ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

これ、いったいどうやったら売れるんですか? 身近な疑問からはじめるマーケティング

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

私は営業系の職種で長く働いてきましたが

なぜか若い頃からマーケティングに興味がありました。

 

今までも数十冊?数百冊の?の

マーケティング本を読んできてもいます。

 

昔のキアコン営業(気合と根性)と違って

今は営業もしっかりマーケティングを学ぶべきと思います。

 

それともうひとつ。

マーケティングを学ぶべきなのは

マーケティング部や営業部の人だけではなく、

何より経営者自身が知っておかねばならないと考えます。

 

そうでないと売上が上がれば何でもいい…みたいな

間違ったマーケティング的な発想で

施策を打ちかねません。

 

実際に疑問を感じる宣伝広告や

詐欺的なマーケティングも少なくありませんよね。

 

騙しではいけないですし、

先日あった吉野家の役員の失言などは

完全にマーケティングを舐めた結果ではないかと思います。

 

マーケティングの根底には

正義感とか、社会貢献とか、誠実、誠意など

きれいごとがあるべきではないでしょうか?

 

マーケティングで売れればいいや…ではなく、

売れる仕組みづくりとして

正しく機能せねばならないと考えます。

 

今回ご紹介する書籍は、

【 これ、いったいどうやったら売れるんですか? 

     身近な疑問からはじめるマーケティング です。

 

 

本書をピックアップした理由

『 これ、いったいどうやったら売れるんですか?

  身近な疑問からはじめるマーケティング

永井 孝尚 SB新書 を読みました。

 

時々はビジネスの勉強もします。

それもできるだけ基本には何度でも立ち返ります。

 

本書は随分前に購入しておいたのですが、

確かイチ時期かなり話題になりましたよね?

マンガ版も出てるみたいですし。

 

私自身はマーケッターではありませんけど、

経営者として

マーケティングは常に学ばねばならんと考えております。

 

そんなにボリューム感のある本ではありませんけど

しっかり目を通しておこうと思い読み始めたのでした。

 

目次

第1章 腕時計をする人は少ないのになぜ腕時計のCMは増えているのか?

    -「バリュープロポジション」と「ブルーオーシャン戦略」

 

第2章 人はベンツを買った後どうしてベンツの広告を見てしまうのか

    ー「顧客」と「ブランド」

 

第3章 雪の北海道でマンゴーを育てる?

    ー「商品戦略」と「顧客開発」

 

第4章 あの行列のプリン屋が赤字の理由

    ー「価格戦略

 

第5章 なぜセブンの隣にセブンがあるのか?

    ー「チャネル戦略」と「ランチェスター戦略」

 

第6章 女性の太った財布には、何が入っているのか

    ー「プロモーション戦略」と「マーケティングミックス(4p)」

 

第7章 きゃりーぱみゅぱみゅは、なぜブレイクしたのか?

    ー「イノベーター理論」と「キャズム理論」

 

第8章 古本屋がふつうの本屋より儲かる理由

    ー「マイケル・ポーターの5つの力」と「競争戦略」

 

感想

とってもわかりやすいマーケティング本です。

 

完全に初心者向けですので

私には若干物足りなかったところはありますが、

単に読み物としても楽しく

一気読みしてしまいました。

 

取り上げられている事例も

私たちの身近な企業ばかりですので

これからマーケティングを勉強するとか、

必要に迫られて学ばなければいけないような方にとっては

まず手初めに読むマーケティング本としては

とても適していると言えます。

 

営業職として

これからマーケティング的な発想を身に付けたいとか、

これから経営者になるので

マーケティングの基本を知っておきたいという方には

絶賛おススメできます。

 

私の領域で申し上げますと

これからご自身のクリニックの開業を志す方には

必読の書と言えるでしょうか。

 

それくらいに基礎の基礎、

よくわからない横文字の解説などは

ほとんどなくて

実践、実例の連発です。

 

時計、ベンツ、マンゴー、はなまるうどん

きゃりーぱみゅぱみゅブックオフなど

身近なだけに頭にスッと入ってきます。

 

ここまでマーケティングをわかりやすくしている本は

それほどないんじゃないでしょうか。

 

少し簡単すぎるかもしれませんけど

読み終えるのにそれほど時間は要りませんので、

マーケティングの最初の1冊としては

とても良い内容と感じました。

 

それでは恒例の私がグッと来た箇所を

ご紹介します。

 

何が言いたいかと言えば、

何かを捨てなければ何かを得られない、

ということだ。

(P.30)

 

何でもかんでも得ようとすると

失敗するケースは多いと思います。

 

マーケティングにおいても

完璧なマーケティングなんてあり得ないわけで

何を得るのか?を明確にして

そのためには何を失うのか?も明確にして、

その上で戦略を練るのが適切と言えるでしょう。

 

なかなか何かを捨てるということはしにくいので

敢えてこの言葉は頭に叩き込みたいと思いました。

 

顧客満足については、

次の式で考えればわかりやすい。

事前の期待を超える価値を提供することで、

お客さんは満足するのだ。

(P.51)

 

期待通りではなく

期待以上…。

 

これは顧客満足だけではなく

あらゆるものに適応できると思います。

人間関係だって円滑になりますよね。

 

言うほど簡単ではありませんが、

企業を永続させようと思えば

ベースに期待以上の商品・サービスの提供が必要ですね。

 

これも常に念頭に入れておかねば…と

思った次第です。

 

顧客開発の大切さは、

イノベーションについて考えるとよくわかる。

イノベーション」を辞書で引くと、

最初に「技術革新」という言葉が出てくる。

だから私たちはイノベーションとは

新しい技術のことだと思いがちだ。

しかしこれは英語であるイノベーションの日本語訳としては、

必ずしも正しくない。

本来の「イノベーション」の意味は、

価値を創り出して

社会に変化を生み出すことだ。

(P.66)

 

イノベーションとは価値を創り出して

社会に変化を生み出すことだ…という発想は

なるほどなと思いました。

 

時代は常に変わりますし、

私たちは常に変化の波に乗っているんですよね。

何にも変わらないなんて

そんなのあり得ないです。

次々に来る波に合わせていかないと…。

 

むしろいかに変わるか?どう変えるか?を

私たちは日々考え、実行しているとも言えます。

 

変わることを恐れるのではなくて、

変化の先鞭に立たねば…と強く思いました。

 

私も商品開発をやっていたので実感するのだが、

商品開発の現場では

商品を開発することが常に頭の中にあるので、

いつの間にかお客さんのことをすっかり忘れて、

商品を中心に考え、

バカの壁」のようにプロダクトアウトに陥ることがとても多い。

このプロダクトアウトに陥らないようにするための

2つの魔法の言葉がある。

「そもそも、お客さんって誰だっけ?」

「これってお客さんにとって、何がいいの?」

もし商品開発に行き詰まったら、

この2つの言葉が必ずヒントになるはずだ。

(P.80)

 

ある意味では大企業病とも言えるでしょうか。

自己満足の世界に陥ってはいけませんよね。

 

私はマーケティングとは

常にマーケットインの発想を持つべきと考えていますし、

プロダクトアウトになった瞬間から

その企業の堕落が始まるのではないかと思います。

 

とはいえ、つまらないアンケートでお茶を濁すのではなく

お客さんの声を想像する力が不可欠なのではないでしょうか。

 

コストと価格はまったく別モノ、と考えると打開策はある。

一言でいうと、

「コストは事実、価格は戦略」なのである。

(P.88)

 

なるほど。コストは事実か。

確かに変えようのない事実であり

この現実に真摯に向き合わねば

経営はおかしな方向に進んでしまうのでしょうね。

 

そして価格は戦略。

これもよくわかります。

企業にとって「値決め」というのは

経営戦略上で最も重要なものと言えます。

 

いくらにするのか?

どの程度の利益を得るのか?

まさに経営戦略の根幹ですよね。

 

時には利が薄くても

シェアを奪いに行くケースもあるでしょうし、

高付加価値を付けて

高収益を上げるケースもあるでしょう。

 

これこそは経営者の最大の仕事とも言えそうです。

 

強者の戦略の基本は、

「広域で戦う」「総合力で戦う」「遠隔戦」だ。

(中略)

弱者の戦略の基本は、

「局地戦に持ち込む」「得意技で戦う」「接近戦」だ。

(P.118、120)

 

私自身、昔は強者と言える企業に勤めていたことがありますので

強者の戦略は確かにその通りと思いますし、

現在は小さなベンチャー企業を経営していますので

弱者の戦略もその通りと思います。

 

現状、弱者の戦略を突き詰めて、

さらなる発展を目指していますので

弱者ならではの強みを手に入れたいと思いました。

 

私は競争が嫌いである。

世の中にはどう逆立ちしても

勝てない強いライバルが多い。

だから私は競争は避けて、

常に「自分しかできないことは何か」を考えて、

「不戦勝」を狙いたいと考えている。

(中略)

勝てない競争には、

ムダな時間とコストがかかり、儲けも減る。

(P.183)

 

これぞブルーオーシャン戦略ですね。

そして弱者の戦略でもあります。

大手や強者と張り合っても

勝てる可能性は高くありませんから、

弱者なりのサバイバル戦略を立てないといけませんね。

 

「戦い方」は無限にありそうだが、

ビジネスの世界で戦う方法は、次の3つだけだ。

・業界で最も低コストを目指す「コストリーダーシップ戦略」

・顧客の特定のニーズに対してベストを目指す「差別化戦略

・狭い市場で徹底的な差別化を目指す「集中戦略」

(P.193)

 

どの路線を選ぶのかは

経営者の専権事項ではありますが、

大事なのは貫き通すことでしょうか。

 

弊社は「差別化戦略」を徹底します。

 

評価

おススメ度は ★★★★☆ といたします。

 

前述しましたが

初心者向けマーケティング本としては秀逸です。

 

ただ多少なりともマーケティングを学んできた方にとっては

ちょっと内容に不足というか、

物足りない感を持ってしまうでしょう。

 

だからと言って

決してつまらない本ではありませんし、

読み物としてざっと読むだけでも

振り返りになってプラスになります。

 

これからの時代は

マーケティングの知識は

あらゆる業種、職種で必須になると思います。

 

今まであんまりマーケティングを意識してこなかった人には

本書から学ぶとマーケティングに対する興味関心が

グッと高まってくるのではないでしょうか。

 

読んで損のない内容です。

 

それでは、また…。

 

 

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