ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

医療のこと、もっと知ってほしい

 

おはようございます。

 

医師人生を今より少し良くする為に

キャリアプランを軸に転職やクリニック開業を成功に導く 

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

医療本って一般の人にとっては

どうしても難しくなりがちです。

 

ですが時折すごくわかりやすい

著書と出会う事があります。

本書はまさにその代表格です。

 

本日のブログのタイトルは、

【 医療のこと、もっと知ってほしい 】

といたしました。

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本書をピックアップした理由

『 医療のこと、もっと知ってほしい 』

山岡 淳一郎 岩波ジュニア新書 を読みました。

 

医療を学ぶ手法はいろいろあると思いますし

私の場合は日常的に医療機関に訪問し、

医師をはじめとした

医療従事者の方々とも頻繁にお会いしますし、

facebooktwitterなどのSNSでも交流が多いので、

一般の方よりも有利な状態ですけれども、

それでもやっぱり本を読む事は

相当に勉強になるんですね。

 

当書評ブログでも

医療関連の著書はかなり読み込んでいるつもりですが、

ひとつ知れば、

いくつか知らない事が出てきて、

またひとつ知る…。

 

まさに無知の知のような状態ですが

自分的には仕事にも役立ちますし、

医療従事者の方々と共通言語を持つ事は大事ですし、

人として生きる為にも医療を知る事は必要ですし、

昨今、医療リテラシーは求められるシーンが多いですし、

きっと自分のためにも、人のためにも、社会のためにも、

医療を学ぶ事は重要だと思っていますので

大変楽しみながら学んでおります。

 

本書におきましては

そんな私にはピッタリのタイトル。

 

医療のこと、もっと知ってほしい…

は~い!と素直に思い(笑)、

勉強する事にした次第です。

  

目次

第1章 ドクターヘリ

第2章 地域医療の最前線

第3章 なぜ医者になるの?

第4章 医療の土台「国民皆保険

 

感想

いい。実にいい。

本書はいいです。

 

今まで読んできた医療本の中でも

抜群のわかりやすさです。

 

著者が医療従事者ではなく

ノンフィクション作家だからか、

医療特有の難しい用語などはほとんどなく、

また丹念に同行取材を繰り返したからか、

現場重視のまさに目で見て、

耳で聞いた事を書いているためか、 

一般の方が読んでもわかりにくさはないでしょう。

 

逆に言うと

医療従事者の方が読むと

物足りなさを感じるかもしれませんが、

急性期医療から地域医療まで

非常にバランス良く取り上げられていますし、

医療現場の実情や医療従事者の声も

とても丁寧に盛り込んでいます。

 

また我が国の医療の土台とも言える

国民皆保険制度についても

実にわかりやすく解説していますので

安価に医療を受ける事ができるとか、

どこの医療機関にでも罹る事ができるとか、

24時間救急対応をして貰えるとか、

医療を空気のように感じている人には

是非とも読んで頂きたい必読の書と思いました。

 

それと小学生、中学生、高校生など

これから医療従事者を目指す方々が読むと

医療の本質を理解できる良書ですから、

もしご自分のお子さんが

医師になりたい、看護師になりたい、などの

夢を持っていらっしゃるなら

本書をそっと渡して頂けると良いかもしれません。

 

良い意味でのモチベーションと

覚悟を手にする事ができるように感じました。

 

それこそ本書を読めば、

我が国の医療に関しては

総合的に幅広く理解できると思います。

 

繰り返しになりますが、

とても読みやすく

わかりやすい良書です。 

 

評価

おススメ度は ★★★★★ と満点といたします。

 

本書の126ページに

とても考えさせられる記述がありましたので

ご紹介いたします。

 

フィリピンの現地語で

「ウータン・ナローブ」という言葉があります。 

 日本語で「恩に報いる」という意味です。

フィリピンの社会は、

ごく少数の豊かな人と

圧倒的多数の貧しい人びとから成り立っています。

みんなでお金を出し合って

公的なしくみを作るのが難しい社会です。

と、なると個人的に受けた恩には必ず報いるという

暗黙のルールで支え合うしかありません。

これに反すると

「ワランヒア(恥知らず、人でなし)」と批判されます。

奨学金を出してくれた地元の恩に報いるために学生は、

故郷に戻るのです。

 

グローバリズム社会が広がり

すでに我が国でも貧富の差は拡大する一方で、

何でもコスパ優先で

恩に報いるどころか、

人を踏み台にしてでも

金持ちにならないといけない

精神的な貧困さまでありますよね。

 

国民皆保険は相互扶助の精神が根幹です。

 

現代社会に生きる我々は、

この本来的な価値観を共有しないと

搾取する側に騙されてしまうのでしょうね。

 

社会の仕組み、構図を知り、

連帯して、強固な社会を作る。

 

そういう心構えが必要でしょうし、

実は医療とは構造的に

相互扶助で成り立つ稀有な領域ではないかと感じます。

 

生命は平等であり、

医療資源も原則として

誰にでも投入されます。

 

そういう大事なものを

私たちは維持するか?捨て去るか?

その分岐点に生きていると言えるのかもしれません。

 

本書を読んで

そんな事を考えました。

 

それでは、また…。

 

 

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