ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

無私の日本人

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

私たち日本人が持つ

文化や伝統、倫理や哲学、

それこそ人生論やキャリア論まで

いわゆる日本人らしさというのは

いったいどこに行ってしまったのでしょうか?

 

いやそんなのそもそもあったのか?と

あえて問うてみてもいいですし、

あるのを前提にして深く追求してもいいですね。

 

確かに捨てなければならない

古き悪しき伝統も少なくありませんし、

老害という言葉に代表されるように

現代社会に付いていけず

既得権を守るためだけに生きているような

不埒な輩だって多いです。

 

ジェネレーションギャップは

4000年前からあったと言われてますし、

私が若かりし頃は旧態依然とした大人たちが

正直邪魔でしょうがなかったです。

 

しかしいつの間にか

自分が若者に邪魔と思われても致し方のない

大人の世代になってしまって思うのは

古き良き伝統や慣習まで捨ててはいけないということです。

 

あくまでも個人的な見解ですけど

日本が没落したのは

バブル経済とグローバリゼーションだと思ってます。

 

どちらも金まみれですね。

人を蹴落としてでも金を得る。

 

金が金を生み、

金が最大の価値感となり、

結果的に大損した人が多いように感じます。

 

でもこの価値観は今だに残っているどころか、

さらに高まっているようです。

 

別にお金が大好きな人がいてもいいですけど

価値感=お金というのは

あまりにも寂しいですし、

何より知性が欠けています。

 

いつから日本人は

こんなバカになってしまったのでしょうか?

 

おそらくそのひとつの要因に

歴史から学ばなくなったからというのはあるでしょう。

 

学生の頃に

歴史が嫌いな人は多かったですが、

年表を覚えるのが嫌とか

人物や事件を覚えるのが嫌というのが多かったです。

 

つまりテストのための勉強になり、

問われるのは暗記力となってしまったのですね。

 

こんなの歴史を学ぶことに繋がりません。

本当の意味で歴史を学ばないと

この国はさらに没落するのではないか?と

私は恐れています。

 

先進国最低の給与水準とか、

止まらない円安ドル高とか、

もうその兆候は充分に表れていますよね。

 

現代社会を生きる我々は

この国の歴史から学ばねばならないと

強く思っているのです。

 

今回ご紹介する書籍は、

【 無私の日本人 】 です。

 

 

本書をピックアップした理由

『 無私の日本人 』

磯田 道史 文春文庫 を読みました。

 

いつも「英雄たちの選択」という番組を

録画して欠かさず見ている私ですから

磯田さんには好感を持っています。

 

書棚に積ん読になっている書籍も

まだ何冊もあるのですけど

過去磯田さんが関わった本は下記を読んでおりました。

 

ka162701.hatenablog.com

 

ka162701.hatenablog.com

 

ka162701.hatenablog.com

 

ka162701.hatenablog.com

 

代表作である「武士の家計簿」は

まだ積ん読状態です(笑)。

 

本作品も購入したのは随分前だったのですが

昨今の社会情勢を鑑みて

これ、今、読むべきだよね?と

勝手に思ってしまいまして

つい手が伸びてしまったのです。

 

目次

・穀田屋十三郎

・中根東里

大田垣蓮月

 

感想

上記の目次をご覧下さい。

本書に登場するのはこの3人です。

 

聞いたことがあるような、ないような、

いや一応歴史好きを広言している私ですから

知らねばカッコ悪いというプライドはありますけど

ぶっちゃけ知りません。

 

また磯田さんの小説を読むのも初めてなので

ただでさえ知らない人で

果たして読み続けることができるのか?と

若干不安はありましたが、

いや~、磯田さんの筆力ってスゴイですね。

 

古文書を普通に読める磯田さんですから

相当に人物や背景を研究しただろうことが

何となく伝わってきますし、

ワクワクするような臨場感もあり、

あっという間に読み終えてしまいました。

 

ああ、江戸時代には

こんな立派な日本人が存在したんだな。

 

決して有名な人ではなくても、

むしろ一般人のなかにこそ

尊敬に値する人がいたということに感嘆します。

 

まさに「無私」なんです。

 

ネタバレになりますので、

このお三方に対してここでは詳しく述べませんが、

変わり者と言えば変わり者なんですけど

1本筋が通っているというか、

そこに邪な損得勘定なんてないんです。

 

ただただ自分の正義感と

「誰か」や「社会」のために

ポリシーを貫き通しているのですね。

 

政治家や官僚、

金儲けしか考えていないビジネスパーソン

本書は必読の書としてプレゼントしたいです。

 

誰がどう考えたって

このまま進めば日本は沈没するでしょう。

第二の敗戦となるかもしれません。

 

しかし危機感を持つ人は少なく、

二極化は益々進み、

おかしなところだけアメリカンナイズしています。

 

だいたいマネーゲームでは

欧米諸国に勝てると思えないです。

 

この国が右肩上がりに成長していた頃は

モノ作りを主としていたのですよね。

 

そこには確固たる哲学があり、

商売といえども

厳しいモラルが課されていたように思います。

 

しかし弱肉強食社会となり、

優勝劣敗が当然とされてしまいました。

こんなの適者生存ではありません。

 

自然の摂理と言いますか、

もう動物の世界ですよね。

そこに人間らしさの欠片も感じません。

 

私が書いているキャリアブログでは

よく「今だけカネだけ自分だけ」と戒めていますが、

何でもありの世の中になっちゃってますね。

 

note.com

 

本当にこれでいいのでしょうか?

もっとモラルや哲学を

私たちは学ばねばならないかもしれません。

 

だってこのままでは私たちの子供たちは

生活するのも厳しいでしょう。

 

金があればいい?

いやいや日本人同士のなかで

金を取り合ってどうするんでしょう?

 

私たちの富は諸外国に

どんどん流れているのに

余り物をぶん捕り合っても意味がないでしょう。

 

そんなことを考えさせられる良書です。

私たちの祖先には

模範とすべき立派な方が存在していたのですから。

 

評価

おススメ度は ★★★★☆ といたします。

 

私たちには特有の文化や伝統があり、

それは世界に誇れるものだと思うのです。

 

江戸時代後期に日本に来た外国人は、

「日本人は貧乏なのに幸せそうだ」という

感想を記録に残していたそうです。

 

また識字率やマナーやコミュニケーション能力など

他国にはない優れた資質が

とても高く評価されてもいたのですね。

 

もし現在の日本に

初めてきた外国人はどう思うでしょうか?

 

当時のような高評価はいただけないかもしれません。

 

本書を読んで、我々現代日本人は

日本らしさ、日本人らしさを

取り戻す必要があるのではないでしょうか。

 

この3人の生き様を知ることは

自分の生き方、考え方にも

きっとプラスになると思います。

 

できれば10代、20代の若い方に読んで欲しいなあ。

たぶん30代、40代では遅すぎると思うので。

 

カネに翻弄される前に

こういった偉人たちの生き方に

インスパイアされて欲しいです。

 

カネよりも大事な価値観が

この国にはたくさんあるはずなんですよね…。

 

それでは、また…。

 

 

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