おはようございます。
医師のキャリアプランを軸にして
転職やクリニック開業で希望を叶えるサポートをする
ジーネット株式会社の小野勝広です。
知識、知恵、知性、知見、知能、知力…。
これからの時代…益々求められるのでしょうね~。
本日のブログのタイトルは、
【 新版「知の衰退」からいかに脱出するか? 】
といたしました。
本書をピックアップした理由
『 新版「知の衰退」からいかに脱出するか?
そうだ!僕はユニークな生き方をしよう!!』
大前 研一 光文社知恵の森文庫 を読みました。
私は小学生で野球を初めて
中学、高校と野球部に在籍し、
大学も野球推薦で入ってるくらいですから
どちらかと言えば脳みそまで筋肉の人間でした(笑)。
なので社会人になってからは
「知」の人間になるべく努力しています。
大前研一さんの著書は今までも何冊も読んでますけど、
毎回新たな発想と刺激を頂いてます。
今回は「知の衰退」。
これは読まずにおれんと思い
楽しみに読み始めたのでした。
目次
第1章 「低IQ社会」の出現
第2章 官製不況の根は「知の衰退」
第3章 1億総「経済音痴」
第4章 政局と「集団知」
第5章 ネット社会と脳
第6章 無欲な若者と学力低下
第7章 「集団IQ」を高める教育改革
第8章 「低IQ社会」で得をしているのは誰か
第9章 勝ち組から学べ
第10章 21世紀の教養
文庫版Extra Chapter あれから2年、「知の衰退」は止まったか?
感想
さすがとしか言いようのない内容です。
先行き不透明な時代の中で、
バブル崩壊以降一貫して元気を失いつつある我が国…。
グローバルな流れに取り残されて、
危機的な状況に陥っているはずなのに
旧態依然とした対策しか取れずに
さらに取り残されている。
これを「知の衰退」と著者は言います。
突破する為に必要なスキルは、
英語、ファイナンス、ITを駆使した論理思考と問題解決力、
そしてリーダシップ…。
思考停止して停滞が続く日本。
考える力を取り戻し、行動せよと解く著者のエールに
思わず任せて…と言いたくなります(笑)。
それではいつもの如く
私がグッときた箇所をご紹介します。
ここ数年、”やさしい内容”の”すぐに役立つ”本は
それこそ山のように出ている。
その1冊1冊についての論評は割愛するが、
そのベストセラー群は、
「自ら考えなくても」
「ズバリ解答だけを提示してくれる(ように見える)」ものに
安易に乗っかる日本人の姿を浮き彫りにしている。
(P.39~40)
情報というものは、
加工しないことにはなんの価値も生み出さない。
いくら収集しても放置してしまえば、
そこからは何も生まれない。
したがって、
手に入れた情報の意味を考え、ときに疑い、
ストックした情報と照らし合わせて、
栄養のある情報だけを吸収して自分の中に取り込み、
あとは捨てる…こういうプロセスを経ないと意味がないのだ。
(P.258)
一般論として、
裕福な社会では子供がスポイルされて
ハングリー精神をなくす傾向がある。
ところが今の日本は十分すぎるくらいの危機の中にあるのに、
社会全体に危機感がない。
親に危機感がないからである。
これは私に言わせれば、
危機にあるのに危機感が持てないくらい
知が衰退してしまったからなのだが、
その原因を教育面から見ていくと、
すべては「偏差値教育」に行き着く。
私は「ゆとり教育」よりも「偏差値教育」が、
日本人をダメにしたと思っている。
(P.283)
現代の日本人は、
中学・高校のときから偏差値で序列化されることに
慣れきってしまった人間たちである。
人間というのは、
いったん慣れると、
その格差を抵抗なく受け入れられるようになる。
だから、偏差値教育というのは教育ではなく、
一種の”調教”である。
この調教は、詰め込み式で、
ともかく教えられたことを記憶すればいい。
そして、その記憶を試験に正確に吐き出せば、
偏差値が高いということになる。
はたしてこれが学力と言えるかは、
論を待たないだろう。
このような学力をいくら高めても、
意欲的に人生を切り開いていく力は身に付かない。
現在の日本人に必要なのは、
このような学力ではない。
何より大事なのは、
”自分で考える力”
”考えたことを実行する勇気”、
そして”結果が出るまで続ける執念”である。
(P.288~289)
「教える」=「teach」には、
「答えがある」という前提がある。
だから、先に生まれた方が答えを知っているから、
教えてやるーこれが「teach」の意味するところだ。
答えがあるものを「teach」するのだから、
裏返せば、答えがなければ「teach」できないということになる。
ところが、特に最近の北欧諸国では、
「teach」の概念は教育においては間違いだと考えられており、
むしろ生徒が「learn」するのを助けるのが
教師の役割であるという認識に変わっている。
これはエンパワーメントという概念に結実し、
しだいに欧米の教育理論の主流になりつつある。
エンパワーメントは、
日本でも福祉の世界には導入されつつあるが、
教育の世界では遅れをとっている。
(P.326)
これからの勝負は思考の深さで決まるのであって、
知識の量の問題ではない。
(P.471)
ごく一部、著者に反論してみたいところもありますが、
概ね納得できる主張です。
そして大前氏の望む日本にする為に
微力ながら貢献したいと思いますし、
その為に自らを改革したいと考えます。
評価
おススメ度は ★★★★☆ といたします。
正解の見えない現代社会。
過去の踏襲はそのままリスクだと思います。
変えなければならないのに
変わらない。
変えられない。
1歩を踏み出せないのは、
安易に正解を求めているからではないでしょうか?
正解なんてありません。
そう簡単に見つかるものでもありません。
私たちがすべきなのは
正解を見つける事ではなく、
正解を見つける為にもがき続けること。
常に問い続け、
トライ&エラーを繰り返し、
少しずつ近づいていくしかないと思うのです。
ふわふわした軽い風潮に流されてはいけませんね。
正解らしきものを安易に与えようとする輩は
ほぼ真っ当ではないでしょう。
私たちは安易に生きるのではなく、
考えに考え、深く深く掘り下げて
自らの思想を確立させる事で、
初めてプリンシブルを手に入れる事ができるのでしょう。
現在に幻滅し、
立ち止まっている場合じゃありませんよね。
自分らしい人生を歩むために、
まずは自分自身を確立させ
社会に貢献していく事でしか
自分は満足できません。
…と、このように、
思わず気合いが入ってしまう1冊です(笑)。
それでは、また…。
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