おはようございます。
医療業界でシェアハピネスの輪を広げたい
ジーネット株式会社の小野勝広です。
我が国では少子高齢化により労働者人口が減少し、
人手不足が年々進んでいます。
転職マーケットは売り手市場になり、
採用が非常に難しくなってきていますね。
ところがこんな簡単な事を理解できない
無能な経営者があまりにも多すぎます。
人を大切にできない組織は崩壊していくでしょう。
本日のブログのタイトルは、
【 退職代行 「辞める」を許さない職場の真実 】
といたしました。
本書をピックアップした理由
『 退職代行 「辞める」を許さない職場の真実 』
弁護士 小澤 亜季子 SB新書 を読みました。
長年、転職エージェントをする私としては
労働問題に対する興味は高いです。
事実、私自身も次の転職先が決まっているのに
前職が辞めさせてくれなくて悩む
求職者の方からのご相談などを何度も受けてきました。
本書の著者である小澤弁護士とは
ひょんな事から知り合う事となり、
何度かお話しをさせて頂き
聡明かつフレンドリーなお人柄である事も
良く知っています。
退職代行サービスを手掛ける第一人者でありますが、
それだけでなく、健全な雇用環境を作るために
多角的に活躍をされています。
そんな小澤弁護士の著書ですから
こりゃ読まんとアカンと思い手に取った次第でした。
目次
第1章 「辞めます」が言えない人々
第2章 退職代行サービスは甘えか
第3章 “辞める”のリアル
第4章 退職代行を誰に頼むか
第5章 幸せになる生き方
感想
いいですね~。
メチャクチャわかりやすいです。
タイトルは退職代行ですが
本書で一貫して述べているのは、
健康を害したり、
自殺を考えるようなところまで働くのは
止めましょうという事です。
と言いますのも
小澤弁護士は弟さんを過労死で亡くされています。
それが退職代行サービスを手掛ける事になった
きっかけのひとつである事は間違いないでしょう。
弟のような方を出したくない…と。
翻って昨今の労働環境ですが、
あまりにも過酷な状況ですね。
ブラック企業も一向に減りませんし、
ロクでもない経営者や管理職が目白押しです。
そりゃ若い人の労働意欲は下がりますよ。
退職を申し出ても、
暴言を吐く、
退職届を受け取らない、
退職を認めない、
損害賠償をほのめかす、
怒鳴り散らす、など
とんでもないケースが多い訳ですね。
退職代行サービスを批判する人は少なくありませんが、
こんな経営者や管理職が存在する以上は
むしろさらに利用は広まる事でしょう。
悪いのは退職する人ではなく、
バカな経営者であり管理職です。
本書では様々な事例を挙げてくれていますが、
いずれも悪いのは完全に会社側ですね。
当然の仕打ちです。
まともな企業が多いなら
退職代行サービスなど流行らない訳です。
流行っているのは企業側に問題があるのですね。
これは社会問題と言えるでしょう。
ただ退職代行サービスを手掛ける中にも
悪質な企業も少なくありません。
結果的に退職できない、
料金は返さない、
それどころか新たなトラブルを引き起こす。
だからこそ弁護士である小澤先生が
退職代行サービスを立ち上げざるを得なかったのですね。
「退職代行はブラック企業を淘汰する可能性を秘めたサービス」
という小澤先生の主張には納得です。
是非ともブラック企業から人を救い出し、
新たな人も採用できなくなる仕組みを作り、
どんどん潰れて欲しいと思います。
174~175ページで、
いつの世も、
「苦痛」です。
大切な家族・友人との「時間」を失い、
また、心身の「健康」すら失うこともあります。
ただ、右肩上がりの高度経済成長期であれば、
年次と共に「給料アップ」が見込め、
定年まで「安定した正社員の地位」が確保され、
「退職金」ももらえるなど、
得るものも多かった。
ですから「失うもの」と「得るもの」は
釣り合っているようにも見え、
そのような状況下では、
ひたすら耐えることが得策だったかもしれません。
しかし、高度経済成長期をとうの昔に終えた、
令和の今日においてはどうでしょうか。
あなたが「得るもの」と「失うもの」の
重みは釣り合っているか、
一度立ち止まって考えてみてください。
このように述べています。
死んではいけません。
健康を害してもいけません。
そんな職場なら逃げた方が良いのです。
もうこんな職場は辞めたい…とか、
仕事がしたくない…とか、
そう思われている方は
是非とも本書を手に取る事をおススメします。
なぜなら本書は退職をススメている訳でもなく、
退職代行サービスの利用をススメているのでもありません。
本当の意味での健全に働くとはどういう事か?
追い込まれてしまった時にどうすれば良いか?という
あなたを救う指南書だからです。
評価
おススメ度は ★★★★★ と満点とします。
労働問題を学ぶという意味でも良いですし、
働くを考えるという点も良いです。
退職代行サービス云々ではなく、
労働人口が減少する中で、
企業の従業員に対する姿勢が問われる時代になり
社会全体として考えるべき問題がここにはあります。
また労働者側だけではなく、
経営者、管理職側も読むべき内容です。
社員を本当に大切にしているか?
もし退職代行サービスを利用して退職した人がいるなら
それはなぜか?を問わねばならないでしょう。
上司に恐怖を感じているのではないか?
相談できない雰囲気が蔓延しているのではないか?
ハラスメントの温床があるのではないか?と
振り返る事は少なくないでしょうから。
そりゃ中にはロクでもない理由で
退職代行サービスを利用する輩もゼロではないでしょう。
しかし確実に労働者人口が減少していく時代、
人手不足はさらに進みます。
売り手市場は益々進み深刻化していくでしょう。
働き方改革が浸透していけば、
労働者に選ばれる組織でないと生き残れなくなります。
労使逆転と言ってもいいかもしれません。
嫌なら辞めろとか、
使えない奴は辞めていいとか、
そんな事を言っていたら
気づいたら誰もいなくなった…となりかねません。
潮目の変化に早く気づかなければいけませんね。
働くとは何か?
雇用するとはどういう事か?
会社にとって社員とはどういう存在か?
医療業界においても
過重労働や過労死、
パワハラ、セクハラなどは問題になっていますね。
私の聞く限りでは、
医療従事者も退職代行サービスを利用する機会が
増えているようですよ。
大学医局や自治体病院など
古い体質が残る組織は
率先して働き方改革を実践し、
適切な労働環境を作らねば
人は去る一方になるかもしれませんね…。
それでは、また…。
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