ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい 人生100年時代の個人M&A入門

 

おはようございます。

 

医師のキャリアプランを中心に

転職、開業、経営シーンで支え続ける

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

人生100年…。

まあそこまで長生きできるかわかりませんけど

100歳まで生きる事も

念頭に入れておかねばならない時代ですよね。

 

本日のブログのタイトルは、

【サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい

 人生100年時代の個人M&A入門】

といたしました。

 

医師人生100年計画

 

本書をピックアップした理由

本書ですが、

3か月前くらいでしたでしょうか、

ある書店で新刊をチェックしていた時に

ふと目についてパラパラっと立ち読みをしたのです。

 

う~ん、なかなか面白そうだけどな、

どうすっかな~、買うかな、買わないかな、

家に変えればまだ読んでない本が山積みだしなあ…

今回は止めておくか…と最初はスルーしたのです。

 

でもなぜか気になっていて、

最近になってやっぱり読んでおこうと思い

購入して読み始めてみたのです。

 

目次

序章 「人生100年時代」は資本家になりなさい

第1章 だから、起業はやめておきなさい

第2章 飲食店経営に手を出したら「地獄」が待っている

第3章 中小企業を個人買収せよ

第4章 100万の中小企業が後継社長を探している!

第5章 「大廃業時代」はサラリーマンの大チャンス

 

感想

投資とか、資産形成とか、

皆さんはどのようにお考えですか?

 

まあこれに正解はないですし、

大成功して資産を築いた方がいる一方で

失敗して後悔している方もいるでしょうし、

そもそも興味すらないという方もいらっしゃいますよね。

 

私自身は特に何もしていないのですが、

最低限の金融の知識は

ビジネスマンとして必須と思いますし

お金の流れとかいうか、

今現在どこにお金が流入していて

それがどんな結果を生み出しているのかは

ある程度、抑えておきたいと考えています。

 

ひと昔前、そうですね~、

20~30年くらい前ですと

日本人で富裕層と言えば

だいたいが祖先からの不動産を引き継いでいるとか、

株式を長期間保有しているとか、

そういう方が資産を持っていたように思います。

(これは今も変わらないか…)

 

バブルの時はイチ時期、

土地成金とか、株成金のような方も増えましたが、

ごく一部の方を除けば

残念ながら没落してしまいましたよね…。

 

その後も新しい様々な資産運用が出ては消え…。

最近ですとマンション投資などが

節税効果を謳いながら流行りましたが、

自己資金で始めるならまだしも

銀行から融資を受けてする手法としては

例のスルガ銀行の件などもあり、

潮目が変わったのかな…と感じています。

 

結局、マンションは持つけど

同時に借金を背負う事ですから

多少の節税効果はあっても

借金の返済が滞ったらお終いです…。

 

いずれクリニックの開業を目指すなら

マンション投資は控えた方が良いですよ。

銀行が融資してくれない可能性も高いですから。

 

さて、本書は個人が中小企業を買い、

経営者となって資産を作り

人生100年時代を乗り越えようという内容です。

 

これだけですと、

あ~、自分には関係ないなと思う方も多いでしょうが、

非常に理路整然と説明してくれており

大変にわかりやすいです。

 

正直、私は投資に興味はないですが、

会社を買うというのは面白く感じます。

私個人で買うのもいいですし、

弊社がM&Aをして他社を買うのもいいかな…と。

 

我が国には380万社もの中小企業がある訳で

昔は親族が継承していたものの

昨今では劇的に親族継承は減少しているそうです。

 

そして100万社近い中小企業が後継社長を探しており、

その中には黒字の企業も多く、

三者承継を進めていく環境は整いつつあるので

これからはある程度のビジネス経験を積んだ

サラリーマンこそが中小企業の社長になり

資産を作っていくべきだ…と。

 

ふむ、確かにそうかも…と思えます。

最近では医師の皆さんも会社を作ったりしていますので

場合によっては優良な中小企業を買うという

選択肢があっても良いかもしれません。

 

ただし…

第5章ではこうすれば上手く行くという

具体的なノウハウが書かれておるのですが、

私は第4章までふむふむ…と読んできましたが

正直ちょっと疑問を持ちました。

 

企業経営ってそんなに甘くないし、

社員をマネジメントするのはとてつもなく難しい。

 

ちょっとリスクについての説明が少なく、

本書をそのまま妄信してしまっては危ないと思います。

 

手段のひとつとしては興味深いですが、

安易に乗ってはいけないなあと感じます。

まして本書は大手企業に勤めるサラリーマンのノウハウが

中小企業を救うと述べていますが、

ぶっちゃけ中小企業に勤める人間から見たら

大手出身の人はステージがないと踊れない…。

 

恵まれた環境で仕事をしてきてますので

中小企業では能力を発揮できないどころか、

全く使い物にならないケースも少なくありませんから。

私は大手出身の方には中小企業の経営は無理だと思います。

 

その意味では、弁護士や会計士とか、

医師の方が上手くやれそうな気がしますが、

中小企業ってトップセールスマンは社長ですから

営業ができないと中々難しそうです。

 

余程の自己資金があるか、

余程の経営センスがなければ

簡単には乗れないかなあ。

 

でも話しとしては面白いので

興味がある方はお読みになってみるといいと思います。

 

特に投資を考えておられる方は

ひとつの手法として学ぶ価値はあります。

ま、個人の責任において…ですので

その点はあしからず。

 

評価

おススメ度は ★★★★☆ といたします。

 

実際に会社をM&Aで手に入れよう…なんて

全く考えていない人にも面白く読めます。

 

そして意外と勉強になります。

経済、ビジネス、経営、起業、飲食店経営などの

キーワードに関心あるなら

かなり勉強になりますよ。

 

それくらいに今の世の中を的確に捉えており、

だからこそ私も興味深く思っちゃいました。

 

でもハイリターンにはハイリスクが、

ミドルリターンにはミドルリターンが、

ローリターンにはローリスクがあるという

大原則だけは見失ってはいけません。

 

本当に実行するなら

さらなる勉強が必要そうです。

 

それでは、また…。

 

 

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