ある読書好き医療コンサルタントの書評ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

失われた志 対談集

 

おはようございます。

 

医師のキャリアプランを軸にして

転職、開業、経営シーンでサポートし続ける

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

ふとした時に読みたくなる城山三郎さん。

しかもタイトルが失われた志…。

そりゃ読むでしょう(笑)。

 

本日のブログのタイトルは、

 失われた志 対談集 】といたしました。

 

医師キャリアアドバイス

 

本書をピックアップした理由

『 失われた志 対談集 』

城山 三郎 文春文庫 を読みました。

 

すでに故人となっている城山三郎さんですが、

私はブックオフに行くと必ず彼の本を探します。

 

そして読んでいない本を発見すると

中身など気にせずに即買いします(笑)。

 

今まで何冊も

城山三郎さんの著書を読んできましたが、

まあまず外れがない。

 

そして1人の働く人間として

かなりの学びを得る事ができる。

 

それは城山作品が

「人」にフォーカスしているからだと

私は勝手に思ってます。

 

人を学ぶ。社会の仕組みを学ぶ。

私の学ぶテーマにピッタリなんですね。

よって本作品も非常に楽しみに読み始めたのでした。

 

目次

・日本の美しい心(藤沢周平

・半世紀の「日本の政治」(京極純一

・今こそ“ゲンコツつきの社外重役”を招け(阿川佐和子

・二十一世紀を男としてどう生きるか(内橋克人

・「満州」という名の物語が終わるとき(浅利慶太

・平成恐慌は来るか(中村隆英)

・あの戦争とこの半世紀の日本人(吉村昭

・フランスという国、フランス人という人々(河盛好蔵

・花失せては面白からず(神崎倫一)

・社長は罪も代表せよ(飯塚昭男

・老い方の研究(佐江衆一

 

感想

いやいや実に勉強になりました。

城山さんと対談する相手が

これまた興味深い人物ばかり。

 

初出が1993年~1997年の対談であり、

それを2000年8月に単行本化したものなので

多少の古さはありますが、

しかしそこは本質をズバリと突く議論だから

古さがむしろ心地よい。

私はワクワクしながら読み終えてしまいました。

 

それではいつもの如く、

私がグッときた箇所をいくつかご紹介します。

 

そうそう、お金で動くんだけども、

天下の正義を押し立ててゆするわけだからね。

だけど、今は総会屋も押さえ込まれているし、

官僚の天下り重役も天下国家を勉強してきたんだから、

本来は社外重役的な機能を果たすべきなのに、

そういう人はあまりいない。

もうチェック機能がないんですよ。

民主主義はチェック・アンド・バランスの上で

成り立っている社会なんだから、

今は民主主義の危機だと思いますよ。

だから何とかしてチェック機能を蘇らせる必要があるということも、

ここで言いたいことの1つなんです。

(P.72)

 

無所属の時間を持つことは大切だし、

羨ましいなあと思う。

どういう形でもいいから、

無所属の時間を持つべきだと、

自分にも言い、親しい人にも言ってますけどね。

(P.74)

 

今の時代の経営者が自分を磨くための工夫はありますか?

社会の大風呂に入れと言いたいですね。

会社人間になり過ぎているから、それを壊せと。

(P.74)

 

納得ずくで生きていくということは、

尊いことではありますが、

同時にとても難しいことでもあると思うのです。

そのような透徹した生き方は当然他の人々の納得と、

熾烈な闘いなしには貫き通すことも難しいわけですね。

その上でなお自分が納得していくには、

首尾一貫してないとなりませんし…。

(P.82~83)

 

男にとって大切なことは愚直さですよね。

もう明らかにそういうことしたら

損だということが分かってても、

そういうことをしなくちゃいけないという

使命感なり理想があって、

愚直に生きていくというのが1つあります。

その愚直さということを、

もう少し言いかえると、けじめの問題ですね。

つまり、男らしい男は、けじめをつけるっていうことです。

(P.90~91)

 

終戦後まもなく、

「資本主義対社会主義マルクスケインズで騒いどるけども、

資本主義は限りなく社会主義化していくし、

社会主義は限りなく資本主義化していくんだから」というような

あのころ聞くと驚天動地のことを話した。

(P.213)

 

手当てしなければ友情というものは消えてしまう。

(P.248)

 

組織というのは、もともと性格がない。

無性格なんです。

ほったらかせばどんどん肥大化するし、

いいことも悪いこともやる。

企業犯罪の背景には、

組織の怖さみたいなものがまずあるんじゃないですか。

本来ならブレーキをかけるのはトップの役割で、

トップの考え方とか哲学、

そういうものがなければいけない。

司馬遼太郎さんも言っていたが、

資本主義は個人主義であり、

個人主義の暴走を食い止めるのはトップである。

トップのものの考え方、哲学が大切だと。

しかし、それが戦後50年で全部なくなってしまった。

(P.262)

 

たしなみが社会全体で失われている。

(P.262)

 

最近、企業の重役を見てびっくりするのは、

ほとんど本を読まないということです。

しかも古典を読まない。

(P.264)

 

会社でも何でも、

リーダーというものは自分で自分を制御する

自己管理能力がなきゃいかん。

その辺が学校教育では全然なされないわけです。

(P.265)

 

トップというのは法律を超えた存在なんだ。

法律は最低の社会的ルールにすぎん。

それに従うだけで満足してたら、

トップじゃないんだ。

(P.271~272)

 

確かに心身脱落とか解脱とか、

これはまず凡人には無理なことなんだけれども、

何か肩の力が抜けて、

やはり生あるものは老いて死んでゆく、というものに

一体化できる境地になったらば、

寂しさとかわびしさというのは

すごく豊かなものだと思うんですね。

これまで詠まれた日本の和歌にしても俳句にしても、

小説にしてもそうだけど

日本の文学はそこを深めてきたんじゃないでしょうか。

(P.292)

 

以上です。

いかがでしょうか?

 

私は城山作品には

人生を生き抜く術とか、

人生をより良いものにする為に必要な考え方が

あちこちに散りばめられていると思ってます。

 

ご関心を持てた方は

きっと本書はかなり学びとなると思いますよ。

 

評価

おススメ度は ★★★★☆ といたします。

 

巻末の「おわりに」で…

 

圧政と腐敗、多年にわたって

息苦しい生活を強いた軍国主義は消え、

自由な民主主義へ。

人の上に人をつくらず、人の下に人をつくらぬこの風通しの良さ。

理想の社会へ向けてのこの気風を失ってはならぬと、

痛いほど感じもしました。

国家によって1つの生き方を強制されぬ代わりに、

1人1人が在るべき姿を求めて生き、

百人百様の生き方に花が開く。

そのためには、権力のはびこるのを許さず、

どこにでもチェック・アンド・バランスが機能すること。

それが人々の夢であり、初心であり、

広い意味での志であったように思うのです。

50年経ったいま、その志はどこへ行ってしまったのでしょうか。

 

これこそ本書を通して城山さんが

私たちに伝えたかった主題なのでしょうね。

 

もし現在に城山さんが生きていらっしゃったら

今の社会をどう思うのでしょうか?

 

現代に生きる我々は

もう1度理想とする社会を作るために

志を高くして生きるべきなのではないか?

そんな事を私自身も考えました。

いや~やはりこの本は良書ですよ。

 

それでは、また…。

 

 

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