ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

健全な肉体に狂気は宿る 生きづらさの正体

 

おはようございます。

 

医療現場で奮闘する医療従事者に

シェアハピネスの輪を広げる

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

物事の考え方次第で

自分の人生は大きく変わると思います。

 

人を知る、社会の仕組みを知る、

その為には読書は最適ですね。

 

本日のブログのタイトルは、

【 健全な肉体に狂気は宿る 生きづらさの正体 】

といたしました。

 

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本書をピックアップした理由

『 健全な肉体に狂気は宿る 生きづらさの正体 』

内田 樹 春日 武彦 角川ONEテーマ21 を読みました。

 

敬愛する内田樹さんと

精神科医春日武彦先生の対談。

 

もう私にとってはこれだけで読む価値ありなのですが、

健全な肉体に狂気は宿る…という

タイトルにも惹かれましたし、

生きづらさの正体…というサブタイトルにも

かなり興味を示しました。

 

現代社会…。

相当に生きづらいと思うんですね。

 

先日、自殺者が減ったというニュースが出てましたが、

それでも年間に2万人を超える自殺者が出ている訳で、

しかも10代の自殺者だけは増えているそうです。

 

若者が未来に希望を持てない社会。

これはさすがに看過できません。

 

何をやっとんじゃ政治家や官僚は…と

責任を押し付けたくもありますが、

もうひとつ重要なのは、

若者に「生きる術」を伝えられていない

私たち大人の問題もあると思うのです。

 

現代社会をサバイバルする為の考え方。

 

きっと内田さんと春日先生は

そこに切り込んでいるはずだ…と思い、

関心高く本書を手に取ったのでした。

 

目次

第1章 世代論に逃げこむな

第2章 「自分探し」はもうやめよう

第3章 人間は、わかり合えっこない

第4章 個性とこだわり幻想

第5章 健全な肉体に狂気は宿る

第6章 まずは身体に訊け

 

感想

うん、素晴らしい。

想像を超える内容でした。

実に勉強になりました。

 

特に10代、20代の若い方にはおススメできますし、

30代~50代で人生を好転させたい方にも

相当に参考になるところがあると思います。

 

本書にはモノの見方、考え方があるのです。

しかも教科書のようなありきたりのものではなく、

内田さんと春日先生の実体験から編み出された

様々なシーンで応用できる興味深いものなのです。

 

特に私が考えさせられたのは、

人間とは身体と精神のバランスが重要である事、

不安とは生き方、考え方によって

その大きさが変わる事、などでしょうか。

 

 まあとにかくですね、

本書を読めば目が開きます。

 

その一端を、

恒例の私がグッときた箇所という事で

下記にてご紹介します。 

 

中途半端な科学者は

「科学のエリア」と「世事のエリア」を切り分けて、

「科学のエリア」は客観的事実と

それを説明しうる合理的な理説が支配しており、

「世事のエリア」には情緒や美意識や損得勘定や

イデオロギーのような主観的表象が蠢いているというふうに考える。

でも、真に科学的な知性はそんな区分をしない。

(P.9~10)

 

解離というのは、

それまでの脈絡とかつながりを

全部断ち切ってしまうということで、

「わかりません」とか「記憶にありません」とか言って、

それでOKになっちゃう。

たしかにそれで物事は乗り切れるように見えるんですが、

でも現実にはそれは通用しませんよね。

(P.23)

 

その誰にも共有されないもの、

自分が他ならぬこのような自分であることを

決定づけるような特異点を、

何とかして主題化・言語化することで、

自分がこの世界に存在することの必然性みたいなもの、

宿命的なものを感知できる。

そのときにはじめてそういう行き止まり状態から

出られると思うんです。

(P.30)

 

「正しい」生き方よりも

「ハッピー」な生き方を選ぶ方がいいよ。

(P.36)

 

「ぶつけても大丈夫なようにという理由で

中古車を買ったら、必ずぶつけるぞ。

だって、ぶつけないと中古車を買った意味がないから。」

(P.44)

 

君の能力や資質のうち、

他人が必要とするものを提供し続けてゆくことが、

キャリアパス」なんで、

どれがキャリアになるかを

君は自己決定することはできないんだよ。

(P.52)

 

悩んでいる人というのは、

ほぼ100%が取り越し苦労で苦しんでいる。

こうなったらどうしよう、

こうなったらえらいことになる…って

最悪のシナリオを事細かに想定して、

どんどん細部まで描きこんでゆく。

自分のことをリアリストだと思っている人ほど

取り越し苦労しがちですよね。

(P.63)

 

過去は可変的であり、

未来は未知である。

だから、過去についても、未来についても、

確定的なことが何も言えないというのが

時間の中を生きる人間の健全な姿でしょう。

過去はもう取り返しがつかないし、

未来はすでに先取りされて変更の余地がないというのじゃ、

出口なしですから、もうどこにも行き場がない。

(P.64)

 

英語ができて、コンピュータが得意で、

ピアノが弾ける人は世界にたぶん3億人ぐらいいる。

でも、例えば、イディッシュ語ができて、

胡弓が弾けて、算盤ができるという人になると

世界に5人くらいしかいない。

キャリア形成にかける手間が一緒なら、

他の人ができないことを探した方が

効率いいんじゃないかってアドバイスするんです。

(P.66)

 

未来をイメージするというのはすごく大事なことなんです。

イメージには強い現実形成力があるから。

その念の強さで未来をコントロールすることができる。

取り越し苦労が人生を腐らせるように、

逆にいいイメージを強く念じることによって

人生を豊かにすることだってできる。

(P.77)

 

人間というのは、

他人から聞いた話というのは

あまり軽々には信用しないくせに、

自分がいったん口にしたことばというのは、

どれほど不合理でも信用するんですよ。

だって、自分で口にしたことばの現実変成力を

自分の人生を賭けてでも証明しようとするから。

自分の口で言ったことは、

言わないことよりも実現可能性が高いですから、

他人のことばはどれほど合理的でも信用しないが、

自分のことばはどれほど不合理でも信用するというのは、

ある意味「正解」なんです。

(P.112)

 

ぼくは理屈よりも直感を信じますね。

(P.167)

 

完全な能力主義で、

完全に正確な勤務考課がされたら、

プライドずたずたにされちゃって、

生きていけないですよ。

(P.199)

 

人間が精神的に健康である条件について、

4つばかり挙げておきたい。

・自分を客観的に眺められる能力。

・物事を保留(ペンディング)しておける能力。

・秘密を持てる能力。

・物事には別解があり得ると考える柔軟性

(P.224)

 

 評価

おススメ度は ★★★★★ と満点といたします。

 

精神的に健康でありたいとか、

人生をより良いものにしたいとか、

自分の思考をポジティブに転換したいとか、

そんなことを考えている方には最適の書です。

 

対談でありながらも

内田さんの独演会のようになっているところは

ご愛敬としか言えませんが、

合間合間の春日先生の冷静かつ慎重な物言いもいいですし、

内田節は本書でも炸裂していますし、

私はこのテーマのパートⅡを出して欲しいと思いました。

 

ホント人間って

考え方、受け止め方で

人生がガラリと変わりますからね。

 

本書を読むことによって

何かを変えることができて

より良い人生を掴む人は結構多いんじゃないかと思います。

 

それでは、また…。 

 

 

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