おはようございます。
医師が本業に専念できるように、
転職や開業をオーダーメードでフルサポートする
ジーネット株式会社の小野勝広です。
本日のブログのタイトルは、
『 国民皆保険が危ない 』といたしました。
本書をピックアップした理由
「国民皆保険が危ない」
山岡 淳一郎 平凡社新書 を読みました。
少し前のニュースですが、
衝撃的な下記が話題になりました。
年金よりも深刻?
医師の半数が「国民皆保険」を維持できないとの考え
メドピアさんと日本経済新聞が全国の医師、
約1000人に対して行った調査によると、
「現状の皆保険制度に基づく医療は今後も持続可能と思うか」という質問に対して、
52%の医師が「そうは思わない」と回答したとの事。
高齢者の医療費増大、
医療の高度化などを考えると、
国民皆保険制度は持たないだろう…と
アンケートに答えた訳です。
ふむ…。
確かに我が国の財政状況は
非常に厳しいと言われており、
その中でも社会保障費に関しては
あまりにも増え過ぎたという側面はあるのでしょう。
しかし医療現場で働く
医師の半数以上が持たないと考えているとなると、
これはもう待ったなしの改革が必要とも思えます。
ところが私たち現代日本人の大半の人にとっては
国民皆保険制度はもう空気のような存在で
あって当たり前という感じになっていますよね…。
これは勉強しなきゃアカン!と考えて、
本書を手に取ってみた次第です。
目次
プロローグー国民皆保険五〇年
第1章 世界に冠たる日本の皆保険?
第2章 貧困という「内」なる危機
第3章 医療を突き崩すのは誰かー国際化という「外」からの圧力
第4章 国民皆保険へのけわしい道のり
第5章 医療の「公平さ」と「先進性」をどう両立するか
感想
本書は2011年8月に発行されたものですが、
全く古さを感じさせない
私のような一般的な国民にも大変わかりやすい良書でした。
世界に誇るべき国民皆保険制度ですが、
すでに何年も前から歪みが出ており、
その事例をいくつも紹介してくれています。
正直、このまま放置していたら
完全に破綻してしまう…と
恐怖感を感じました。
すでに問題は顕在化しており、
国内では二極化の結果としての貧困の問題、
国外からはTPPを初めとして、
むしろ国民皆保険制度を破壊するかのような
強烈な圧力があります。
そんな中で果たして
国民皆保険制度はこのまま維持できるのか?
またそもそも国民皆保険制度は
我が国の歴史上、
どのような経緯でできあがったのか?
どんな課題を乗り越えてきたのか?
ヨーロッパの中でも
国民皆保険制度を取っている
フランス、イギリス、ドイツという
国々の現状はどうなのか?
大変に勉強になりました。
本書は医療に関わるビジネスパーソンにとっては
必読の書と言えると思います。
こういった事情を知らずして
医療従事者と接するのは
失礼に値するように思うとともに
医療でビジネスを行う
責任を感じなければならないとも思いました。
医師の半数以上が
国民皆保険制度を維持できないと考えている一方で、
果たして一般の方に同じアンケートを取ったら
どのような結果になるでしょうか?
おそらくここまでの危機感はないと思います。
いいところ20~30%程度ではないかと思うんですね。
そこまでも行かないかもしれません。
逆に言うと医療に関わっている人間こそが
医師が抱える危機感を一般の人に
上手く通訳してあげて
国民全体として
危機感を持つべきではないかと思うのです。
そうしなければ健康保険料は上がる一方となり、
窓口負担も増え続ける一方となる事でしょう。
政治や行政に対して
しっかり物を申すには、
本書に書かれている内容を
多くの人が知る必要があると思います。
恥ずかしげもなく不倫をしたり、
秘書に暴言を吐くような
議員に任せてはおけませんからね。
おススメ度
おススメ度は ★★★★★ と満点といたします。
是非とも多くの方に読んで頂き、
私たちの生きるこの社会の大問題として
共有したいと思いました。
当たり前にあるものを失うという
インパクトは計り知れないものだと思います。
しかしそうなる可能性が低くはない訳ですね。
私たちにとって宝のような国民皆保険制度。
もっと問題意識を持って知らねばならない…と痛感しました。
それでは、また…。
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