ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

騙されてませんか 人生を壊すお金の「落とし穴」42

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

人生100年時代と言われます。

 

定年退職が65歳だとして、

その先の35年間をどう暮らすか?

年金だけで暮らせるものか?

 

老後資金は2000万円は必要と

イチ時期に騒がれましたけど、

2000万円も貯められるのか?

本当に2000万円で不足ないのか?

 

働けなくなってから足りないとなっても

切り売りできる資産があればいいですけど

なければどうすればいいのか?

 

いやいやその前に65歳まで働けるのか?

 

激動と言っても過言ではない現代社会…

ひとつ間違ったら早期退職を迫られたり、

職を失う事だってあり得るかもしれない。

 

備えあれば患いなし。

マネーリテラシーが求められる時代ですね。

 

でも金融の世界って

そんなに簡単ではありませんし、

世の常識が必ずしも正しいわけでもありません。

 

まったく嫌な時代になりましたね。

真面目に働くだけではダメなのでしょうか?

 

今回ご紹介する書籍は、

【 騙されてませんか 人生を壊すお金の「落とし穴」42 】 です。

 

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本書をピックアップした理由

『 騙されてませんか 人生を壊すお金の「落とし穴」42 』

荻原 博子 新潮新書 を読みました。

 

時々テレビなどでお見掛けする荻原博子さん。

 

こんなことを言ったら大変失礼なんですけど

いつもこう思っていました。

 

このおばちゃんの言うことはわかりやすいなあ。

このおばちゃん、すごくまともなことを言ってるなあ。

このおばちゃん、他の評論家とは違って庶民目線だなあ。

 

そうなんです。

個人的に凄く好感を持っていたんです。

 

一応私もかつて金融機関で仕事をしていた事もあり、

もうずいぶん前ですから

最新の動向まではわかりませんけど

金融の基礎的な知識は身に付けているつもりです。

 

しかし昨今では今までの常識が非常識になり、

それこそ一寸先は闇のような状況に転じることもあります。

 

キャリアの世界では

お金を最優先にしてしまうと

あんまりいいことはありませんけど、

だからと言ってお金をないがしろにしてはいけません。

 

スキルと実績に応じた

適正な年収を求めるのは悪い事ではありません。

 

問題はその稼いだお金をどうするか?

 

この点は時々きちんと学ばねばならんだろうということで

ずっと気になっていた荻原さんの著書を発見したので

これは読まねば…と思い手にしたのでした。 

 

目次

1 節約編

「100億円あげる!キャンペーン実施中」の落とし穴

 ー電子マネー

「ちょっと帰りにコンビニへ」の落とし穴

 ー無意識消費

「手数料がもったいないからまとめて引き落とし」の落とし穴

 ーATM

「半額シールに心惹かれる」の落とし穴

 ー値引き

「控除って面倒くさそうで」の落とし穴

 ー医療費控除

「少しでもガソリン代を安くしたい」の落とし穴

 ー安物買い

「マイカー減税で買い替えを」の落とし穴

 ー自動車税減税

「セコい金の使い方は嫌だから」の落とし穴

 ー江戸っ子気質

「出先でビニール傘を買えばいいか」の落とし穴

 ー天気予報

「ポイントを貯めてトクをしよう」の落とし穴

 ーポイント信仰者

「自由化になったから基本料金0円です」の落とし穴

 ー新電気料金

「この子はうちの家族だから保険も」の落とし穴

 ーペット保険

ふるさと納税なら絶対損しない」の落とし穴

 ー寄付制度

「生命保険料金は毎月払う」の落とし穴

 ー「毎月払い」

 

2 投資編

「投資でお金を増やしましょう」の落とし穴

 ー金融庁ホームページ

「郵便局なら、安心です」の落とし穴

 ー郵便局

「分散してリスクを減らしましょう」の落とし穴

 ー分散投資

「老後資金を増やすのにぴったりです」の落とし穴

 ー長期投資

「個人向け国債0.05%の利率を2倍にしますよ」の落とし穴

 ー証券会社

「コツコツ資産形成を」の落とし穴

 ー貯金好き気質

「老後の備えにiDeCoをお勧めします」の落とし穴

 ー個人型確定拠出年金

「それなら『つみたてNISA』はどうですか」の落とし穴

 ー少額投資非課税制度

「初心者でも稼げます」の落とし穴

 ー「ほったらかし投資」

「合計利回りが10%にもなる」の落とし穴

 ー株主優待制度

 

3 保険編

「入院ゼロでも給付金が出ます」の落とし穴

 ー「日帰りOK」保険

「若いうちに入ったほうがトク」の落とし穴

 ー生命保険

「共済は安全で安心」の落とし穴

 ー共済型保険

「掛け捨てなんてもったいない」の落とし穴

 ー貯蓄型保険

「保険料が半額になります」の落とし穴

 ー保険セールス

「外貨建て生命保険なら利回りが高い」の落とし穴

 ー外貨建て保険

「お孫さんのためにぜひ加入を」の落とし穴

 ー学資保険

オール電化だから火事にはならない」の落とし穴

 ー火災保険

テレマティクス保険だから安心です」の落とし穴

 ー未来型保険

「健康診断結果がよくなるとキャッシュバック」の落とし穴

 ー健康増進型保険

 

4 老後編

「佐藤様、こちらへどうぞ」の落とし穴

 ー銀行店舗

「免許返納したら身分証明書がなくなる」の落とし穴

 ー高齢者運転

「老後の新しい不動産活用法です」の落とし穴

 ーリバースモーゲージ

人生100年時代の年金です」の落とし穴

 ートンチン年金

「結局、 現金で持っておくのが一番」の落とし穴

 ータンス預金

「うちは遺産なんてたいしたことないから」の落とし穴

 ー「相続=争続」

「墓くらいは立派にして欲しい」の落とし穴

 ー「墓じまい」

「奥様に遺すなら、遺産より生命保険です」の落とし穴

 ー遺産分割

 

感想

え~、まず上記の目次をご覧下さい。

もし気になる項目が

1つでも2つでも

少しでもあったら、

本書を読んだほうがいいです。

 

日常生活のちょっとした工夫から

私たちの身近にある郵便局や銀行、

最近話題の金融商品まで

ちょっと待った!というような落とし穴を

次から次へと教えてくれます。

 

これが大変にわかりやすくて、

信憑性が高くて、

裏事情が理解できて、

とても参考になるのです。

 

ごく当然だと思っていた

分散投資や長期投資への警報や

ふるさと納税や、iDeCo、NISAといった

最近人気の高い商品の欠点など

ズバリとリスクを明らかにしてもくれるのです。

 

私はマネーリテラシーの基本とは

収入、支出、節税、保険、資産運用の5点を

いかにバランス良く考えるかだと思っていまして

極端にどれか1つが突出したり、

どれかをないがしろにしてしまっては

自分にとって損になると思います。

 

本書はこの5点について

丁寧に説明してくれています。 

 

ただ収入を増やすというのは、

不労所得だけではなく、

働くスキルを上げていくことも大事です。

 

そういったキャリアに関しては

テーマと外れてしまうので

当然本書では触れられていませんが、

不労所得に関しては核心を突いています。

 

私の世代ですと

右肩上がりの経済成長を味わい、

バブル崩壊の前後もしっかりと見てきて、

リーマンショックやビッグバンなど

金融市場の大きな変化や大変革も

実体験として通過してきました。

 

何億、何十億、何百億、何千億というお金を得たのに

あっという間に失った人、

なかには同時に命まで失った人もいました。

 

上手いことすり抜けて

誰もが羨むような資産を築いたのに

悠々自適の生活と引き換えに

生きがいを失う人もいました。

 

人生とお金の関係性は

じっくりと考えないといけませんね。

 

墓場までお金は持っていけませんし。

 

本書はお金の教科書と言っていいかもしれません。

それも上っ面だけのいいことばかりの内容ではなく、

事実に即したシビアな側面もきっちりと理解できる良書です。

 

そのなかで私が最も勉強になったのは、

貯蓄好きの国民性と言われている我が国ですが

戦前までは全くそんなことはなかったという点です。

 

焼け野原になった戦後…。

国も個人もお金がない中で復興を進めねばならず、

少ないお金を集中させて有効活用する必要があって

それを銀行に集めるという政策を打ったらしいのですね。

 

金利にして銀行にお金を集め、

そのお金を銀行は企業に貸し出し、

企業はそのお金を元に事業を促進したと。

 

結果的に朝鮮戦争で特需が生まれ、

日本経済は大々的に復活したわけですが、

その裏には銀行が

本来的役割を果たしたというのがあるそうです。

 

現在は戦後とは違い、

銀行にお金を預けても貸し出し先がないために

超低金利となっており、

資金が銀行に滞留してしまっていますね。

 

これを吐き出させようと

やたらと投資を促進しようと官民一体となっていますが、

その裏には本書で書かれているような

裏事情があるのです。

 

安易に乗れませんね。

だいたい投資なんていうのは

弱肉強食の世界であり、

誰かの損が誰かの得になるわけです。

 

これは私の勝手な予想ですが、

政府や銀行は近い内に国民のお金を吸い上げます。

誰かの損は国民の損であり、

誰かの得は政府と銀行です。

 

最近、億り人なんて言って

1億円以上の資産を築いた人が羨まれていますが

気を付けないとこういう方が狙われるように思います。

 

マネーリテラシーがないと思っている方。

何か資産運用をしなければならないとお考えの方。

 

まず本書を読んで下さい。

きっと目が開かれることでしょう。 

 

評価

おススメ度は ★★★★★ と満点といたします。

 

わかりやすさ。

生活密着。

忖度一切なし。

 

この3点で最高クラスです。

 

銀行マンや証券マン、

財務省金融庁の官僚、

こういう方には絶対に言えないことが

著書にはズバズバと言えるのです。

 

将来のお金に不安のある方。

少しでもお金を貯めたい方。

金融機関や金融商品が信用できない方。

 

こういう方には絶賛おススメです。

 

いや~、荻原博子、恐るべし。

これだけズバッと切り刻んでいたら

誰かに恨まれたりしないか心配ですが、

ハッキリ言って庶民の味方です。

 

そのぶん、国や金融機関にとっては敵となります。

それだけ欠点をビシバシ指摘し、

本当の姿を赤裸々にしています。

 

多くの方に読んでいただきたい1冊です。

正直言って私はかなり騙されていた感がありますし、

マネーリテラシーはそこそこ自信があったのですが

完全に砕かれました。

 

でもここで砕かれて良かったです。

ハリボテのマネーリテラシーから

本物のマネーリテラシーに少し近づけた気がします。

 

また荻原博子さんの著書は

そのうちに読むことになりそうです。

 

それでは、また…。 

 

 

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