おはようございます。
読書がライフワークになっている
医療業界のコンサルタント
ジーネット株式会社の小野勝広です。
私は本を買うときには、
読みたいものが決まっている時には
読みたいものが決まっていない時には
ブックオフでダラダラ時間を掛けて
いろんなジャンルの本をまとめ買いします。
それぞれメリットとデメリットがありますが、
この両者をバランスよく行うことで
自分的にはかなり充実した読書ライフが送れていると
満足度は高いです。
特に後者がポイントです。
私は時々今まで全く興味を持ったことのない
作家やジャンルにチャレンジします。
これが稀に大当たりして
私の興味の範囲をグッと広げてくれるのですね。
実は今回もそのパターンでした。
今回ご紹介する書籍は、
【 いろいろあった人へ 大人の流儀 Best Selection 】 です。
本書をピックアップした理由
『 いろいろあった人へ 大人の流儀 BestSelection 』
伊集院 静 講談社 を読みました。
伊集院静さん。
正直に申し上げますが
今まで著書を読んだことがないどころか、
あまり関心を持ったことはありません。
あの夏目雅子さんと結婚されていたこと、
その後も女優の篠ひろ子さんと結婚したことなど
芸能ニュースに疎い私は今回初めて知りました。
なぜ本書を買ったのか?
よく覚えていないんですよね…。
たぶんブックオフの100円コーナーを物色していて
「いろいろあった人へ」というタイトルに
何か惹かれるものがあったのかもしれません。
伊集院静?
う~ん、読んだことないな。
試しに1度読んでみるか、100円だし(笑)。
おそらくこんな動機だったんじゃないでしょうか。
購入後、案の定、まだ読んでない本棚に
しばらく積ん読されており、
何か気になるところがあったのか、
さあそろそろこの本を読みなさないよ~という
神の啓示のようなものを感じて
読み始めてみたのでした。
目次
第1章 月
第2章 天
第3章 心
第4章 風
感想
ふむ、やっぱりいろいろチャレンジしなきゃいかんですな。
徒然なるままに書かれたエッセイが
独特の雰囲気を醸し出し、
それが私には何だか心地よくて
あっという間に読み終えてしまいました。
そもそも伊集院静さんに対する知識はほぼゼロの私です。
どんな方か、いかなる人生を歩まれてきたのか?
何も知らなかったんですね。
途中でWikipediaでチェックして、
へえ、そういう人なんだ~と知りながら
アンニュイな文体が妙に気に入りました。
特に深い話しが書かれているわけではないんです。
過去の出来事、
妻のこと、ペットの犬のこと、
自分の周囲の人のこと、
たぶん伊集院さんは
それこそ日記のような気軽さで
つらつらと書き連ねているのですが、
何だか心を揺さぶられる箇所が多くて
作家としての力量を感じながら
こちらもリラックスモードで読めました。
ところが面白いことに、
ところどころに散りばめられている
アフォリズムというか、
人生の大事なところをズバッと突かれるのです。
これがすごく心に響いて、
いや~いい本だなあ、
期待していなかったけど当たったなあ。
そんな事をしみじみ感じながら
気持ちよく読み終えました。
何だろう、
読後感が清々しかったです。
そして伊集院静さんの小説も
いずれ読んでみようかなと思わせてくれる
印象的な1冊でした。
では恒例の私がグッときた箇所をご紹介します。
さよならも力を与えてくれるものだ。
(P.13)
人はそれぞれ事情をかかえ、
平然と生きている。
(P.62)
損・得で仕事を選んじゃ淋しい人生になりますからね。
おおらかが一番イイ。
(P.66)
人生は、アッという間に過ぎてしまいますから。
でもあせっちゃダメだ。
ゆっくりと急げばいい。
(P.67)
酒呑みにとって、
呑む理由はどうでもよいのだが、
そこに友との惜別が、
人生の別離があれば、
その酒は文句無しに味わいが出る。
酒は二級で十分。
(P.75)
生きものであれ、
人であれ、
別離のこころの持ち方を備えておくことは礼儀である。
準備をしておこう。
君たちが去った後、
悲しみの淵に長く佇むことが起きれば、
何のための出逢いだったのかわからなくなる。
(P.100)
まともなことだけをしてきたという人のことを耳にするが、
私はまだそういう人に直接逢ったことはない。
口にする人はいたが、
よく見ると小悪党の権化のような顔をしてる。
(P.120)
わざわざ?と若者は言うかもしれないが、
きちんとしたことはわざわざするものではない。
(P.144)
過去は昨日のことである。
(P.149)
人間がいかに愚かで、
いかに素晴らしいかを知るのが
学問の最初です。
(P.155)
世界は君や、あなたが思っているほど
退屈な所ではない。
(P.158)
世の中は今、すぐに答えを求める。
正しい答えなどどこにもないと、
やがてわかるのに、
皆が答えを知りたがる。
(P.159)
二十歳の若者でさえ
共有せねばならぬものがあるのだから、
大人になればなおのことである。
私たちは経験したことで何かを知る。
何かとは、生きることである。
経験と書いたが、
それは時間と言ってもいい。
生きる時間は常にそういうものとともに
歩んで行く。
(P.164)
人間は別れることで何かを得る
生きものなのかもしれない。
別れるということには、
人間を独り立ちさせ、
生きることのすぐ隣に平然と哀切、
慟哭が居座っていることを知らしめる力が
存在しているのかもしれない。
(P.166)
評価
おススメ度は ★★★★☆ といたします。
あくまでも私の個人的な感覚ですけど
旅行先に本書を持って
隙間時間に読んだりすると
すごく心に訴えかけてくるものがあるんじゃないかと
感じました。
本書は人生を考えさせられます。
自分は結構幸せなんだな…と思うかもしれませんし、
旅先から帰ったらあれをしよう、これをしようと
何か行動のきっかけになるところもあるかもしれません。
仕事では医師のキャリアに関しては
日々考えている私ですが
当然、キャリアの根底には
個々それぞれの人生があるわけで
人生観やキャリア論については
かなり考え込んできているつもりです。
そんな私でも
本書は考えさせられるところが多く、
とても参考になりました。
やっぱり普段と違うことをしてみる、
今まであまり手を出さなかった人や分野に
チャレンジしてみるって大事ですね。
清々しい満足感を得ることができました。
それでは、また…。
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