おはようございます。
医療現場で奮闘する医療従事者に
シェアハピネスの輪を広げる支えとなる
ジーネット株式会社の小野勝広です。
ビジネスパーソンの1人として
時々は経済学をきちんと学ばねば…と考えています。
どうせ読むなら
語り継がれている古典が望ましいかな…と。
本日のブログのタイトルは、
【 経済発展の理論(上)(下) 】
といたしました。
本書をピックアップした理由
『 経済発展の理論(上)(下) 』
いつだったのか、
何の本だったのか、
そういう記憶は全くないのですが(笑)、
シュンペーターを読まなきゃ!と思った
その事自体が私の記憶に刻まれていて
たまたま出会った本書を購入しておきました。
しかし中身がかなり難しそうだったので
なかなか手が伸びなかったのが正直なところです。
ただなぜか私はごく稀に難しそうな経済本を
無性に読みたくなることがありまして…。
たまたまそんな時期が到来し、
そろそろか…と本書を手に取りました。
目次
<上巻>
第1章 一定条件に制約された経済の循環
第2章 経済発展の根本現象
第3章 信用と資本
<下巻>
第4章 企業者利潤あるいは余剰価値
第5章 資本利子
第6章 景気の回転
感想
率直に申し上げて、
やはりかなり難解でした。
古典の長短は、
思想、思考が深いというメリットの裏側で
まわりくどい言い回し、
難解な理論のわかりにくさがあります。
とは言え私たちは意識をせずとも
経済活動の中で生活をしている訳です。
かつての物々交換の時代から
貨幣経済へと転換し、
資本、利子、信用などの概念があってこその価値創造。
経済から逃れる訳にはまいりません。
シュンペーターが何を言いたかったのかまでは
私ごときの頭脳では完全理解できませんが、
経済学の体系として
まさに原理原則、基本基礎なのだろうと思います。
特に本書は「起業」を目指す方には
フィロソフィーを学ぶには良いかもしれません。
資本主義社会では起業こそが
利益の追求・創造を飛躍的に高めるとも言えます。
起業をイノベーションと考えれば
経済成長の根幹ですよね。
我が国だってかつてのソニー、ホンダ、
パナソニック、京セラなどがそうですし、
もとは起業、ベンチャーからのスタートです。
経済学を学んで起業し、
大成功を収めて経済成長の礎となって欲しいものです。
ってか私も頑張ります。
それでは恒例の私がグッときた箇所をご紹介します。
経済する人間は彼を取り巻く事象の「仕組み」を
部分的に変更することができる。
しかしそれは、一方において自然法則的な限界、
他方において彼の技術的能力によって
与えられた限界を超えることはできない。
(上 P.43)
すべての財を労働用役と
土地用役の一束と考えることができるし、
またこれらの財を「労働と土地」に
分解することができるということになる。
(上 P.55)
かくして残されるものはただ第一次的な財の流れ、
すなわち一方における労働用役および土地用役と、
他方における消費財との間の交換にほかならない。
人は貨幣によって獲得しうる消費財の価値にしたがってのみ
彼の貨幣存在量を評価するのである。
したがって貨幣所得と実質所得との交換こそが要点であり、
それは貨幣の個人的交換価値、
したがって貨幣の価格が形成される
経済過程の場所を示すのである。
(上 P.124)
貨幣は商品の流通を容易にすること以外の役割を
まったくもたないということができる。
(上 P.129)
あらゆる歴史的状態は
それに先行する状態から適切に理解しうるということ、
したがって個々の場合について
これが満足になされていないときには、
われわれはそこには解決不能な問題が存在するのではなく、
未解決の問題が存在するとみなすということである。
(上 P.136)
むしろ、新結合、
とくにそれを具現する企業や生産工場などは、
その観念からいってもまた原則からいっても、
単に旧いものにとって代わるのではなく、
一応これと並んで現われるのである。
なぜなら旧いものは概して自分自身の中から
あたらしい大躍進をおこなう力をもたないからである。
(上 P.183~184)
経済学は科学となって以来ほとんどつねに。
貨幣現象にまつわる世俗の誤謬に対抗してきた。
(上 P.252)
古き良き伝統によると、
成功を実際に保証する有力な要素がないにもかかわらず、
無経験の企業をただちに株式会社の形態で設立するのは
「品のよいこと」とはされていない。
ましてその株式をすぐさま顧客の頭に投げつけるようなことは、
「品のよいこと」とはされていない。
(上 P.285)
資本とは、
いつでも企業者の自由に委ねられる
貨幣およびその他の支払い手段の金額であると
定義しよう。
(上 P.304)
企業者利潤は費用超過額である。
(下 P.9)
発展なしには企業者利潤はなく、
企業者利潤なしには発展はない。
資本主義経済については、
企業者利潤なしには財産形成もないということを
さらに付け加えなければならない。
(下 P.53)
新企業の大量出現が旧企業の生活条件に及ぼす影響、
および国民経済の慣行の状態に及ぼす影響がそれである。
その場合証明された事実、
すなわち通常新しいものは旧いものの中から発生するのではなく、
むしろ旧いものと並んで登場し、
これを打ち負かし、
あらゆる関係を変化させ、
その結果、ひとつの特殊な
「秩序化の過程」が必要になるという
事実を考慮しなければならない。
(下 P.192)
恐慌は経済発展の転換点である。
(下 P.207)
新しい調整の途上にある与件や価値の不確実性と、
一見不規則的かつ不可測的に現れるおそれのある損失は、
不況期にとって特徴的な雰囲気をつくり出す。
これによって特に被害を蒙るのは、
株式市場の意見を構成し、
繁栄において商業的、
社会的に著しい注目を引く投機的要素である。
(下 P.236~237)
評価
おススメ度は ★★★☆☆ といたします。
きっと読む人が読めば
理解度はもっと高く
具体的な施策、行動に落とし込めるのでしょう。
私は経営的な判断の参考になったというよりは
大まかな流れを何となく理解するという
実に情けない限りの理解度ですが、
それでも大筋という面では頷かされるところも多く、
時々振り返りとして本書に立ち返るのは良いかと考えます。
個人的な見解ですけど
経済的な活動を理解するというのは
いかに自分にとってわかりやすくするか?だと
思っております。
私は物々交換の時代から
貨幣が媒介するようになった頃、
そして産業革命以後、
企業が飛躍的に大きな活動をするようになった頃、
そして最も直近では
貨幣の使われ方が複雑化し、
証券、債券、そして電子的な決済がされるようになった頃、
この3時代に大きなヒントが隠されているように感じます。
本書の主題は「循環」と「発展」です。
そしてこの理解のヒントは人体にあるように思いました。
血液の流れ、子供から大人への身体の成長、
その過程においては
滑らかさ、成長、痛み、不測の事態、安定が混在しており、
それが自然でもありますね。
経済を資金やモノの流れだけで考えるのではなく、
それこそ万物流転のような受け止め方が
理解のためには必要なのかもしれないなあ…
そんな事を考えました。
ま、いずれにしてもまだまだ勉強が必要です。
それでは、また…。
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