ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

僕たちの居場所論

 

おはようございます。

 

医師のキャリアプランを軸にして

転職・開業・経営シーンを支え続ける

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

私たちの社会は余裕を失っているように感じます。

社会の余裕の喪失が私たち個々に影響を与えていますね。

しかし私たちの心まで萎んでしまっていいものでしょうか?

 

心の余裕を取り戻すには

ホッとひと息付ける「居場所」が必要かもしれません。

 

本日のブログのタイトルは、

 僕たちの居場所論 】といたしました。

 

医師転職キャリア

 

本書をピックアップした理由

『 僕たちの居場所論 』

内田 樹 平川 克美 名越 康文 角川新書 を読みました。

 

まあ私の場合は内田樹さんが絡んでいれば

取り合えず何でも読んでしまうのですが(笑)、

本書においてはこのタイトル…

「居場所」という言葉に惹かれたんです。

 

自分の居場所を失っている人って

結構多いんじゃないかなあ?

 

なんて事を言ってる自分の居場所って

いったいどこなんだろう?

 

居場所ってライフプランとか

キャリアプランによっても人それぞれ。

影響がありそうだなあ。

 

そんな事を考えながら

ふと本書を手に取って読み始めたのでした。

 

目次

はじめに「偶然の喫茶店主」(平川克美

第1章 いちばん自分らしい場所

第2章 つながるということの本質

中締め「居場所という聖域」(名越康文

第3章 好き嫌いと価値観の共有

第4章 師匠の存在、家族が自己にもたらすもの

おわりに「人通りの多い書斎」(内田樹

 

感想

ふと癒されるホッとする場所。

内田樹とその仲間たちが好き勝手に語っております(笑)。

 

三者三様の居場所…。

気の合う仲間同士でも似ていたり、

まったく違ったり…。

 

きっと誰しもが3人で語っても

同じような展開になるんだろうな…と。

 

ライフプランだって全く違うでしょうし、

キャリアプランだって同様です。

 

今まで生きてきたバックボーンも違えば

育ってきた環境だって、

思想や信条だってみ~んな違いますもんね。

 

その「違い」を冷静に認識して

素直に自分自身と向き合わないと

本当の自分の「居場所」というのは

見つからないのかもしれませんね~。

 

それでは恒例のグッときた箇所をご紹介します。

 

話しのスキーム自体は極めてシンプルなんだよ。

でも、そのスキームの中で

シンプルなメッセージを語っているはずなのに、

聞く人を説得しようとしていないでしょ。

メッセージを伝えるときって、

どんな簡単なことでも、

それなりに”わかりにくいこと”が入り込むでしょ。

人間はその”わかりにくいこと”を

相手になんとかつたえようとするときにじたばたする。

そのじたばたを通して、

メッセージのかんどころが伝わるんだよ。

(P.131)

 

誰しもがコミュニケーションは大事だと知っています。

なぜ大事なのか?

やはり人を通して自分を知り、

人との差異を理解する事で

自分を知るのではないかと思うのです。

自分を知らねば居場所は見つかりませんよね。

 

感覚の再編成

(P.157)

 

この言葉、スゴくシンプルですけど

ズシリと来ました。

 

成長しない人ってのは

いつまでも自分の感覚だけで生きてるんですよね。

成長する人ってのは

自分の感覚を常に再編成できるから

新たな領域に足を踏み出せるんですね。

 

凝り固まった感覚ではなく、

いつも再編成させねばならない…と思いました。

 

子どものときって自分を守るためのバリアがあって、

それなりにスタイルがあるでしょ。

でも、25歳ぐらいになると、

”あれ、こんなもので周りを囲っていると成長できない”ってわかる。

そのときに1回殻を破るじゃない。

そういうときって、

”大きなものに守られている”という実感がないと

なかなか裸になれないわけですよ。

(P.286~287)

 

いつまで経っても

自分を守るバリアを捨てられない人もいますね。

何かに守られていないと

バリアを破れないのであれば

この進化の早い現代では生きにくいだろうな…と思います。

 

そういう死者に対する責任というのは、

死者がやり残したことをするのが

生き残った人間の責務だと思うんだよ。

死者が背中を押すの。

死者の背中を押す力は強いよね。

(P.323)

 

わかるような気がします。

幸い、身近なところであまりを味わっていない私ですが、

元部下を亡くしています。

 

その後押しは強く、

そして私自身の責務のひとつになっています。

 

そして年を取るにつれて、

やることから偶然性が減ってきて、

すべてが必然的なものになってくる。

(P.337)

 

あと2カ月で50歳の大台を迎える私…。

確かに最近の出会いは必然を感じる事が増えています。

 

その先にしか「居場所」はないのかもしれません。

偶然にその場に出会うというよりは、

必然的にいる場所こそが「居場所」なのでしょうね。

 

あなたの居場所はどこですか?という問いに対して

答えを見つけるにはまだ早いのかもしれませんが、

人を知り、自分を知り、世間を知り、

そういうプロセスこそが大事なのだろうな…と

本書を読みながらつくづく感じました。

 

評価

おススメ度は ★★★★☆ といたします。

 

3者会談のようなスタイルなので

敬愛する内田さんの発言が少ない…。1/3。

まあしょうがないんですが、

わたしゃもっと内田さんの言葉が欲しかったぞ。

 

ただひとつ感じたのは、

自分の居場所は自分だけの場所ではない。

それぞれの居場所は違っても

私たちは自分1人で生きているのではなく、

やはり他者との繋がりや

価値観の共有がないと

居場所を失う事になるのではないかな…と。

 

いちばん自分らしい場所ってのは

周囲の人たちが

微笑ましく見守ってくれる場所なのかもしれない。

そんな事を感じました。

 

それでは、また…。

 

 

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