おはようございます。
読書がライフワークになっている
医療業界のコンサルタント
ジーネット株式会社の小野勝広です。
AIが今後どう浸透するのか?
私はとても興味があります。
私たちの仕事を奪うとも言われる一方で
私たちの生活がより便利になるのは
間違いがないと思うんですよね。
問題は「いつ」「どのように」でしょうか。
様々な角度から
様々な論点が語られていますが、
未来予測なので明らかではありません。
それだけに私自身も
AIについては視野を広くして
情報収集をしている次第です。
今回ご紹介する書籍は、
【 AIと日本企業 日本人はロボットに勝てるか 】 です。
本書をピックアップした理由
『 AIと日本企業 日本人はロボットに勝てるか 』
榊原 英資 竹中 平蔵 田原 総一朗 中公新書ラクレ を読みました。
本書を発見した時に
AIを語るのがこの3人か?
正直、適していないような気がしました。
でも逆にこの世代の方々が
AIをどう受け止めているのかには
ちょっと関心を持ってしまったんです。
榊原氏と竹中氏はまだしもですが、
田原総一朗がどう語るのか?は
興味津々です。
個人的な話しをいたしますと
そんなに好感を持っているお三方ではありません。
いやむしろマイナスイメージのほうが
私は強いかもしれません。
ただ自分とは違う考えを持つ人たちからも
学ぶことはあるよな~と考えてまして
本書を読み始めた次第です。
目次
第1章 AI時代で日本はこうなる
第2章 自滅する日本の大企業
第3章 忖度政治とアベノミクス
第4章 格差拡大の大混乱期
第5章 中国国家資本主義とアメリカ経済
第6章 第四次産業革命に生き残れる人とは
感想
う~ん、朝まで生テレビの書籍版みたいな感じです(笑)。
司会進行は田原総一朗で
コメンテーターが榊原氏、竹中氏でしょうか。
榊原氏と竹中氏は
考え方が食い違っていて
それを田原総一朗が上手くまとめつつ
グイグイ議論を進めていく。
この展開は面白かったんですけど
内容は本書のタイトルと異なります。
そりゃそうですよね。
この3人が集まって
AIやロボットについて語るなんて
さすがに無理がありますよね。
確かに多少は触れているし、
無理やり話しを戻してみたりはしていますが
まあ日本政治、日本経済についてがメインです。
別にそれでもいいんですけど
何でこんなタイトルを付けるんだか。
勘違いした人は腹立ちますわな。
ともかく良く言えば
大きなテーマからAIを語るという感じですけど
悪く言えば
案の定、この3人が言いたいことを言う
いわゆる言いたい放題の対談本です。
私はこれをある程度予測していましたので
別にいいのですけど
AIを学ぶという点からはかけ離れていましたね。
第四次産業革命として
AIを取り上げようとはしていますけど
若者にとっては
ごく自然で、当たり前で、
別に革命だなんて思ってないと思うんですよ。
本質を理解できていないじいさまが集まって
やれ産業革命だ、AIだと言っても
何かズレを感じます。
想像通りだから別にいいんですけど
AIの本を読むつもりの人にとっては
かなりガッカリされるでしょう。
それでは恒例の私がグッと来た箇所をご紹介します。
日本という国は、基本的に、
政府と民間企業とマスコミはグルなんだよ。
そういう国なんだよ。
それを怒ってもしようがない。
(P.53)
ま、そうですよね。
そしてそれがこの国の衰退に繋がっていて
張本人たちが全く気付かないのですから
付ける薬がありません。
こんなことが許され続けたら
益々我が国は没落していくのでしょうね。
先進国最低の賃金だなんて
恥ずかしいと思わねばなりませんよね。
さて、これからどうなることやら。
政府、民間企業、マスコミ、
どれかが変われば面白いんですけどね。
日本の政策は、
終始一貫していてすごくいい面があるのですけれども、
間違い始めると
ずっと間違っているというマイナスの面もあります。
(P.67)
はい、ずっと間違い続けているように感じます。
現政権を見ていても、
変えようとする意欲も感じませんし、
間違いに気づいてすらいないですよね。
聞くだけの首相じゃダメでしょう…。
たとえば人工知能で
「そんなことができるのか」
あるいは
「そんなことをやってどんな意味があるのか」などといって、
イノベーションの芽をつんでしまいがちです。
「そんなこと」は、
やってみないと分からないんですよ。
だから、やってみないと分からないことはやらないのが、
役所なんだよ。
なぜ、やらないの。
予測ができないことはやりたくないのです。
下手をしたら失敗をするわけですから。
保守的なんだ。
それはそうです。
役所というのは基本的にそうです。
現状を守るのが非常にうまいけどね。
(P.89)
役所のダメさ加減、ここに極まれりという感じですね。
元大蔵省の人が言うのだから
どこの役所もこの程度なのでしょうね。
むしろ何もしないで欲しい。
許認可権も引きはがし
何もしないでいてくれたほうが
世の中は良くなるんじゃないかなあ。
工場の現場ならば
「できる人間」と「できない人間」の差は、
せいぜい1倍か2倍だ。
ところがITの世界になると、
100倍、200倍の差が簡単に出ると。
(P.189)
恐ろしいですね、ITの世界は。
でも世界は日本よりも何歩も進んでいて、
この差を政策で埋めようとしています。
日本はまず役所のIT化を進めないと
意識が変わらないでしょうから
政策も変わりませんよね。
FAX廃止に反対意見がワンサカ出るようじゃ
時代錯誤も甚だしいと言わざるを得ませんし、
正直、救いようがないですね。
どこまで変えたくないんだか。
そんなことだから日本は右肩下がりなんだぞ。
財務省の若いキャリア官僚に
地方の税務署長を経験させる一つの理由は、
地元の警察署長と仲良くなるためですよ。
査察を警察と一緒にやる。
だから税と警察というのは国家権力なんです。
(P.202)
これって明治からでしょ。
そろそろ変えようよ。
もっとよい形があるはずだし、
それを作り上げなきゃ
ホントこの国は沈んでしまうよ…。
ディスカッションということは、
正解がないということだよね。
(P.216)
国会にしても、委員会にしても、
この国の中枢はディスカッションがありません。
すでに根回しして決定されたことを
ただ読み上げて既成事実を作るだけ。
仕事していて恥ずかしくないのかな。
疑問を感じる人はいないのかな。
正解がない中に突っ込んでいかないと
世界には追い付けませんよね。
いまの政府・与党には政策はあるけれども、
ビジョンがない。
けれども、野党の多くには
政策もビジョンも両方ないわけですよ。
(P.226)
与党も野党もダメだこりゃという感じでしょうか。
政治に最も必要なのは
「ビジョン」だと思うんですけどね。
評価
おススメ度は ★★★☆☆ といたします。
気軽にざっと読めますし、
内容自体は面白いんですよ。
ただAIやロボットじゃない。
まったく違う。
最初から政治や経済の本を読むと思えば
それなりに学べる本だとは思うのですが、
無理にAIをくっつけたのが敗因でしょう。
出版社のセンスのなさなのかなあ。
このお三方の発言を見る限り、
これからの日本は若い人に権力を渡して
思いきっり変えていかないといけないことを
しみじみと感じますね。
それでは、また…。
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