ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

螺旋の手術室

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

しかし世の中には

何と知らないことが多いものか。

 

私自身、もう50歳を過ぎて

それなりの社会勉強はしているつもりですし、

そこそこの経験値は積み上げているのですけど

何かの拍子に知らないことと出会って、

その度に調べて、学んで、

ホント人生ってのは

一生勉強なのですね。

 

これで完璧!というのがない世界なので

もう諦めて一生勉強することとします。

 

作家さんも知らない方、

まだ出会えていない方が多いですね。

 

今回ご紹介する書籍は、

【 螺旋の手術室 】 です。

 

f:id:ka162701:20220305190406j:plain

 

本書をピックアップした理由

『 螺旋の手術室 』

知念 実希人 新潮文庫 を読みました。

 

医療小説といえば海堂尊さんとばかり思ってましたが

たまたまtwitterでお見掛けして

「ミステリー小説家&医師です」という

自己紹介分を見て興味を持ち、

時々ツイートを見ていたのですが

その内容も面白いので

いつか小説も読みたいなあとは思っていたんです。

 

思ってるだけだと

いつになるかわかりませんので

まずは1冊読もうと思い、

詳しく調べることもなく

とにかく購入したのが本書でした。

 

こういう適当な理由で突っ走る時というのは

わりと当たることが多いんですよね。

 

さてどんな感じかな?と楽しみにしながら

本書を手に取った次第です。

 

目次

第一章 手術室の悪夢
第二章 血塗られた教授選
幕間
第三章 錯乱のメス
第四章 非情の診断
エピローグ

 

感想

おお、面白い。

 

何だろう、

海堂さんの医療小説とは

全く異なる面白さ。

 

ご自身でミステリー小説家と名乗っているだけあって

海堂作品よりも推理小説っぽさが際立ってます。

 

小説ですから

ネタバレになるような感想は

ここでは述べませんが、

最初の数ページを読んだだけで

一気に引き込まれてしまって

さあこの後はどうなるんだ?と

次が気になってなかなか本を閉じることができない。

 

そんなストーリーテラーぶりです。

 

知念さんのtwitterでは

喧々諤々のディスカッション(良くも悪くも 笑)が

赤裸々に行われていますが、

そちらよりも断然小説のほうが面白いです。

 

手術のシーンや

ところどころに出てくる専門知識が

とても有効に織り交ぜられており、

さすが本職の医師だけありますね。

 

小説といえども

私としては医療の勉強にもなりますので

真剣に読んでしまいました。

 

主人公の家庭環境や

登場人物たちは少し複雑な関係であったりするのですが

勝手な予想ですけど

これは著者が臨床現場で見てきたことに

多少脚色を加えたように思います。

 

私自身も知人ドクターより

医療現場には世の中のあらゆる関係性があると

何度か伺ってきましたが、

それは確かに小説になりやすいし、

やはり社会には表だけでなく裏もあるということですね。

 

最近ニュースを見ていても

「闇」を感じることも少なくありませんが、

ドス黒いことも含めての現実社会なんですよね。

 

本作品は内容が盛りだくさんで

どちらかと言えば

「闇」を浮上させることに主眼があるように感じました。

 

しかもラストは大どんでん返し。

それが「とある病気」であり、

医療従事者にとっては知識としてお持ちでしょうけど

一般人は滅多に知らない病であり、

しかもそれが数は少ないものの

随分と昔から発症者がいて

手の施しようがなかったらしく

読んでいて複雑な気持ちになりました。

 

むしろそれまで犯人ぽかった人物を

そのまま犯人に仕立てあげてしまったほうが

ミステリー小説としてはすんなりだったかもしれません。

 

まあそれじゃつまらないから

ひと捻りだったのか、

当初からラストシーンを決めていたのかわかりませんが

主人公が父の故郷に行ったあたりのシーンは

若干ホラーっぽい感じがして

恐怖感を味わいました。

 

なかなか本を閉じさせてくれない内容ですので

ミステリー小説としては大満足です。

 

イチ時期、海堂作品にドはまって

まだ数冊未読の本が残ってはいますけど

ようやくあらかた読んだところだったのに

お次は知念さんの小説にハマりそうです。

 

ノンフィクションには

ノンフィクションなりの良さがありますし、

フィクションには

ノンフィクションとは異なる良さがありますよね。

 

医療を学ぶという点では

ノンフィクションにもフィクションにも

それぞれの学びがありますので

これからも時折医療小説は読んでいこうと思います。

 

海堂さんも、知念さんも、

クセになりそうな気配です。

 

評価

おススメ度は ★★★★☆ といたします。

 

あくまでも小説ですから

その内容は何を書いても自由ですけど

本作品では医師が殺人を犯してしまうのですね。

 

私にはその点が残念で、

そりゃ過去にもそういう事件はなくはないですけど

決して多いわけではないと思うんですね。

 

もともと医療現場は

人の生死に関わるものですし、

最善を尽くしても死を迎えることも多いのですから

あえて事件にして死にするのは

ちょっとどうなのかなと思いました。

 

ただストーリーとしては

とても面白かったです。

 

ワクワクドキドキで

つい次のページを捲ってしまいますので

寝不足には注意して下さい。

 

それでは、また…。

 

 

*ジーネットTV 毎週新着動画をアップしています!

医師キャリア相談

*ZOOMキャリア相談を無料で行っています。

 

ジーネットが発信する情報提供サイトはこちらです!>
ジーネット株式会社 公式ホームページ
医療ビジネス健全化協議会<IBIKEN>ドクター向け情報提供サイト
ジーネット株式会社 <社長のtwitter>
ジーネット株式会社 <社長のfacebookページ>

よろしければ下記もポチっとお願いします!
      にほんブログ村 転職キャリアブログへ

診療圏調査バナー