おはようございます。
医師のキャリアを中長期的に支える
転職、開業のプロフェッショナル、
ジーネット株式会社の小野勝広です。
人を学び、社会の仕組みを学ぶ事を
勉強のテーマとして掲げている私には
まさに打ってつけの素晴らしい出会いがありました。
本日のブログのタイトルは、
【 近代の呪い 】といたしました。
本書をピックアップした理由
『 近代の呪い 』
渡辺 京二 平凡社新書 を読みました。
私の敬愛する内田樹氏の本を読んでいた時に、
内田さんが渡辺京二さんの本を読んで
コラムを書いた旨の記述があり、
無知な私は、
え、誰?渡辺京二…??と思い、
内田さんが著書を読むような方なら
知らぬままにはおれないと考えたのです。
はい、単純思想です(笑)。
内田さんが読んだ本は見つからなかったのですが、
渡辺京二さんの著書は多い…。
近代社会について考察されている
本書辺りから入ってみるかと考えて、
早速読み始めたのでした。
目次
第1話 近代の国民国家ー自立的民衆世界が消えた
第2話 西洋化としての近代ー岡倉天心は正しかったか
第3話 フランス革命再考ー近代の幕はあがったのか
第4話 近代のふたつの呪いー近代とは何だったのか
つけたり 大佛次郎ふたつの魂
感想
いやはや無知って怖いですね…。
とんでもない方と出会えました。
おそらく今後私は渡辺京二さんの著書を
時々読む事になると思います。
何だろう…。
渡辺さんの立ち位置、立ち方がすごくいいんです。
とてもナチュラルで、素直、真摯、
実にスマートな考え方をされていて、
変な偏りもないですし、
物事をありのまま受け入れる姿勢も
すごくいいです。
1930年生まれとの事ですから、
何と今年で88歳…。
本書は2013年に発行ですので
執筆時は83歳だったんですね。
う~ん、そのバイタリティたるや
尊敬に値します。
昨今では既得権にしがみつき、
社会の害悪になりつつあるような
高齢者も散見されますが
やっぱり高貴とも言えるような
知性と教養を備え、
人間的にもまさに熟練したとも言えるような方も
いらっしゃるんですね~。
本書は近代について書かれています。
近代と言えば我が国では明治維新、
ヨーロッパでは産業革命、
フランス革命を境として
花開いたというのが一般的な認識ですよね。
それは決して間違いではないのですが、
著者はもっと広い視野を持っており、
江戸時代にも近代化は進んでいたと主張したり、
近代化とはとても言えない状況もあったと
述べておられます。
つまり近代化の前と後と
くっきりと明確に分離できるものではない…
そうお考えになっておられます。
ふむ…面白い見方ですね。
この1点だけではなく、
著者の思想、思考は深いんです。
簡単に答えを出さないというか、
常に問い続ける姿勢を持っておられます。
もうすぐ90歳の方がですよ。
本書では東洋、西洋について
客観的かつ事実を素直に受け止めながらも
常識的な範疇の見解を取らず、
さらに深く探求しています。
私自身は日本史専攻で
興味自体も日本史になるので、
正直世界史は基本的な知識しか持ちません。
ところが本書はフランス革命について
広範かつ詳しく書かれています。
なので世界史も勉強しなきゃと思いながらも
とても刺激を受けながら読み込みました。
人を学ぶとか、
社会の仕組みを学ぶとか、
そういう学びをする為には
こんな風に物事を受け止めなきゃダメだよ、
もっとこんな風に考えるといいよ。
そう渡辺さんに諭されるような
そんな貴重なアドバイスを頂きました。
実に勉強になりました。
評価
おススメ度は ★★★★☆ といたします。
本当の近代化とは何なのか?
教科書的な回答ではなく、
人として、社会として、
本当の答えが本書にはあるように思いました。
ただ渡辺さんは答えに導きません。
近代化の恩恵を受けている私たち自身が
もっと考えねばならない…。
つまり知性を問うようなレベルに導くのです。
それがまた自然で心地よいのです。
じっちゃんには敵わねえなあ…
もう少し勉強すっか…という感じ(笑)。
本物の知性とは何ぞや?
大きなヒントを頂いた気がします。
それでは、また…。
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