ある読書好き医療コンサルタントの書評ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

株式会社化する日本

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。


今までの学校教育は

公務員やサラリーマンを育成する

養成工場であった…。

 

そう言っても過言ではないところも多いですし、

画一的な指導の弊害が

年々大きくなっているように感じます。

 

と言われるようになって

随分と時が経ちますが

まだまだ改善されてませんね。

 

やはり全国の教育現場を改革するなんて

そう簡単なことではありません。

 

であるならば私たち個々が

主体的に時代の要請に応えられるように

自己改革しなければならないのだろうなと思います。

 

そのために必要なのは

社会の構造を知り、

時代の流れを読むこと。

 

内田樹さんの発言は

これらのためには知っておくべきと考えています。

 

今回ご紹介する書籍は、

【 株式会社化する日本 】 です。

 

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本書をピックアップした理由

『 株式会社化する日本 』

内田 樹 鳩山 由紀夫 木村 朗

詩想社新書 を読みました。

 

内田さんの著書は

私はもう無条件に読むんですけど

正直、本書は躊躇しました。

 

鳩山由紀夫…。

 

いや別に彼を詳しく知っているわけではありませんし、

あくまでもイメージの問題なんですけど

元総理大臣とはいえ

宇宙人?と言われたり、

時々メディアでの発言を目にしても

え?そんなことを言うの…なんて時もあります。

 

内田さん、なんで鳩山さんなんかと…と

個人的には思ってしまったり。

 

とは言え敬愛する内田さんが対談をするのだから

鳩山さんにも何か優れたところがあるのかもしれない。

政治信条の違いを乗り越える

何かがきっとあるんだろう。

いやそうじゃないと総理大臣にはなれないだろう。

 

考えてみれば

民主党が政権を取り

鳩山さんが総理になり、

その後、悪夢のような…(笑)

そこまでは思わないですけど、

鳩山さんのことは詳しく知らないんだな、私。

 

きっと鳩山さんのことを知ろうとする機会なんて

今後もないと思うし、

だったらせっかくの内田さんとの対談だし、

まあ読んでみるか…と。

 

少し不純ではありますが、

そんなこんなで本書を手に取ったのでした。

 

目次

第1章 平成時代と対米自立の蹉跌

第2章 あらゆるものが株式会社化する特異な時代

第3章 グローバル資本主義の末路

第4章 沖縄問題からみる新しい世界地図

 

感想

しかし内田さん、

元総理を前にしても

自説をグイグイ述べており、

むしろ鳩山さんが脇役になっていました(笑)。

 

いやそのほうが私にとっては良かったのですけど

本書を読む限りでは

鳩山さんの発言にも特に違和感はなかったし、

メディアに変に取り上げられていたのかな?と思い

ウィキペディアをチェックしてみたところ

う~ん、やっぱり宇宙人かな?(笑)

 

本書が取り上げるテーマは、

対米従属、天皇制、立憲デモクラシー、

トランプ政権、沖縄問題、東アジア共同体構想など

センシティブな内容がほとんどですし、

2019年3月に発行されていますから

決して最新情報とは言えませんが

何ら問題は解決しておらず

見ようによっては「左」がわの議論ではありますが、

そこはさすがに内田さん。

 

右とか左とか関係なく、

知性と知見で突破するような発言をされており、

政治的なスタンスは置いておきつつ

私はモノの観方と社会構造という観点から

大変に勉強になりました。

 

冒頭に申し上げたように

この国はサラリーマンを作り上げる教育を続けてきて、

結局、国自体も株式会社化してしまったんですよね。

 

だから我々の価値観も

会社員としての常識があまりにも浸透し過ぎて

見失うもの、捨て去ったものが

異様に多いのかもしれません。

 

その弊害が大きくなり過ぎている現代社会だからこそ

私たちはもう1度原点に戻らねばならないのだろうな。

そんな事を思い出させてくれる1冊です。

 

それでは恒例の私がグッと来た箇所をご紹介します。

 

この人たちには、

もう国家戦略がない。

日本をこれからどうしたらいいのか、

どうすれば日本の国益は最大化するのか、

どうすれば日本国民は幸福になるのかについては、

なんの成案もない。

外交的には対米従属以外に戦略がない。

内政では、権力の独占と自己利益の増大以外に関心がない。

経済力もない、

政治的指南力もない、

オリジナルな安全保障構想もない、

何もない。

だから、五輪だ、万博だ、カジノだ、リニアだ、

というような時代遅れの打ち上げ花火的な公共事業と、

日本スゴイ」とか、「クール・ジャパン」とかいう

貧乏くさい幻想を振りまくくらいのことしか思いつかない。

「日本を取り戻す」というような

言葉が出てくるのはそのせいです。

「取り戻す」のは未来がないからです。

過去のどこかに、日本の黄金時代があった。

そういう存在したことのない幻想的な過去を語って、

あそこに戻ればいいと言う。

「過去への回帰」が魅力的なソリューションに思えるというのは、

未来がないからなんです。

日本には未来がないということを彼らだって感じ取っている。

二十年後、三十年後の日本は

いまよりもっと貧乏になって、

いまよりもっと国際社会での地位が

低下しているだろうということがわかっている。

だから、とりあえず手元に残っている国民資源のうち、

自分のふところに搔き集められるだけのものを搔き集めて、

泥船が沈み出したら、

真っ先に逃げ出す算段をしている。

(P.20)

 

現代日本の秀才たちは、

「査定が正確で、入力してから出力するまでの

 タイムラグがないシステム」を偏愛しています。

(P.38)

 

九十年代から、

まずうるさく「格付け」がなされるようになった。

その格付けに基づいて、

公共的なリソースを傾斜配分するようになった。

「どうやってパイを大きくするか」ではなく、

「パイの取り分をどうするか」のほうに頭を使うようになった。

これが落ち目の国の特徴なんです。

生活保護受給者へのバッシングなんていうのは、

もう典型的な「落ち目」の徴候です。

これは明らかに日本の国運がピークアウトして、

回復の見込みのない後退局面に入ったことを示しています。

貧乏そのものは別に恥ずかしいことじゃない。

それは散文的な事実にすぎない。

でも、貧乏くさいのは恥ずかしい。

それはマインドの問題だからです。

パイの分配の仕方とか、

他人の財布の中身ばかり気になるのは貧乏じゃなくて、

貧乏くさいのです。

(P.113)

 

株式会社というのは、

右肩上がりじゃないと、

存在できない仕組みなわけです。

投資するのはリターンを期待しているからであって、

成長しない社会では投資する先がない。

それでもなお無理やり成長させようとしたら、

どこかで「身体という限界」を超えるしかない。

つまり、人間と無関係なところで

経済活動を営むというふうな

文明史的な転換点を超えなければならない。

それが金融経済です。

そこでは、もう人間の身体は経済活動に関与しない。

そこで行き交うのは、

もう人間にとって有用な商品やサービスではなく、

電磁パルスに変換された貨幣です。

人間の身体という限界を外したことによって

いま資本主義経済は延命している。

本来、経済活動は人間のために存在したわけですけれども、

もういまは違う。

金融経済を回すために人間が犠牲になっている。

本来であれば人間たちがその欲求を満たし、

幸せに暮らすために行われるべき経済活動が、

人間たちに対立し、

人間たちを食い物にしている。

マルクスが「疎外」と呼んだ状況です。

資本主義の末期的な症状が表れてきた。

(P.171~172)

 

一握りの超富裕層の保有する富が

下位の50パーセントの富と等しいというような

富の偏在が起きていると。

8人で36億人分の資産でしたね。

世界で最も豊かな8人で、

最も貧しい36億人と

同じくらいの富を所有しているという驚愕の事実!

(P.172)

 

戦争というのは、

人間が「それなしでは生き延びられないもの」を

破壊することです。

上下水道や、鉄道や、道路や、通信網や、

医療機関や、学校を破壊する。

そういうインフラなしでは済まされないですから、

戦闘行為が終わったら、すぐに再建が始まる。

また鉄道を通し、ダムを作り、発電所を建て、

学校や病院をつくる。

全部、またゼロから始める。

未来を担保に入れても、

これだけはやらずに済まされない。

だから、そこに膨大なニーズが発生する。

戦争というのは、すばらしいビジネスチャンスなんです。

人間の身体を人質にとって、

無理やり実体経済を駆動させるわけですから。

(P.174)

 

評価

おススメ度は ★★★★☆ といたします。

 

深堀りすれば

さらに興味深い内容になるでしょうが、

今回はお三方の鼎談ということで

多くのテーマを取り上げざるを得ず、

内田節にも多少の遠慮があったのでしょうか。

 

私自身、考え方の相違は多少ありましたが、

本書に書かれている内容をブラッシュアップしないと

肝心なことに気づけないのだろうなという危機感を持ちましたし、

それはこれからの時代をサバイバルすることを考えると

必須、かつ正当な危機感なのだろうなとも思いました。

 

国民全体を従順にして

政権運営をしやすくしてきたのが

戦後から続く自民党政治だとすれば、

私たちはそろそろ気づいて改善しなければならないでしょう。

 

ただそれは野党が政権を取ればいいという事ではなく、

本当の意味での保守政党が必要な気がします。

 

自民党は保守ではなくなっていますし、

国民の票は必要だけど

国民の幸福は一切考えておらず

政権を握り続けることが最優先ですもんね。

 

どうせ内部から変えるなんて

あり得ない話しでしょうから、

私たち国民が知性を持って

投票で変えていかねばならないのでしょうね。

 

右とか左とか安易に言うのではなく、

私たち自身のために政治にプレッシャーを

掛け続けねばならないのだろうなと思いました。

 

それでは、また…。

 

 

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