おはようございます。
医師のキャリアプランを中心にして
転職、開業、経営シーンを支え続ける
ジーネット株式会社の小野勝広です。
無知の知。
知らないという事を知っているのは
とても大事なことだと思います。
本日のブログのタイトルは、
【 梅棹忠夫 語る 】 としました。
本書をピックアップした理由
『 梅棹忠夫 語る 』
梅棹 忠夫 聞き手 小山 修三
日経プレミアシリーズ を読みました。
じ・実は…。
大変お恥ずかしい話しなのですが、
私は梅棹忠夫さんをよく知りませんでした。
どっかで、何かで、聞いた事があるような…と
そんなレベルだったのですが、
なぜか本書と出会った時に、
あ、今こそ梅棹忠夫さんを読むべきだ!と
直感が働いたのです。
ほとんど何も知らなかったくせに…。
でもこういう事ってありませんか?
私はこんな感性を割と大切にする方ですので
よし、今こそ無知を脱しようと意を決して
読み始めたのでした。
目次
第1章 君、それ自分で確かめたか?
第2章 文章は誰が読んでもわかるように書く―記録と記憶の技術(1)
第3章 メモ/スケッチと写真を使い分ける―記録と記憶の技術(2)
第4章 情報は分類せずに配列せよ―記録と記憶の技術(3)
第5章 空想こそ学問の原点
第6章 学問とは最高の道楽である
第7章 知識人のマナー
第8章 できない人間ほど権威をかざす
第9章 生きることは挫折の連続である
エピローグ つねに未知なるものにあこがれてきた
感想
や・やっぱり直感は当たる。
非常に勉強になりました。
さすが我が国における
発想や目の付け所が半端じゃない。
京都大学の名誉教授であり、
人間をよ~く観察してきた方だと思います。
だからこその達観が非常に学びとなりました。
いくつか梅棹さんの言葉を紹介します。
まず「ほんまやろか」と疑ってかかる。
(P.18)
自分で見たことしか信じない。
(p.18)
自分の足で歩いて、
自分の目で見て、
自分の頭で考える、これが大事や。
(P.19)
「フロンティア」というのは間違いなく興奮する。
(P.21)
「石橋を叩いていては渡れない。とにかくやってみい」
(P.22)
一番、あぶないなと思うのは、
みなさん歴史を知らん。
(P.36)
とにかく、文章で一番大事なことは、
わかるということ。
自分もわからないくせに、
そのわからない言葉を使う。
それはかざってるからや。
(P.45)
絵というものは、
わたしにとっては理解の手段であって、
芸術的表現ではない。
(P.63)
日本の図書館学がいかんのです。
形式主義で、ハードカバーしか本と認めない。
(P.78)
「分類するな、配列せよ」。
機械的に配列や。
大事なのは検索。
(P.83)
知的とかそういうデザイン的なものを、
全部タダやと思っている。
(P.88)
情報と産業を分けて考えたらあかんねん。
(P.90)
コンピュータは、要するにノートと鉛筆だ。
(P.93)
「思いつきこそ独創や。
思いつきがないものは、
要するに本の引用、
ひとのまねということやないか」
(P.104)
「学問でさえ、経営なんだぞ。
そう考えてやれ」。
(P.111)
わたしの人生を決定しているのは、
モチーフは遊びや。プレイや。
(P.119)
学問から思想は出てこない。
思想から学問はあるな。
(P.121)
わたしは若い人には、
本質論をやれと言いたい。
まだまだみんな若いな、と。
現象論に目を奪われるのは、
ひとつの若さです。
若さはあるが、ジャーナリズムの悪影響でもある。
(P.134)
マルクスには「べき」がある。
わたしには「べき」がない。
(P.136)
やんちゃがないのやね。
みな、こぢんまりと、できあがってしもてるのかな。
(P.144)
批判されると、
非難されたように思ってしまう。
批判と非難はちがう。
(P.145)
いわゆるインテリというものは、
まさに武士道です。
サムライの後継者や。
町人をバカにしている。
(P.167)
外国人にわかる歴史を日本人が書いていない。
(P.174)
文明というのは、
人間がつくり出した環境、
人工的環境のすべてなんです。
(P.175)
「供給してみい。
そうしたら需要がでてくる」。
(P.180)
わたしには、頭の自信よりも、
人間としての自信がかなりある。
(P.193)
わたしは人類全体の一個体にすぎない。
(P.207)
人には逃げてはならない状況がある。
(P.213)
いかがでしょうか?
前後の文章がわからないと
本当の意味は伝わらないかもしれませんし、
人が変わればグッと感じる箇所も異なると思います。
しかし本書では思想とか、
学問とか、深い洞察がありますし、
梅棹さんならではの大胆な発想が
私の胸にはビシビシと刺さりました。
こんなスゴイ日本人がいたんだなあ。
ホント自分はまだまだ知らない事が多いな。
そう痛感しながらも
だから学ぶ事がいっぱいあって面白いんだ…と
勝手な事を考えてます(笑)。
評価
おススメ度は ★★★★★ と満点です。
当ブログでは何度か書いておりますが、
私の学びのテーマは、
「人を知る、社会の仕組みを知る」であります。
その意味では本書は最高の教科書でした。
深い、広い、高い視点。
多角的、多面的な発想力。
もうしびれました。
自分の発想を広げたい方や、
もっと深く学びたい方、
本質にグッと迫りたい方には
きっと良き学びとなるかと思います。
それでは、また…。
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