おはようございます。
読書がライフワークになっている
医療業界のコンサルタント
ジーネット株式会社の小野勝広です。
自分のことを鍛えていますか?と言われて
即答で「YES」と答える事のできる人って
筋肉自慢の方くらいでしょうか?(笑)
人として成熟する。
職業人として成長する。
より良い人生を歩もうと思えば
必要不可欠であるのでしょうが、
進化のスピードが早い現代社会では
表層的に自分を鍛えても
あっという間にその成果は薄れてしまいますし、
やはり本質の部分をしっかりと理解して
何を鍛えるべきなのか?
その点を見誤らないようにしなければなりませんね。
なんて私自身は偉そうなことは言えないんですけど
何を、どこを、どう鍛えるべきなのか?
これは自分自身のためにも
常に追求しなければならないのだろうなと感じています。
今回ご紹介する書籍は、
【 自分を鍛える 人生の実学を学ぶ 】 です。
本書をピックアップした理由
『 自分を鍛える 人生の実学を学ぶ 』
ジョン・トッド 訳/解説 渡部 昇一
三笠書房 を読みました。
1982年に三笠書房さんから発行された本書。
ブックオフオンラインでポチっとしたのですが、
届いたのはさすがに少し古ぼけた本でした。
私が本書に関心を持ったのは、
何かの本で紹介されていて
(このパターンは多いです。
しかも常に元の書籍を忘れてしまう 笑)
あ、これは読まねばならん!と思ったのです。
特に深い理由があるわけではないのですが、
こういう感性はだいたい当たります。
本書においても、
紹介していたその本自体が勉強になりましたし、
その著者にリスペクトの思いがありましたし、
(そのわりには忘れているんですけど 苦笑)
自分が興味を持てた人の紹介する本なら…という感じで
スマホのメモアプリに入れておいて、
ある程度溜まってきた段階で
まとめ買いをします。
こんなことをしているから
私の積ん読は一向に減らない…。
正直、著者のこともよく知らないし、
どんな内容なのかも全くわからないまま
自分を鍛えるというタイトルに惹かれて
本書を読み始めたのでした。
目次
第1章 自分の頭で考える
第2章 生産的な習慣・強い信念が自分を大きく育てる
第3章 確たる見識を身につけるために
第4章 緻密な頭脳をつくる読書法
第5章 人生の持ち時間をいかに有効に生かすか
第6章 修養をつんだ人の言葉を生きる糧にせよ
第7章 健康は頭脳・精神の滋養となる
第8章 つねに自分の限界をつき破って伸びよ
感想
前書きに、
「ジョン・トッドこそ、
人生論を書くにふさわしい
資格の持ち主の一人ではないかと思う。
ここには素朴でありながら強力、
しかもどこを参考にしても
必ず読者に好影響を与えるという、
危なげのない人生の知恵が
具体的に示されている。」と書かれていて、
ほう、人生論を語っているのか…。
哲学書的な難解な内容だったら困るなあという思いと
軽い自己啓発書だったら嫌だなという思いの
両方を持ちながら読み進めていったのですが、
言い得て妙というか、
ちょうど真ん中くらいの適度なポジションで
私にとっては最適でした。
どうも私は自己啓発書が好きになれないのですが、
意外と自己啓発書は読んでいるかもしれません(笑)。
ただ心に残る内容はあまりないんですよね。
やはりいい本は
後頭部をハンマーで殴られたような
強烈な刺激を受けるものですが、
自己啓発書でそこまでのものはなかなかありませんね。
ところが本書におきましては、
安易なノウハウではなく、
根本的な思想や習慣
そして考え方のところに踏み込んでいるのが
とても好感が持てました。
しかもそれが小学生にもわかるような
シンプルな解説であり、
ふむふむ…と簡単に読めてしまうのです。
でも多分それじゃダメ。
本書のメインテーマは
自分への戒めだと感じました。
しかし人間は
どうしても易きに流れてしまうものです。
きっと何度も何度も読むべき内容だと思います。
できることなら中学生、高校生、大学生の若き頃に
本書に出会えると最適です。
その方の人生はより良い方向に進むんじゃないかな?
それくらいに生きるために
知っておいたほうがよい大事なことが書かれています。
トイレやお風呂に常備しておき、
毎日読み返せるとよさそうです(笑)。
私自身も数年後に読み返すでしょうし、
娘にも読ませたい良書と思いました。
それでは恒例の私がグッと来た箇所をご紹介します。
真の天才が
この世に生まれるのはきわめて稀である。
その稀な天才たちは人からうらやましがられ、
お手本にされるけれども、
実際、世の中をより賢明で
立派なものにする天才となると
さらに数は少ないのである。
一生懸命に学ぶ目的というのは、
いろいろな天分を引き出すことではなく、
自分の頭脳がことさら
人よりもすぐれているなどと思わず、
それを活発に、
しかも明確に役立つようにすることなのである。
(P.18)
若い時分は、
膨大な知識をたくわえることより、
将来知識を身につけるのに備えて、
また将来役に立つように、
頭脳を鍛えることのほうが大切なのだ。
知識の倉庫はいずれいっぱいになるのだから、
準備期間中にそんなに躍起になってつめこむことはない。
(P.21)
欲望に支配されている人間で、
おのれの本来の義務を
厳格にきちんと果たせる者はいない。
外的な影響に支配されたくなければ、
まず自分の感情に左右されない人間になることだ。
(P.23)
世の中に影響を及ぼす偉大なる道具、
それは頭脳である。
そして、頭脳ほど訓練し使用することによって、
決定的に、しかも絶えず進歩する道具はほかにない。
(P.32)
自分にはいったい何ができないのかを心得ていることは、
できることを心得ていることと同様、
きわめて大切なことである。
他人の知性にふれることによって
自分の知性が磨かれたり、
頭脳がいっそう明晰になったりするだけでなく、
鍛えられ、自分の能力に関して
謙虚になれるのである。
(P.37)
人となりというのは、
その人の身につけている
もろもろの「習慣」のことであると言えるかもしれない。
「人間とはすなわちいろいろな習慣のかたまりである」
と言っても、当たらずといえども遠からずである。
(P.44)
私も自分の経験から、
計画を立てないでやった日は、
立ててやった日の多くとも半分ぐらいのことしか
満足にできないことを知っている。
やり方に最大の注意を払った時が
最大の成果があがるということは、
誰もが経験しているところである。
(P.49)
自分の専門としている学問や本職以外のことは、
何も学ぶ必要がないという考えはまちがっている。
接するすべての人々から役立つ知識を得たからといって、
自分の専門に傷がつくなどということはありはしない。
それに、誰しも専門とすることについては、
人の知らないことを知っているのだから、
あなたがそれについて教わることは
必ず価値があるはずだ。
(P.69)
およその物は権力で手に入れたり
お金で変えたりするが、
知識だけは勉強して
手に入れる以外に方法はない。
(P.106)
私は必死になって自分の仕事を果たそうと努めます。
それは自分の利益のためというより、
私の義務だからです。
義務を果たさずして利益はあり得ません。
しかし、利益は常に最後に考えるようにしています。
(P.156)
大好きな気晴らしには要注意である。
なぜなら人は、
自分の大好きなものには
惜し気もなく時間を割いてしまうからである。
(P.165)
誰でも自分の無知は認めたくない。
人が自分の教養を並べ立てる時は、
いかに自分がすぐれているかを相手に認めさせ、
他の人はすべて無知だと
思い知らせようとの魂胆があるのだ。
こんな暗黙の催促ほど不愉快なものはない。
(P.193)
すぐカッと喧嘩腰になるような
人間はほうっておけばいい。
そういう人間の喧嘩相手はすぐに見つかる。
彼以上に強い者が現われて、
あなたよりもうまくやっつけてくれる。
口論好きな人間は
一生決闘をしつづけなければならない。
(P.210)
哲学は不幸がおそっても動揺せず
堂々としていることを教え、
信仰はそれらを諦観し
耐える力を与えてくれる。
しかし、健全な精神と肉体の持ち主は、
不幸の方で避けていく。
われわれは精神も肉体も健全に保ち、
自分の境遇を現在も将来も何の恐れもない
好ましい状態にすべく
努めなければならない。
しかし、精神が弦楽器の弦のように
常に張りつめていたのでは、
そうはいかない。
勉強のことや心配事などぱっと忘れて
すぐにリラックスできる人間だけが、
本当に有意義な知識を自分のものにできる。
(P.214)
われわれが出世しようと努力するのはほかでもない。
大勢の人間に囲まれ、
仕事に忙殺されることによって
本来の自分から目をそらせたいがためである。
本当の自分を直視するに耐えないからである。
(P.220)
評価
おススメ度は ★★★★★ と満点といたします。
本書は速読してはダメです。
ボリュームとしても
そう厚い本ではありませんし、
とても読みやすいので
スラスラ読めてしまいます。
でもそれでは本書の言わんとしているところに
届かないんじゃないかな?と思いました。
ちなみに私は1~2ページ読んで、また戻って、
3~4ぺージ読んで
1~2ページ戻るという感じで読みました。
考えながら読む。
もし自分ならと想定して読む。
そのようにして読まないと
平易な言葉で書かれているだけに
あっという間に読み終えてしまいます。
それではあまりにももったいない。
じっくり味わいながら読む。
そんなスタンスが相応しいです。
噛めば噛むほど
味が出てくるスルメのような内容の本です(笑)。
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