ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

静かに 健やかに 遠くまで

 

おはようございます。

 

医師の転職、クリニック開業を

キャリアプランを軸にしてサポートする

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

年を取るごとに

言葉の大切さをしみじみ感じます。

時には噛みしめながら

文章を読み込んでいく事も大事ですよね。

 

本日のブログのタイトルは、

 静かに 健やかに 遠くまで 】としました。

 

医師キャリアプラン

 

本書をピックアップした理由

『 静かに 健やかに 遠くまで 』

城山 三郎 新潮文庫 を読みました。

 

働き方改革関連法が施行され、

私たちの働き方も新しい時代を迎えそうです。

とはいえ、医師の働き方改革は5年も猶予され、

残業時間の上限も1860時間と時代に逆行する案が出てもいます。

 

一体全体どっちに向かうの?と

大いに疑問もありますが、

そんな事より個々がそれぞれの望む働き方を模索し、

我が身を守っていかねばならんのだろうなとも思います。

 

何をすべきなのか?

どの方向に向かうべきなのか?

今の職場で働いていて本当に良いのか?

 

私が提唱しているような

キャリアプランというものが

今後益々求められていくのではないかと…。

 

これは避けては通れない悩みなのではないかと

つくづく思います。

 

さて、「働く」を考える時に最適なのは

やっぱり城山三郎さんです。

 

この方の仕事に対する哲学は

非常に勉強になるところが多いです。

本作品も楽しみにしながら手に取った次第です。

 

目次

第1章 生きてゆく日々

第2章 会社のメカニズム

第3章 男のライフ・スタイル

第4章 サラリーマンの敗者復活戦

第5章 世わたりの秘訣

第6章 家庭の姿かたち

第7章 老後の風景

 

感想

う~ん、いい!

やはりピカイチにいい!

さすがの城山さんです。

 

本書は城山さんの著書からテーマ別に

箴言」を抜粋してエッセイのように仕上げています。

 

箴言(しんげん)とは…

戒め、教訓、格言、金言、勧告…。

まさに至高の箴言です。

これぞアフォリズムです。

 

例の如く私がグッときた箇所をご紹介します。

 

人生の持ち時間に大差はない。

問題はいかに深く生きるか、である。

深く生きた記憶をどれほど持ったかで、

その人の人生は豊かなものにも、

貧しいものにもなるし、

深く生きるためには、

ただ受け身なだけではなく、

あえて挑むとか、

打って出ることも、

肝要となろう。

(P.14)

 

「井戸を掘っているときは助けにも来てくれなかったくせに、

水が出たとなると、わっと寄ってくる」

それが多くの人情なのであろう。

(P.19)

 

「動いているもの、

流れているものは、くさらない。

くさるより早く流れてしまう。

人生だって、絶えず流れて走っていなくちゃ」

(P.42)

 

人を引き抜かれるのは辛い。

だが、裏切る可能性のある人間を残しておくより、

やる気のある者のやる気を、

さらに発揮させた方がいい。

(P.64)

 

いかに組織の中の個人が努力しても、

リーダーが悪ければ方向を間違えたり、

おかしなリーダーだったら、

そこにいる個人全体が救われなくなる。

だからやっぱりリーダーというのは、

よほどしっかりした人で、

よほど魅力的でなくちゃ困る。

組織に属する個人全体を生かすために、

あるべきリーダーの姿を鮮明にしておくことが、

組織に属する人たちにとっての幸せでもあるんでね。

(P.71)

 

「出世でこり固まった男もおもしろくないが、

出世をすっかりあきらめた男も魅力はない、といいますね」

(P.89)

 

義理も欠く、

人情も欠く、

恥もかくという「三かく主義」でなくては、

とても忙しい世の中を渡りきれぬ。

あちらを立て、こちらも立てているのは、

どれも落伍者ばかりなのだー。

(P.107)

 

「わたしは大勝利を夢見ているのではありません。

少しの勝利でいいから、

一勝一勝積み上げて行こうと思っているのです。

強いていうなら、

百戦百勝が夢なのです」

(P.110)

 

男にとって大切なことは愚直さですよね。

もう明らかにそういうことしたら損だということが分かってても、

そういうことをしなくちゃいけないという使命感なり理想があって、

愚直に生きていく。

その愚直さということを、

もう少し言いかえると、

けじめの問題ですね。

つまり、男らしい男は、

けじめをつけるっていうことです。

(p.122)

 

読書は両面あって、

一つは、すごく読書する人間は、

やっぱり伸びる力を持つということです。

今は情報時代というけど、

ほとんどのビジネスマンは情報に流されているんです。

彼はその情報の部品になっている。

読書していると、

逆に情報を部品として使いこなせるんです。

読書する人間は信頼できるということが一つ。

もう一つは、読書した人間は、楽に生きられる。

つまり、出世するしないなんていうのは、

人生のごく小さな問題だということです。

読書をすることでいろんな生き方をしている人、

いろんな人生というのを追体験できるわけですから、

それによって慰められたり、

もっと励まされたりする。

(P.141~142)

 

頭がいいと、

いろいろなことに気がつき、

気が回り、

また先行きのことをあれこれ計算したりして、

一事に集中しない。

少し頭が弱めな方が、

その道しかないとあきらめて、

いい仕事ができる。

(P.149)

 

「激さず、騒がず、競わず、従わず」

(P.150)

 

「名声は高くても失敗した人の助言や援助は受けるな。

著名でなくても成功者の助言や援助を求めよ」

(P.159)

 

結局、晩年期に入った人にとって、

「死」は予告されたも同然なわけだから…。

しかもその予告されたものが、

徐々に近づいてくるという、

それがいちばん怖いんじゃないでしょうか。

(P.221)

 

以上です。

いかがでしょうか?

 

あくまでも私の個人的見解ですので、

きっと他の方が読めば

違う箇所でジーンと来るのではないかと思います。

 

評価

おススメ度は ★★★★★ と満点とします。

 

生きる、働くについて

悩んでいる方や

もっとより良いものを探している方には

必読の書と言っても良いかと思います。

 

ストレスが溜まっている方は

スッと解消されていくでしょうし、

1歩が踏み出せない方は

勇気が湧いてくるでしょうし、

人生がつまらない方は

どうすれば面白くなるかの手がかりがあるでしょう。

 

生きるためのヒントが満載の

さすがの城山作品、良書です。

おススメです。

 

それでは、また…。

 

 

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