おはようございます。
医師のキャリアプランを軸にして
転職、開業、経営シーンでサポートし続ける
ジーネット株式会社の小野勝広です。
人は人から学ぶ所が多いと思います。
でも誰からでも学べるか?というと
(本来は学ぶべき点はあるのでしょうが)
やっぱり自分が尊敬している人や、
認めている人、学びたい人から学ぶものですよね。
本日のブログのタイトルは、
【 山岡鉄舟 修養訓 】 としました。
本書をピックアップした理由
『 山岡鉄舟 修養訓 』
山岡鉄舟…。
官軍の駐留する駿府に向かう際に
「朝敵徳川慶喜家来、山岡鉄太郎まかり通る」と
大声で堂々と歩行していったという実直な人。
西郷隆盛との会談では、
出された5つの条件のうち
島津侯が同じ立場なら、
あなたはこの条件を受け入れないはずであると反論し、
西郷に認めさせたという誠実な人。
その後明治天皇の侍従として仕え、
若き陛下に対して厳しく接した剛毅な人。
こんなエピソードを知るごとに
いつか山岡鉄舟は読まねば…と思っていた時に
出会ったのが本書です。
鉄舟の遺した言葉から
彼がどんな人で、何を思い、どんな行動をしてきたのか?
学ぶにはちょうど良いと思い、
気合いを入れて読み始めたのでした。
目次
1 自然と一体になる
2 忍耐と根気
3 本物になる方法
4 どこまでも努力・精進を続ける
5 どれだけ自分に厳しくできるか
6 究極を追い求める
7 抜かず、抜かさず
8 勝ち負けを糧にする
9 技を磨き、心を磨く
10 刀には心が映っている
11 学びを実践する
12 極意を得るために必要なこと
13 自由な心で向き合う
14 自分にこだわるから敵が生まれる
15 世界の中心に自分を置く
16 自分の中にいる敵に勝つ
17 心の鏡に何を映すか
18 初心に還る
19 どこまでも上を目指す
20 形を調え、心を調える
21 平常心とは何か
22 志を高くして生きる
23 厳しさの中に見える人間の真価
24 その場を転じる
25 自分は常に自分と共にある
26 実地と理論を一致させる
27 怠ることなく続ける
28 自分を相手に生きる
29 素直な心に戻る
30 人を変えようと思うならまず自分から
31 よき師を持つ幸せ
32 執着を捨てる
33 始めを大切にする
34 しなやかに立ち向かう
35 清く静かな心を養う
36 守りをしっかり固める
37 やるべき事に徹する
38 何事にも心を込める
39 身を捨てた時に見える世界
40 いかにして不安を解決するか
41 真剣に生きる
42 すべての行いは心から発する
感想
さすがに含蓄ありました。
剣・禅・書の達人であったと言われる山岡鉄舟。
しかもあの西郷隆盛が残した名言、
「命もいらず、名もいらず、
官位も金もいらぬ人は始末に困るもの也」
これは山岡鉄舟を称した言葉であるとも言われています。
この言葉には続きがあってですね、
「この始末に困る人ならでは、
艱難を共にして国家の大業は成し得られぬなり」とあり、
生涯可愛がったようです。
「あそこまでの馬鹿はいなかった」
と評するほどに一途な男だったそうです。
また「馬鹿もあれ位な馬鹿になると違う処がある」と
その辺の馬鹿とはレベルの違う
高尚な馬鹿だったようです(笑)。
器用で賢い勝海舟と比べれば
確かに山岡鉄舟は不器用で武骨者。
そんな山岡鉄舟に私はシンパシーを感じていて
非常にこの人物像に興味を持っていたのですね。
本書は山岡鉄舟の言葉を42編も紹介しながら
スタイルで書かれています。
この言葉の数々に山岡鉄舟ならではの思想、
そして生き様が見え隠れします。
何度も何度も読み返して、
自らの生き方に加えていきたい
人生訓がここにはあります。
下記に3編だけご紹介します。
夫レ剣法正伝真ノ極意者、別に法ナシ。
(剣法の極意を会得するのに特別な道はない。
努力を積み重ねていくのみである。)54ページ
これなど山岡鉄舟の生き様を表す
最も足る言葉だと思います。
この方は幼い時は
物覚えの悪い少年だったそうなんですね。
皆が素読で覚えるものを鉄舟は覚えられない。
普通であればここで諦めてしまうのでしょうが、
鉄舟の真骨頂はここから。
四書五経を丸々書き写し、
これに振り仮名を振って覚えたそうです。
ただただ愚直に目標に立ち向かう。
現代に生きる我々が
どこかで見失ってしまったものかもしれませんね。
行く先に 我が家ありけり かたつむり
(どこに行っても自分は自分、
自分のいる場所が自分の住処なのだ。
まるでかたつむりのように。)98ページ
これなども山岡鉄舟らしさが
にじみ出ているように感じます。
鉄舟は自分の事をよく知っていて
非常に冷静に自己分析ができていたのでしょう。
そして長所を伸ばし、短所を是正するという事を
自らを鍛錬する事で実現したのでしょうね。
その根本には、
他者と比較したり、
他者を羨んだりするのではなく、
自分は自分という達観があったように感じます。
私たちは他者に敏感になり過ぎている所が
なきにしもあらずなだけに身に染みる言葉です。
敵をただ打と思ふな身を守れ、
をのづからもる賤が家の月
(相手を打つことばかり考えずに、
きちんと自分の心を調えることを忘れてはいけない。
明鏡止水の心境に至れば、
自然と相手の弱点は見えてくるものだ)140ページ
他者を攻撃する事が
自分を守る事に繋がると考えられている現代社会。
果たしてそれでいいのか?
それに意味があるのか?
本当にリスクマネジメントになっているのか?
相手の欠点ばかり見るのではなく、
他に見るべき所があるのだと思います。
鉄舟は無敵の境地に達したと言ってますが、
それは相手の問題ではなく、
自分の問題にフォーカスしたからこそ
到達できたのかもしれませんね…。
えっと、もっと他に紹介したい言葉はあるのですが、
ネタバレになるのでこの辺で止めときます。
少しでも山岡鉄舟にご興味が湧いてくれた方がいたら
本書で鉄舟の言葉に触れてみるのも宜しいかと存じます。
評価
おススメ度は ★★★★☆ といたします。
正直、私は本書を読んで
さらに山岡鉄舟という人物への関心が高くなりました。
本書は山岡鉄舟の言葉のまとめですから、
次は人物史を読んでみようと思います。
勝を好めば即ち負け、
負けを厭わざれば即ち勝の理あり。
(勝負だけにこだわれば、
結局のところ負けることになる。)80ページ
鉄舟の男気とか、
義侠心とか、頑迷さとか、
今の時代にはそぐわないんですけど、
それでも心にグッとくるものがあるんですよね。
剣・禅・書の達人だからこそ
身に付けた生き方…。
学ぶところが多かったです。
それでは、また…。
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