「物書き」ってなんだ?

・「理想の上司」ってなんだ?

・「正義」ってなんだ?

・「国際化」ってなんだ?

・「宗教」ってなんだ?

・「戦争」ってなんだ?

・「日本国憲法」ってなんだ?

・「教育」ってなんだ?

・「家族」ってなんだ?

・「素質」ってなんだ?

・「名前」ってなんだ?

・「性」ってなんだ?

・「スポーツ」ってなんだ?

・「旅」ってなんだ?

・「ユーモア」ってなんだ?

・「テレビ」ってなんだ?

・「ネット社会」ってなんだ?

・「情報」ってなんだ?

・「言葉」ってなんだ?

・「声」ってなんだ?

・「文化」ってなんだ?

・「株」ってなんだ?

・「お金」ってなんだ?

・病院からもどってきて

 

ね、読みやすそうでしょう?(笑)。

 

吉本さんと糸井さんの対談本かと

思っていたのですが、

どうやら糸井さんはテーマを出して、

後は聞き役に徹していたようで

全編吉本さんの考えが述べられています。

 

よって糸井さんのファンの方には

おススメできませんが、

吉本さんにご興味がある方には

かなりおススメできます。

 

何せお題が身近なものですし、

日常的なものでもあるので、

吉本さんの思考を学ぶには非常に良いです。

 

若干べらんめえ調も入っている語り口が、

逆に本当の事を言っている感じがして

むしろ好感が持ててしまうのが不思議です。

 

率直に言って、

意外性と真理と処世術が

書かれていると感じました。

 

意外性の部分では、

「泥棒して食ったっていいんだぜ」とか、

「働くのがイイなんて、それはウソだよ」とか、

「ケンカはしたほうがいい」とか、

「殺意は持つだけなら異常でもないし、

 法的にも問題なし」とか、

「上司以上に大切なのは、実は<建物>なんだ」など…。

 

吉本氏ならではの思想が実に面白いです。

 

真理の部分は、

「たどりついたのは<死>は自分に属さない」とか、

「今の時代、<これがいい>という生き方なんてない」とか、

「挫折なんて、しようと思ったってできないんだ」とか、

「円満な家庭なんて、そんなものはねえんだよ」とか、

「マルチメディアの基本にあるのは、

 <利益>と<損害>だ」など…。

 

いかがでしょうか?

なかなか興味深い考え方ですよね。

 

内容を読むと

さらに衝撃を受けるかもしれません。

 

最後の処世術としては、

「さしあたり自分の機能を高めていくのが問題だ」とか、

「都会にはなれておいたほうがいい」とか、

「素質が問題になるのは、一丁前になってから」とか、

「ユーモアは、生きる力そのものに関わっている」とか、

「本気でやんなきゃ、やっぱり儲かんねえぞ」など…。

 

昨今では模範となる生き方が

喪失したと言われていますが、

本書には反面教師も含めて、

こうしたらいいんじゃないか?という処世術が

意外性や真理も合わせて書かれています。

 

吉本隆明の本は難しい…という私のイメージを

本書では気持ちいいくらいにぶち壊してくれており、

さらに氏の思想に深く入り込みたい欲求が

生まれてきました。

 

私の敬愛する内田樹さんと比較すると、

爽快さとか、聡明さとか、明快さという点では

内田さんに軍配が上がりますが、

真理の追求とか、裏側も見てみるとか、

それはわからなくていいだろうという潔さとか、

その辺りは吉本さんの勝ちかもしれません。

 

いずれにしても

内田さんはこれからも必死に読みます。

吉本さんはフェーズフェーズで

ガッチリ読むのがいいなと思いました。

 

おススメ度は ★★★★☆ といたします。

 

次はもう少し難しい著書にチャレンジします。

 

それでは、また…。

 

 

医師キャリア相談

 

ジーネットの他の情報提供サイトもご覧下さい!>

ジーネット株式会社 NEWコーポレートサイト

医師向け情報提供IBIKENサイト 医療ビジネス健全化協議会

ジーネット㈱ twitterアカウント

ジーネット㈱ facebookページ

 

いいね!と思ったら下記もポチ!

          にほんブログ村 転職キャリアブログへ

 

診療圏調査バナー