ある読書好き医療コンサルタントの書評ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

読んでいない本について堂々と語る方法

 

おはようございます。

 

医師の人生設計をベースにして

キャリアプランを元に転職や開業をご支援する

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

読んでいない本について語る…。

う~ん、こういうアンチテーゼは嫌いじゃない(笑)。

 

本日のブログのタイトルは、

【 読んでいない本について堂々と語る方法 】といたしました。

 

医師キャリアブログ

 

本書をピックアップした理由

『 読んでいない本について堂々と語る方法 』

ピエール・バイヤール ちくま学芸文庫 を読みました。

 

当ブログをご覧になって頂けている皆様は

百も承知と思いますが、

私は本が好きです。

 

電車で移動する時、

カフェなどでゆったりする時、

自宅でのんびりする時など

いつも本を読んでいます。

 

今まで本を読んできた事によって

それなりの知識を手に入れて

それよりも大切な知性や教養を

身に付ける事ができたと思ってます。

 

そんな私ですから

書籍に対するリスペクトは人一倍強いですし、

読んでいない本について

語っちゃイカンだろうという正論、

でもその一方で1人の人間が

一生の中で読む事のできる本なんて限られている訳で、

読んでいない本について語る事のできる

スキルも必要かも?とも思い、

何だか興味深くて、

とにかく本書を読み始めたのでした。

 

目次

Ⅰ 未読の諸段階(「読んでいない」にも色々あって…)

Ⅱ どんな状況でコメントするのか

Ⅲ 心がまえ

結び

 

感想

本書は数年前にかなり話題になったようですから、

すでにお読みになった方も少なくないかもしれません。

 

大学教員である著者が、

学生への講義の中で堂々と読んでいない本について

語らねばならないシーンに直面し、

それをヒントにして本書を執筆…。

 

まさに主題は読んでいない本について

堂々と語る事は決していけない事ではないんだよ。

 

こうすれば読んでいない本について

堂々と語る事ができるんだよ…と。

 

う~ん…、う~ん…と、

正直スッキリしない感を持ちながら、

読後も結局スッキリせず(苦笑)、

まあごく一部はなるほど…と思う所もあったけど、

かなり評価の難しい作品だなあと思います。

 

そんな中でもうむ…と考えさせられたのが下記の2点。

 

このように、

読んでいない本について語らなければならない場合でも、

それをネガティブにとってはならない。

不安に陥ったり、

後悔を覚えることはないのである。

こうした状況をポジティブに引き受けるすべを心得ていて、

自分の罪悪感の重圧から自由になることができ、

自分が身をおく具体的状況と

それが孕む多様な可能性に注意を向けることができる者にとって、

この状況は<ヴァーチャル図書館>を出現させ、

まぎれもない創造の空間を提供するものである。

われわれはこの空間をそのものとして、

その豊かな可能性をいささかも損なうことなく

迎え入れなければならない。

 

確かに私のような本好きは、

読書至上主義になっている点は否めず、

むしろ本を読む事によって、

そこに書かれた主張に捉われ過ぎたり、

得た知識が思考を硬直化してしまうなど

マイナス面もあるかもしれず、

読まない利点を活かすという展開も

あり得るかもしれません…。

 

それともうひとつ。

 

読書のパラドックスは、

自分自身に至るためには書物を経由しなければならないが、

書物はあくまでも通過点でなければならないという点にある。

良い読者が実践するのは、

さまざまな書物を横断することなのである。

良い読者は、

書物の各々が自分自身の一部をかかえもっており、

もしその書物そのものに足を止めてしまわないよう

賢明さを持ち合わせていれば、

その自分自身に道を開いてくれるということを知っているのだ。

 

なるほど。

読書をしたからと言って、

実際に頭の中に叩き込まれ

自分の知識に転換されるのは

何百ページの中のごく一部であると思います。

 

そう考えると読書をした、

本を読んだという価値は

そこに書かれている事を完璧に吸収しない限りは、

実はそう大きいものではなく、

むしろそもそも自分の備えていた知性や教養に対する

単なる刺激と少しの知識量のアップなのかもしれません。

 

よって読書をしなければならないという

読書コンプレックスを持つよりも、

読書など必要がない社会の方が

我々にとってはより良い社会なのかもしれない…。

 

そして事実、現代社会はすでにそう進んでおり、

作家でなくたってブログやSNSで

いくらでも自分の書きたい事を書く事ができますし、

書物など紐解かなくても

ネットにはありとあらゆる情報にアクセスできる訳です。

 

こう考えると本を読むという事自体の価値が

時代の移り変わりとともに変わってきていて、

私たちはひと昔前とは違う読書方法を編み出して、

今までとは異なる書物を通しての学びをせねばならない…。

そんな事を考えました。

 

今までは本を読まない知識人など多くはなかったですが、

これからはやりようによっては

本を読まない知識人は増えてきて、

本を読まずとも語れる人が増えてくるのかもしれません。

 

た・ただ…、おそらく圧倒的な少数派のように思います。

それは読書を散々して、知識を得た人だからこそ

到達できる領域ではないでしょうか?

 

どうも本書は難しい。

しかし読んでおいて損はない。

 

今は気づけなくとも

いつか気づく事にもなるかもしれない。

そのヒントが散りばめられているように思います。

 

評価

なかなか評価が難しいのですが、

おススメ度は、★★★☆☆ と厳しめにしておきます。

もしかしたら数年後に評価を上方修正するかもしれません。

 

決して書かれている事は難しくないのですが、

おそらく著者の手の平で泳がされているというか、

フランス流のアイロニーとでも言うのでしょうか…。

何だかすごく考えながら読む羽目になりました。

 

それでは、また…。

 

 

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