おはようございます。
医師が本業に専念できるように、
転職や開業をオーダーメードでフルサポートする
ジーネット株式会社の小野勝広です。
「ブラックジャックは遠かった
阪大医学生ふらふら青春記」
久坂部 羊 新潮社 を読みました。
この手の本は結構好きです。
医師が、医療だけでなく、
ざっくばらんに日常生活を語ってくれるのは
私のような仕事をしている人間にとって
非常に有難いんです。
実に勉強になります…と思いきや、
本書はその中でもかなり砕けておりまして(苦笑)。
相当にプライベートをあからさまにしてくれていて、
そんな事まで言っていいの?という箇所も満載です。
本書は著者が大阪大学医学部に入学してから、
外科医、麻酔科医、
そして小説家になっていくプロセスを
面白おかしく語ってくれています。
医学部に入学したのは30数年前…。
まだ大阪大学医学部が中ノ島にあった頃だそうです。
昭和の時代だからでしょうか?
現在と比較するとかなりゆる~い感じで、
まだ鷹揚としていたのでしょうかね??
それっていいの?というレベルの珍道中を
開けっぴろげに語ってくれています。
ここで目次をご紹介しますと
Ⅰ章 ふらふら青春期
Ⅱ章 ”白い巨塔”の劣等生
Ⅲ章 愛と無謀の旅立ち
Ⅳ章 医学部の文系男子
悪友対談 僕らが昭和の医学生だった頃
久坂部 羊 × 仲野 徹
約300ページくらいの文庫なのですが、
最初の中之島の飲食店とか、
著者の医学生時代のよもやま話し…。
ようやく医療にまつわる話題が出てきたと思ったら、
いかに著者が医療を斜めから見ていたかという
これまたなかなか普通の医師にはない視点の話し…。
その後は著者の旅行記であったり、
奥様との馴れ初めだったり、
好きな映画、本、絵画の話し…。
正直医療の勉強にはならないっす(苦笑)。
まあ面白く読めはしますけどね。
久坂部先生の著書は、
知られざる医者の世界 という雑誌のコメントを読んだり…
その程度でしたので
もう少し深堀りしたかったのですが、
本書では厳しいかな…。
なぜ著者が小説家を志し、
医学生⇒研修医⇒医師というプロセスの中で
何を考えて、どのように生きてきたのかは
理解できました。
おそらく普通の医師にはあり得ない内容が満載で、
特に著者の年代以降に
医師になった先生方にとっては
許しがたい一面もあるかもしれません。
ただ医療の世界も
昭和の時代はこうだったんだなあ…と
昔話しを読むようなスタンスであれば
ありかも…です。
医師に限らず、
昭和の時代は
今ほどに世知辛くはなかったんですよね。
良く言えば大らか。
悪く言えば適当。
その頃に戻りたいとか、
戻るべきだなんて事は露ほども思わないですが、
こんな時代もあったんだなあ…というのは
今の20代、30代の方は
知っておいた方が良いかもしれません。
なぜなら意外とこれからの時代には
揺り戻しが来るような気がするからです。
もちろん昭和の時代の頃のように戻るのではなく、
平成の世に昭和の良さを加えるというか、
参考にして新たな制度を作るとか、
そんな展開はあり得るような気がするんですね。
なんて小難しい事は別にして、
本書は昭和の医師の事を知るには
ちょっとだけ参考になるかもしれません(笑)。
おススメ度は ★★★☆☆ といたします。
著者自身が述べておりますが、
医学の勉強よりも人間観察をしてきた…と。
患者の不安や悲しみに共感するとか、
大学病院に対する疑問の裏側にある真の役割とか、
著者のような方だからこその見解については
これからも多くの医師と出会うだろう私にとっては
考え方、見方を複合化させる為に
かなり参考になった部分もありました。
まあそれでも珍道中的な内容ですので、
単に楽しむ為に読む方がいいですね(笑)。
それでは、また…。
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