ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

ブラック病院 間違いだらけの医者選び

 

おはようございます。

 

医師の中長期的なキャリアプランを考えながら

転職や開業をオーダーメードでフルサポートする

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

いよいよ今年最後の書評となりました。

ちょっと気になったので

今年の書評ブログを数えてみましたら

何と69回、今回で70回のようです(多分)。

 

ふむ、今年も結構本を読みましたね~。

身についていればいいのですが…(笑)。

 

それでは本日のブログのタイトルは、

『 ブラック病院 間違いだらけの医者選び 』を

ご紹介いたします。

 

医師転職ブラック病院

 

本書をピックアップした理由

『ブラック病院 間違いだらけの医者選び

なぜ、医療過誤(ミス)は続出するのか?』

富家 孝 イースト・プレス を読みました。

 

実はたまたまfacebook

知人が本書を紹介していたんです。

お!と思ってその場でポチっと購入しました。

 

正直言うと何でもかんでも

ブラックと言えば悪の象徴のように決めつける

昨今の風潮には疑問があります。

 

しかし病院の事なら

表も裏も知り尽くしたい私としては

本書は読まざるを得ないと思い

手に取った次第です。

 

目次

第1章 街のブラック・ドクター

第2章 ブラック病院の実態

第3章 悪徳ビジネスのカラク

第4章 病院ブラック化の進展

第5章 名門病院が次々に経営危機

第6章 続出する医療過誤事件

第7章 してはいけない手術

第8章 長生きを礼賛するメディアの罪

第9章 信頼できる医者の見つけ方

 

感想

率直に申し上げますと、

読み終えて複雑な思いを持っています。

 

著者の富家孝先生は

現役の医師でもありますし、

医療ジャーナリストとしてもご活躍です。

 

あまり好ましくない

ブラックという言葉を使っているものの

きっと鋭い分析をしているのだろうと思っていたのですが、

はい、本書の後半は頷かされながら

メディアに対して、

患者に対して、

我が国の医療制度や医療体制に対して、

厳しくも暖かい指摘をされていて、

その点は実に勉強になりました。

 

ただその一方で、

医師、医療機関に対しての

かなり厳しい見方もあって、

それは私のように医療業界の端っこで仕事をしていると

どこかで耳にした事があったり、

実際に医師や看護師から伺った事があったりするので

おそらく事実なのだとは思うんですね。

 

しかしマンパワー不足が常態化している医療機関

度重なる診療報酬改定など頻繁な制度変更の中で、

そこまで求めるのは酷ではないか?と思ったり、

著者自身もそれはよくわかっているだろうに…と思ったり、

それでもわが子が医療過誤に巻き込まれてしまった著者だから

厳しい視点を持ってしまうのだろうか?と思ったり、

事実を公表する事は社会の為だと思ったり、

こういう事を書いて

最もリスクがあるのは著者自身ではないかと思ったり、

まあいろんな思いを持ちながら読んだ訳です。

 

もしかしたら本書は

賛否両論があるかもしれません。

 

私としては

著者が真摯に我が国の医療を思い、

著者なりの意見を表明している点は

評価できると思いました。

 

おそらく受け止め方によっては

様々な見方が成立するんだと思います。

 

人によっては著者を応援したくなったり、

著者を支持したりするのでしょうし、

逆に否定的に思う人や

批判したくなる人もいるんだろうなと思うのです。

 

でもそれは著者の問題ではなく、

医療が本来的に持つものではないかとも思いました。

 

やはり医療って

究極的にはパーソナルなものだと思うのです。

大きな枠組みや制度、

全体像がフォーカスされがちですが、

1人の医師と1人の患者。

 

そこまで細分化できますし、

実はパーソナルな世界の積み重ねこそが

医療とも言えるのかなと考えます。

 

ちょっと私自身の考えも

上手くまとまっていないのですが、

本書は私にとって

医療を考える良いきっかけを与えてくれました。

 

評価

おススメ度は ★★★★☆ といたします。

 

医師が読んだ場合、

看護師などの医療従事者が読んだ場合、

患者が読んだ場合、

医療関連の仕事をしているビジネスマンが読んだ場合、

いや職業だけでなく、

生活環境や医療に罹る頻度、

家族構成やその方のポリシーによって

相当に受け止め方に違いが出るような気がします。

 

イチ部分を取り上げてしまうのではなく、

本書はトータルで考えて

医療を考えるきっかけにするといいのではないかと思います。

 

と言うか、私自身途中イライラしたり、

疑問に思ったり、なるほどと頷かされたりしながら、

最後はう~むと考えさせられたんです。

 

でもそれくらいのスタンスで読むと

かなり勉強になるのではないかと思いました。

 

それでは、また…。

 

 

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