おはようございます。
読書がライフワークになっている
医療業界のコンサルタント
ジーネット株式会社の小野勝広です。
良いのか悪いのかわかりませんが、
私自身は現在人生で2度めの社長業をしています。
別に自慢したいのではなく、
そういう運命にあったように
自分では感じるのです。
1度めはサラリーマン社長として
あれよあれよという間に就任しました。
今回は半創業社長のような形で
9割9分も好きにやらせてもらってます。
私は父親が
家族経営の小さな会社でしたが創業社長でして
現在は弟が継いでいます。
社長って大変ですけど
とても楽しい仕事ですし、
超やりがいがあるんですね。
昨今では出世したくない、
役職を持ちたくない、
責任を大きくしたくない、
そんな方が増えてきていると言われますが
私は声を大にして
チャンスがあるなら掴みましょう!と
心から言いたいです。
そこで今回ご紹介する書籍は、
【 スモールカンパニー 本気の経営加速ノート 】 です。
本書をピックアップした理由
『 スモールカンパニ ー 本気の経営加速ノート 』
原田 将司 クロスメディアパブリッシング を読みました。
弊社のような中小企業の経営は
当然、大企業とは全く異なるものです。
そこでこのスモールカンパニーに関心を持ちました。
かつて野村克也氏は、
弱者の戦略と言いながら
当時あまり強くなかったヤクルトスワローズを
優勝させたわけですね。
やはり王道を行くのではなく
弱者ならではの手段を実行し、
小さく勝ち続けて
少しずつ大きくしていかねばならないと思うのです。
確かに一代で大企業を作った名経営者の著書も
大変に勉強にはなりますけど、
今の私にはスモールカンパニーのほうが
きっと学びになるだろうと思い
本書を読み始めたのでした。
目次
第1部 スモールカンパニーの経営を最小化する「決!断捨離」
1 経営を最小化する「決!断捨離」の極意
2 決!:はじめに「決断」あり
3 断:「やめる」を決める、「減らす」を増やす
4 捨:モノを捨てれば整理整頓・管理の対象が減る
5 離:離れることで力を蓄える)
第2部 スモールカンパニーの加速経営
1 加速経営の方程式『E=MS2』
2 小よく大を制す「加速戦略」
3 商品企画で商材価値を高める
4 仕入を見直して商材価値を高める
5 事業展開速度をあげる「3倍速経営」
6 経営のスピードをあげるトップセールスの展開)
第3部 スモールカンパニーにおける「社長」の品質管理
1 社長の品質管理とは
2 社長の品質管理ー「支配型」と「依存型」
3 社長の品質管理ー五つの成長ステップ
4 社長の品質管理ー求められる言動と振る舞い
感想
この本いい!
とても勉強になりました。
私が特におススメしたいのは
クリニックの経営者、
つまり開業医の皆さんであったり、
これから開業をしようとしている方々です。
読後、すぐに私がちょうど開業支援をしている
ある先生に、この本おススメです!と
思わず連絡してしまいました。
もちろん中小企業の経営者には
最適な内容ですし、
いつかは経営者を目指しているとか、
経営陣1歩手前の管理職の方とか、
中小企業に勤めながら
この会社を大きくしたいという志を持つ社員の皆さんにも
大いにおススメしたいです。
ここにはまさに弱者の戦略があります。
しかしこの戦略は小が大を倒すコツでもあるんです。
私はかなりワクワクしながら
本書を読みましたし、
これは自社でも取り入れたいと思うこと、
私自身の考え方をブラッシュアップする
大きなきっかけになりそうなことまで
非常に参考になりました。
早速活かしていきたいと思います。
それではここで恒例の私がグッと来た箇所を
ご紹介します。
きっと社長や開業医の皆さんには
参考にしていただけると思われます。
「起業」は簡単だけど、
「経営」はとても難しいのです。
はじめるのはたやすいが、
維持するのは至難の業
ーこれが会社経営の実態なのです。
(P.4)
スモールカンパニーが勝つために必要な
周囲の協力を得るためには、
そしてそれを実現する道程を
具体的な目標として示す必要があるのです。
時々、突然彗星のごとく現れて、
急成長を遂げたあと、
すぐに消えていく会社もありますが、
こういう会社は目的を言語化できず、
理念を後回しにしたり、
または、よく考えずにとってつけたような
浅い理念を「大義」として掲げたことで、
敗北に追い込まれた典型的な例だといえます。
(P.30)
企業の成長とは、
持続的な価値創出による収益の拡大である。
(P.30)
小さな経営を実現して、
成功率を高めるために「選択と集中」が大切ですが、
集中のしかたには注意が必要です。
それは、決して「背水の陣」で戦わないことです。
退路は常に確保しておかねばなりません。
存続の可能性を断たないようにするのです。
(P.36~37)
まず生き残れ。
儲けるのはそれからだ。
(P.37)
企業経営とは”他人の力を借りて目的を果たすこと”です。
そのためには周囲の協力は
不可欠であることは言うまでもありません。
一人でやるなら企業でなくてもいいのです。
(P.41)
スモールカンパニーこそ
「迷ったらやめろ」です。
迷うくらいならやめたほうがよいのです。
(P.42)
社員の未来は御社だけではありませんが、
御社の未来も今いる社員だけに
依存しているわけではありません。
(P.75)
企業の成長力は、
商材価値と事業展開速度の2乗に比例するという考えです。
加速経営の方程式「E=MS²」
Business Growth Energy =
Merchandize Varue × Speed of Business²
企業成長力 = 商材価値 × 事業展開速度²
(P.78)
戦略上、絶対に忘れてはならないことは
”顧客満足のツボ”をおさえることです。
多くの企業では自社の都合に意識が傾きすぎていて、
顧客がどこで満足しているのか、
そのツボを知らないし、知ろうともしていません。
どの企業でも「顧客満足(CS)」は当然、
意識して目指しているとは思いますが、
ここではもう一歩踏み込んだところを
ピンポイントで狙います。
(中略)
商品は顧客に売るのではなく、
顧客が買うのです。
(P.90~91)
商材価値を高める手段として大切なことは、
新しい技術や設備を導入しないことです。
基本的に、顧客は「よりよいもの」ではなく、
「ちょうどよいもの」を求めていますから、
今あるものを使ってできたもので十分なのです。
(P.98)
顧客は商材そのものだけでなく、
それが提供されるプロセスも買っています。
(中略)
顧客の多くは”最高”ではなく”最適”なものを、
求めたときに求めたぶんだけほしいのです。
(P.101)
イノベーションだ、ビジネスモデルだ、と
唱えるのはたやすいですが、
これらは前述の社長のレベルにも強く依存しているので、
実現するのは至難の業です。
困難な挑戦をする前に、
まずできることがまだまだある、
そっちを先にやりきる実力を発揮しましょう。
(P.150)
上位客を分析すると自社の強み、貢献度が見えてきます。
自社に期待されている領域もはっきりしてきます。
中小企業はその強みこそを伸ばすべきなのです。
(P.153)
名刺交換をして
「いつか役に立つかも」という名刺は
「いつまでも役に立たない」と割り切ることです。
(P.160)
経営環境というものは何の前触れもなく、
一夜にして一変するのですから、
社長がすべきは浪費でも消費でもなく、
投資なのです。
(P.182)
スモールカンパニーが永続的に存在しようとするならば、
社長は社会やお客さんや社員に対する言動に
責任を持たなければなりません。
”社長の言葉は会社の最終回答である”ということを
忘れないでほしいです。
(P.183)
評価
おススメ度は ★★★★☆ といたします。
著者自身も中小企業の経営者であり、
今までの経営上での失敗談なども書かれています。
また著者は経営コンサルタントをしており、
多くの会社を見てきたからこそ気づいた
重大な経営に関してのノウハウを教えてくれます。
社長自身の考え方、行動、そして生き方。
中小企業においては
これが最重要ですからね。
社長としてのレベルアップをするためにも
本書は絶賛おススメです。
よくクリニックの開業相談をお受けした際に
何か読んでおいた本はありますか?とか、
学んでおいた方がよいことはありますか?と
質問されることがあります。
私は開業本などは読む必要がありません。
それよりも他業界の経営本を読むのが良いですよ。
マーケティングとか、マネジメントを学ぶといいですよ。
こうアドバイスしております。
おそらくこれからは
本書を読むといいですよとおススメします。
それくらいにスモールカンパニーが成功するために
必須となりそうなノウハウが書かれています。
経営に関してはもちろんのこと、
マーケティングやマネジメントについても学べます。
その根幹が書かれている良書です。
私自身もとても勉強になりました。
それでは、また…。
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