ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

医学部バブル 最高倍率30倍の裏側

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

受験…。

あまり思い出したくない

嫌な思い出になっている方も多いでしょうね。

 

恥ずかしながら私自身は

あまり受験で苦労したことがないのです。

 

高校は自宅から最も近いという理由で選びました。

偏差値にはかなり余裕があって

悠々合格するだろうと言われ

悠々合格しちゃいました(笑)。

 

大学はスポーツ推薦で入りました。

当時、私は野球をやっていまして

4校の野球推薦を受けましたところ

3校で合格をいただきまして

そのうちの1校に入学しました。

 

一応、入学試験は受けましたけど

野球部枠はそれほど成績は重視されないようで

すんなり決まってしまったのです。

 

こんな私ですから

受験の苦しみは正直わかりません。

本当の意味での理解には及びません。

 

それだけにこういう本は読みこんで

せめて正しい知識を身に付けておかねばと思うんですね。

 

今回ご紹介する書籍は、

【 医学部バブル 最高倍率30倍の裏側 】 です。

 

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本書をピックアップした理由

『 医学部バブル 最高倍率30倍の裏側 』

河本 敏浩 光文社新書 を読みました。

 

医療業界で仕事をするようになってから

医師のことは相当に勉強しました。

 

やはり医師と話すことが

最もよい学びにはなりますけど、

その大前提として

最低限の知識を持っておかねばなりません。

 

医学生、医学部の書籍もかなり読んできました。

ちなみに今まで読んだものをご紹介しますと…

 

ka162701.hatenablog.com

 

ka162701.hatenablog.com

 

ka162701.hatenablog.com

 

ka162701.hatenablog.com

 

ka162701.hatenablog.com

 

ka162701.hatenablog.com

 

医師を目指す段階から

医学部というところまでだけでも

いろいろ読んできております。

 

これらが最低限の知識となって

実際に医師と話しをすると

次から次へと興味深いお話しを伺うことになり、

私の知識や経験はグッと高まったのでした。

本当に有難いことです。

 

しかし常に知識はブラッシュアップしなければ

時代の変化に付いていけなくなりますから

時々こうして新しい本も読んでいきます。

 

医学部バブル…。

数年前からこう言われることが増えて

実際に少子化で受験生が減っているにも関わらず

医学部の受験生だけは

減るどころか増えているようですね。

 

それだけ医師という職業に魅力があるのか?

生活の安定が見込まれるのか?

 

一説では、

理系の成績優秀者は医学部受験を

学校や塾から勧められると聞くこともありますし、

親が開業医で医師以外の選択肢がないとか

親の背中を見て自分も医師になりたいと思ったとか

医学部受験生とひと口に言っても

多種多様な方々が

個々それぞれの事情を持っているのでしょうね。

 

その意味では医学部を目指す若い方々の

バックボーンも理解しておくとよいかなと考えて

本書を手に取ったのでした。

 

目次

第1章 医学部熱の正体

第2章 勉強ができるとはどういうことか

第3章 学力と向き合う

終章 合格通知の向こう側

 

感想

う~ん、想像とは違う!?

前述したような私の期待は

思い切り見事に打ち砕かれました。

 

まあよく調べなかった私が悪いのですが

期待は砕かれたものの

これはこれでよい勉強になるという

想定外の好運です。

 

著者は受験予備校の講師。

 

これを事前に知っておればよかったのですが、

本書は医学部云々の話しだけでなく

「受験」がメインのテーマになっています。

 

もちろん医学部と銘打っているわけですから

基本的には「医学部受験」について書かれているのですが、

著者の専門は「受験」ですから

わりと「受験全般」について書かれているのです。

 

受験制度も私が学生だった頃とは

かなり変わっていますし、

これからも変わっていきますよね。

 

あまり本格的な受験をしてこなかった私ですが

娘のこともあり(医学部は目指してませんけど 笑 )、

こういう内容はこれはこれで

かなり興味深く読んでしまいました。

 

そもそもの医学部受験生が増えている背景から

国公立の医学部受験と

私立の医学部受験の違いから始まり、

各科目ごとの現状と対策、

ここは本当に面白かったです。

 

英語、古典・古文、国語から

特に数学ですね、

私は根っからの文系人間でしたので

案の定、数学は苦手でした。

 

数学の制し方やその意図、

語学をどう学ぶかという

勉強の「仕方」については

長年、受験戦争と戦ってきたからこその

貴重なノウハウが書かれているように感じました。

 

受験のノウハウを学ぶという意味では

とても参考になるのではないでしょうか。

 

受験科目などは

基本的には医学部受験を取り上げていますので

お子さんが医学部受験するような方は

一読しておくと有利になるかもしれません。

 

正直、私自身は現状の受験システムが

決していいとは思っていませんし、

優秀な若者たちがこぞって医学部を目指すのは

日本全体のためにはどうなんだろう?という

疑問を持っています。

 

理学部や工学部にも

優秀な人間は必要ですもんね。

 

医師という職業を心からリスペクトしていて

医師を支える仕事をしていて、

普段から医師と接していますけど

医師はそんなに簡単な仕事ではありません。

 

無事に受験を突破して

医学部で学び始めても、

本当の勝負はその先なんですよね。

 

医師国家試験に合格し、

初期研修医として勤務をスタートしても

まだまだ学ぶことは多くて

専門医を取ろうと思えばさらに大変で

医学の世界は日進月歩で進化しますから

中堅からベテランの医師になっても

ず~っと学び続けねばならないのですね。

 

しかもモンスターペイシェントに代表されるような

非常識であり得ないような患者を相手にすることもあり、

国や自治体は決して医療現場を甘やかさず

むしろ掛かる費用をいかに減らすか?を

常に医療現場に強いてきます。

 

ただでさえフリーアクセスで

患者は次から次に押し寄せるのに

医学的に正しい治療ができないケースも少なくなく、

日々葛藤と戦いながら

それでも患者の為に身を粉にして働いている医師は

日本全国各地にいらっしゃる事でしょう。

 

実際にハードな診療科目の先生は

自分の子供には医師という職業を選んで欲しくないと

おっしゃる先生も意外と多いです。

 

その一方で何年も前に開業した開業医の先生は

自分が育てた医院を子供に継いで欲しくて

何とかして医学部に入れようとしています。

 

最近、開業する先生は

子供の適正と意欲に任せるとおっしゃる方が

増えているように感じますが、

開業も昔ほどにオイしくなくなっている証明でしょう。

 

医師を夢見て

医学部合格を目指すのは

それは素晴しいことだと思います。

 

仮に医師になれなくても

勉強したことは無駄になりませんし、

今であれば医学部断念、

他学部受験というルートは

決して難易度は高くありませんからね。

 

私は医師という方々をよく知っているだけに

単に受験の勝ち組になる?とか

医師になった後の安定を手にする?とかではなく、

医師という職業の本質をしっかり見つめて

それでも医師になりたいという

心からの湧き出る思いが持てるかどうかが

とても大事なのだろうなと思います。

 

勉強ができる理系人材は医師に…という

安直な流れのまま進んでしまうと

医師になってからの苦労が大きいでしょうからね。

 

本当に医師になりたいという方は

本書を読むとそのための受験テクニックが書かれてますので

とても参考になるのではないでしょうか。

 

評価

おススメ度は ★★★☆☆ といたします。

 

私が当初描いていた内容ではありませんでしたけど、

これはこれで知っておいて良かったです。

 

受験を控える親御さんにとっては

医学部というフィルターを通して

また違った角度から受験を考えることができるので

別に医学部を受験しなくても

参考になる点は多いんじゃないかと思います。

 

ただ私にとっては

やっぱり医学部どっぷりの内容の方が好ましかったので

若干残念な気持ちもあり、

少し評価は下げました。

 

ですがむしろ受験に関しての情報収集をされている方なら

本書はなかなか良いと思いますよ。

 

医学部受験という最難関を突破するための術が

ここでは説明されているわけですから、

医学部ほど競争が激しくなければ

このノウハウを活かせば

きっと合格率はグッと高まるでしょう。

 

たかが受験。

されど受験。

 

そうは言っても一生を左右する可能性もあり、

偶然に翻弄されるわけにはいきません。

 

医師を目指す方々にとっても

最初の大きな関門でもありますし、

ここを超えねば叶うことはないのですから

必死にならざるを得ませんね。

 

しかし焦りは好結果に繋がりませんし、

ここは冷静かつ診療な情報収集が必要と思います。

 

そういった観点で言いますと

本書の価値はかなり高そうです。

私ではなく、他の方が本書を読めば、

星4つ、星5つとなってもおかしくないかもしれません。

 

ただ願わくば、

医師の本質であったり

医師の現状を正確に掴んだ上で

医学部を目指すかどうかを決めたほうが良いと思われます。

 

憧れは大事ですが、

相当に確固たる思いがなければ、

憧れだけではできない厳しい仕事であると言えます。

 

裏を返せば

だからこそ職業としての価値が高いのですし、

医師免許は国内最強の資格と言えますし、

収入や社会的な評価が高位安定しているわけですね。

 

生半可な気持ちではできませんが、

本気で医師を目指すのは

とてもよい事だと思います。

 

多くの医師と接していて

心からそう思っています。

 

それでは、また…。

 

 

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