ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

患者の心がけ 早く治る人は何が違う?

 

おはようございます。

 

医師の将来をより良いものにする為に、

キャリアプランを組み立て転職や開業をお手伝いする

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

回復期…。

ちょっと知識不足を感じていたので

良い機会と思いリハビリについて学びました。

 

本日のブログのタイトルは、

『 患者の心がけ 早く治る人は何が違う? 』としました。

 

リハビリテーション科医師転職

 

本書をピックアップした理由

『 患者の心がけ 早く治る人は何が違う? 』

酒向 正春 光文社新書 を読みました。

 

実は著者の酒向先生とは

facebookで繋がらせて頂いておりまして、

ちょっとしたメッセージのやり取りの中で

著書が出版された事を知り、

すぐさまポチっと購入したのでした。

 

酒向先生は現在大泉学園複合施設の施設長、

ねりま健育会病院の院長を

兼務でされていらっしゃいます。

 

大泉学園は我が家から

車で10分~15分の距離ですので、

とても親近感を持った事もありますが、

それよりも何よりも酒向先生ご自身が

急性期病院の脳神経外科医として

バリバリ仕事をされていらっしゃったキャリアを持ち、

その後、回復期にキャリアチェンジを果たした方なのです。

 

その後、要職を歴任しつつも

健康・医療・福祉を街づくりに活かしていく

健康医療福祉都市構想をお持ちであるなど

キャリア面、活動面など興味深く、

実に楽しみにしながら読み始めたのでした。

 

目次

第1章 病後の人生はリハビリで決まる

第2章 私の医師人生

第3章 病院は選ぶ時代に

            ー医師と患者のコミュニケーションが決め手

第4章 リハビリ病院は医療の航空母艦

第5章 リハビリで人生を取り戻した患者さんたち

第6章 立派に生きて死ぬ、ということ

 

感想

えっと、まずはひと言。

実に勉強になりました。

 

私のように医療に関わる仕事をしている人には

必読の書と言えるかと思いました。

 

医療って何だ?という

根源的な答えを持たない

我が国の医療制度は課題だらけだと思います。

 

平均寿命は世界に胸を張れる水準ではあるものの、

裏を返せばそれだけ医療のお世話になる事が多いという事。

 

しかし医師と患者の関係性は

決して良いとは思えず、

モンスターペイシェントなど

クレーマーも少なくない…。

 

もちろん患者側だけの問題ではなく、

医療機関、医師側にも課題はあると思います。

 

そんな中で著者は

冷静に我が国の医療を分析されており、

患者サイドに立った助言も

的確に行ってくれています。

 

急性期から回復期、

そして慢性期へと続く医療は

厚生労働省の目論見通りには現場では進んでおらず、

在宅を含めた地域医療も含めて、

決してスムーズに流れている訳ではなく、

課題は山積みだと思います。

 

でも心ある医療従事者の賢明な努力で、

少なからず成功例もいくつもある訳で、

著者は我々に対して、

患者さんはこうすると上手く行くよ…という

コツを教えてくれています。

 

患者さん、そして家族も含めて、

医師、看護師、理学療法士作業療法士言語聴覚士

介護福祉士ソーシャルワーカー、歯科衛生士、栄養士など

全員がチームになのだという主張には素直に頷けます。

そうあるべきだと私も思います。

 

もちろん理想論であるし、

患者も、家族も、医療従事者も、

みんながみんな

まともな人である事ばかりではないでしょうし、

病気やケガは必ず回復するものでもありませんしね。

 

ただ本気で回復したい患者は

本書を読んで意識改革をすると良いでしょうし、

急性期に疲れてしまった医師や医療従事者は

回復期という選択肢も

キャリアの視野に入れても良いのではないかと思いました。

 

実際に過去キャリアに悩んでいた医師が、

医療現場でどんな時に幸せを感じるか?と伺うと

患者の症状が良くなって退院していく事に

喜びを感じるとおっしゃった先生がいて、

その先生はリハビリテーション病院に転職をしたのです。

 

今でも充実した毎日を過ごしておられますので、

志向性やビジョンによっては

選択肢のひとつになると思います。

 

まさに著者である酒向先生は

そういうキャリアを歩んでおられますので…。

 

いずれにしても回復期リハビリが中心とはいえ、

医療を幅広く、かつ医療者側、患者側ともに

バランス良いポジショニングで的確に語っておられ、

多くの方に手に取って頂きたい

良書であると思いました。

 

評価

おススメ度は、★★★★★ といたします。

 

これから益々進む超高齢化社会を考えると、

急性期も、慢性期も、地域包括ケアも、

どれも大事であり、

医療の重要性は増すばかりと思うのですが、

その中でも回復期リハビリにおいては

もっと注目すべきと思いました。

私自身、さらに情報収集をしてまいります。

 

本書で私が好ましく思ったのは、

実際に酒向先生の元で働く

理学療法士、看護師、歯科衛生士の

生の声を取り上げていた事。

 

またリハビリを受けている患者側の事例もあり、

具体的なイメージが湧きました。

 

義理の父母に何かあればお世話になりたいと

つい思っちゃいました(苦笑)。

 

それはさておきチーム医療。

患者や家族も含めて

医師を中心とした様々な職種の医療従事者が

みんなで協力し合い回復をサポートする。

 

素晴らしい理念ですが、

言葉では簡単でもやるとなると

相当に難しいんだと思います。

 

実際にあちこちの医療機関でも

チーム医療は叫ばれていますが、

本当に機能していると胸を張れる所は

そう多くはないのではないようにも思うんですね。

 

でもきっと医療業界が目指すべきは

ここなんだろうな…と感じます。

 

それでは、また…。

 

 

<回復期について書いた過去記事等もご覧下さい!>

急性期、回復期、慢性期の3つの機能を持つ病院は…?

回復期リハビリテーション病棟協会 医師10か条宣言!

行き当たりばったりと計画にある矛盾のちょうど良い落とし所について!

 

医師キャリア相談

 

ジーネットの他の情報提供サイトもご覧下さい!>

ジーネット株式会社 NEWコーポレートサイト

医師向け情報提供IBIKENサイト 医療ビジネス健全化協議会

ジーネット㈱ twitterアカウント

ジーネット㈱ facebookページ

 

いいね!と思ったら下記もポチ!

          にほんブログ村 転職キャリアブログへ

 

診療圏調査バナー