おはようございます。
医師のキャリアプランを軸にして
転職、開業、経営シーンでサポートし続ける
ジーネット株式会社の小野勝広です。
日本人である事の誇り…。
あまり強く持ち過ぎるのはどうかと思いますが、
全く持っていないのも問題ありかと思います。
適度な誇りを
胸に持っておきたいものですね…。
本日のブログのタイトルは、
【 日本人のお役目 】といたしました。
本書をピックアップした理由
『 日本人のお役目 』
矢作 直樹 ワニブックスPLUS新書 を読みました。
著者の矢作直樹氏は医師です。
そして日本人のお役目…という本書のタイトル。
私は勝手に終末期医療ついて
書かれているのだろうと想像しておりました。
私の思考テーマである
人を知る、社会の仕組みを知るに照らし合わせると
終末期医療については
学ばねばならない事のひとつであると考えており、
今までも数冊読んでおります。
また矢作先生の本は以前に下記を読みました。
学ぶ所の多い1冊でしたので
久しぶりに生死について
じっくりと考えようと思い
本書を手に取ったのですが…
おっと内容は全く想像と違いました(苦笑)。
目次
第1章 世界にうらやましがられる日本の文化
第2章 強さと気品と優しさを持つ国
第3章 見えない存在との共生心
第4章 日本人には大事なお役目がある
感想
想定外…だけど、
それが心地よい時ってありますよね。
読後、そんな爽やかさを感じています。
終末期医療どころか、
本書はもっと奥深い内容ですね。
日本人論。
非常に難解かつ深いテーマに
本書は挑んでいます。
あまり難しくするのではなく、
誰にでもわかるように平易な言葉で
淡々と日本人を語っており、
ウンウンと頷きながら読みました。
ではここからはいつもの如く
私が感じ入った箇所をご紹介します。
五体調和という視点があるからこそ、
例えば大腸の調子が悪いのは
自律神経の不調に関係するのか、
あるいはほかの臓器の不調や
その臓器とのバランスの悪さが関係しているのか、
そういうリンクさせた発想をすることができます。
調和、バランスという観点で人間を見ると、
それが体内に留まらず、
体外、すなわち自然界全体の調和やバランスの中で
人間が生きているという大きな原理が理解できます。
(P.71)
五体調和…。
日本最古とされる医学書「医心方」にあるそうです。
あの華岡青洲や江戸時代の医師たちが
お手本としていたようですね。
西洋医学にはあまりない発想かもしれないので、
もう1度見直すべき考え方なのかもしれないと思いました。
新渡戸は武士道の徳目として、
義、勇気、仁、礼、信と誠、忠義を挙げました。
武士の情け、武士の一言という言葉は
これらの中から出て来たものです。
道は日本文化そのものを表現しています。
(中略)
そこで重要なのは優劣ではありません。
切磋琢磨する姿勢であり、
一番大切なのは「無私の境地」に至ること。
(P.81)
私自身も武士道好きなので、
日本人の生きる道標として
このような考え方にはグッときます。
集中したり、熱中すると、
いつの間にか無私の境地になる事があると思うんですね。
その先の勝ち負けや上手下手ではなく、
この境地に達するプロセスこそが日本文化であるというのは
何となくこれぞ「〇〇道」っぽくて私は好きだなあ。
人には必ず肉体を脱ぐ時(死)がきます。
死ぬまでの間に
自分がどれだけのことをやれるだろうかと考え、
実際に行動する。
(P.117)
ちょっと前後の文章がないとわかりずらいですが、
人は必ず死ぬという
ごく当たり前の事を現代人である我々は
あまりにも軽視し過ぎているように思えてなりません。
昨今、攻撃的な人が増えた要因のひとつでもあると思うのですが、
人を傷つけるという事は死なせる事に近づく事でもあり、
その怖さを知らない、想像できない、という点が
かなりあるのではないかと思うんですね。
命の価値、死があるからこそ価値がある。
もっと我々は死を直視して、
現実のものと捉えて、
その上で自分の在り方や
人生を考えるべきではないかと思います。
かつて日本社会には「共食」という習慣がありました。
共食とは、誰かと一緒にご飯を食べることです。
身内、友人、地域の人…
ひとりで食べるのではなく誰かと一緒に食事をする。
日本社会は共食を大切にしてきました。
これは日本社会が土地ごとに組織化されていた歴史と関係します。
(中略)
共食はコミュニケーションの基本であり、
それは「気を許す」「気脈を通じる」ということに
つながる作法です。
(P.139~140)
共食ですか。
確かに一緒にご飯を食べる事で
関係性が深くなるというのはあると思います。
最近の若い方は避ける傾向にあると言われますが、
だからこそ人生そのものが浅いものになっている…
つまり人と深く関わらないからこそ
寂しい人生になっているようにも思えます。
共食がその突破口のひとつなのかもしれませんね…。
同世代とだけではなく、
上も、下も、老若男女と共食すると
いいのではないでしょうか?
昔は「恩送り」という思想がありました。
恩を受けた人に返すのではなく、
別の困っている人を助けることで
利他を循環させる発想です。
「情けは人のためならず」という言葉もありますが、
これらは自利と利他が常にセットである事実を教えてくれます。
自分が生きていることには必ず他人からの影響がある、
それを忘れないこと。
(P.226~227)
私が敬愛する内田樹氏も
「受け取るだけで、次にパスを出さない人」は
贈与と返礼のサイクルからしだいに押し出されて、
周縁の「パスの通らないエリア」に
位置づけられることになります。
と述べておられます。
贈与と返礼。
恩送り。
自分が生きている理由を
自分にしか求めないのでは
あまりにも短絡的だと思います。
もっと深い部分での他者との関わり、
社会との交わりをしっかり見つめて、
自分のステージを上げねばならないのではないでしょうか?
と、このように本書から学ぶところは
非常に大きかったです。
医師の書く日本人論。
いかがでしょうか?
評価
おススメ度は ★★★★☆ といたします。
日本人らしさ。
時々振り返るべきなのでしょうね。
2000年以上の歴史と
神話から連綿と続く日本人の伝統。
自虐史観から脱却して
本来の日本人としての良さを取り戻そう。
著者の叫びが聞こえるようです。
エゴ丸出しの自己中心的な人間には
きっと理解できないのでしょうが、
ごく普通の真っ当な日本人なら
頷くところが多いと思います。
私は本書を読んで、
日本人として、日本人らしく、
胸を張って生きていこう!と
素直に思えました。
それでは、また…。
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