おはようございます。
医師を中長期的にキャリア支援するから
転職、開業、経営を総合的にコンサルティングする
ジーネット株式会社の小野勝広です。
小説はあまり読まない私ですが、
海堂作品だけは別であります。
ちょっと頭が疲れた時は、
ふと海堂作品に手が伸びるんですよね~。
本日のブログのタイトルは、
【 ランクA病院の愉悦 】といたしました。
本書をピックアップした理由
『 ランクA病院の愉悦 』
海堂 尊 新潮文庫 を読みました。
私のまだ読んでない本棚コーナーには
海堂作品は常に数冊用意されています。
何てたって100冊くらいありますので、
いつも1冊読み終えるごとに
さあ次はどれにしようかな?と悩むのですが、
海堂作品に関しては
時々光って見えるんですね(笑)。
そろそろ読みなさいよ~と
語りかけられるというか…。
こういう時は素直に従います。
なぜか絶好のタイミングになる事が多いからです。
今回はどんなもんかな…と楽しみに
読み始めたのでした。
目次
・健康増進モデル事業
・緑剥樹の下で
・ガンコロリン
・被災地の空へ
・ランクA病院の愉悦
感想
本作は短編集です。
知らずに読み始めました(笑)。
しかしさすがのストーリーテラーですな。
5編ともに実に面白かったです。
スーッと読めてしまうんだけど、
冷静に考えると近未来の医療に関して
アイロニーをしみじみと感じさせられますね。
リアルなストーリーが展開されるだけに、
もしかしたらこんな未来になってしまうのかなと
若干心配になりますが、
まさにそれが著者の意図している所なのでしょう。
あとがきにも
ここに書かれた物語は]
フィクションだが絵空事ではない…と
述べておられ、
それぞれの作品ごとのテーマに合わせた
現代医療へのアンチテーゼとして
読み応えがありました。
予防医療、
発展途上国の医療、
近視眼的な医療政策、
医療従事者のキャリア、
AIの医療現場への浸透、
個人的にはこれらがそれぞれのテーマなのかなと思いましたが、
おそらく全編通して著者が訴えたかったのは
今後広がる医療格差を
この国はどうすんのよ!?という事ではないでしょうか?
私たち1人1人に問い掛け、
現場で奮闘する医療従事者や、
医療政策を立案する方々に対して、
著者なりの心配をぶつけているように感じました。
未来の日本の医療を考えるきっかになる
良書であると思います。
評価
おススメ度は ★★★★☆ といたします。
正直私は短編って苦手意識があって、
あまり内容に入っていけない所があったのですが、
さすがに海堂作品だとスッと感情移入できました。
やはり長編の海堂作品と比較すれば、
奥深さとか、深みのある味わいのような部分は
どうしても欠けているように感じましたが、
逆に読みやすさ、わかりやすさはあって、
本作品の価値というのは長編とは別にあるのだろうなと思います。
そしてところどころに登場する
馴染みの人物たちが良い味を出してくれてます。
サラッと読めてしまい、
ちょっと寂し気に感じる所もあるのですが、
これはこれで良いのでしょうね。
それでは、また…。
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