おはようございます。
読書がライフワークになっている
医療業界のコンサルタント
ジーネット株式会社の小野勝広です。
普通にお話ししちゃいますけど
私は2022年8月現在53歳でございます。
どう言いつくろうとしても
まあ、おっさんですわな(笑)。
ただ同年代の人たちと話していても
あれ?オレもしかして感覚違う?
ちょっと若いかもしれない?
なんでみんなそんなに保守的なの?
ん、変化を恐れていない?
そんなふうに思うことがしばしばあります。
それなりの年齢とはいえ、
新たな技術とかガジェットとか新サービスとか
ものすごく興味があって
かなり敏感なほうだと思います。
買う買わないとか、
利用するしないは別ですけど
わりと世の中に出た段階で
知るということはできているように感じます。
また仕事柄、キャリア論とか人生論には
相当に敏感であり、
新たな考え方とか、近未来の在り方などには
超関心が高いです。
良くも悪くもですけど
全然出来上がっていないと自分では感じてます。
つまりプロセス段階なのですね。
だから自分自身が進歩的でありたいし、
新しい概念やモノ・サービスにも興味津々ですし、
常にキャッチアップしたいと考えております。
今回ご紹介する書籍は、
【 働き方5.0 これからの世界をつくる仲間たちへ 】 です。
本作品のサブタイトルは
「これからの世界をつくる仲間たち」です。
53才のおっさんですけど仲間に入れていただけますか?(笑)
本書をピックアップした理由
『 働き方5.0 これからの世界をつくる仲間たちへ 』
落合 陽一 小学館新書 を読みました。
個人的に落合陽一さんには注目しています。
今まで3冊の著書を読みました。
前回の書評をtwitterで紹介したところ
何と落合陽一さんがリツイートしてくれて、
とんでもないアクセス数がありました。
ご本人が運用しているのではないかもしれませんけど
何だか嬉しかったです。
落合さんは1987年生まれですから
今年で35歳でしょうか。
私よりも随分年は下ですけど
彼の発想力には学ぶところが大ですし、
何より落合さんはベースがしっかりしているところが
とても好ましく思っています。
やはり哲学とか、倫理観がないと
語る資格がないと思うんです。
その意味では落合さんのバランス感覚は
素晴らしいと思ってます。
本作品は「働き方」ですからね。
私の仕事にもピッタリですし、
どんな発想を持っているのか…
興味津々で読み始めたのでした。
目次
プロローグ 「魔法をかける人」になるか、
「魔法をかけられる人」になるか
第1章 人はやがてロボットとして生きる?
第2章 いまを戦うために知るべき「時代性」
第3章 「天才」ではない、「変態」だ
エピローグ エジソンはメディアアーティストだと思う
感想
本書はメッチャいいです。
過去3冊よりもさらに勉強になりました。
デジタル社会の到来により
私たちの働き方にどんな変化が訪れるのか?
いやすでに訪れているとも言えますが、
思わず膝を打つような本質が本書には書かれています。
私などが四の五の言うよりも
是非とも下記に目を通していただきたいです。
それでは恒例の私がグッときた箇所をご紹介します。
今回はたっぷりありますけど、
それだけよい気づきが得られたということですので
じっくりとご覧になってみて下さい。
これまでの「狩猟社会(1.0)」「農耕社会(2.0)」
「工業社会(3.0)」「情報社会(4.0)」に続く、
新たな社会の姿です。
それは、AIやロボットが幅広い分野で進化し、
人間とともに働いていく時代=「働き方5.0」の
時代とも言うことができます。
(P.12)
この変化の波、
新しい時代の到来に鈍感ですと
自分自身が損をしますし、
鈍感な人の多い組織は没落していくんじゃないでしょうか。
私は、コンピュータが人間の社会にもたらす変化は、
単に「昔より便利になった」とか
「生活が楽になった」という次元のものではないと思っています。
それはもっと根本的なレベルで、
人間の生き方と考え方に変革を迫るはずです。
つまり、コンピュータは電気製品ではなく、
我々の第二の身体であり、脳であり、
そして知的処理を行うもの、
たんぱく質の遺伝子を持たない集合型の隣人です。
(P.27~28)
う~ん、面白い。
私などは新しい時代にワクワクしますけど、
ラッダイト運動のようなものは出てくると思われ、
でもいくら抗っても時代は進むでしょうね。
自分がどういうスタンスでいるのかによって
これからの新時代に享受できるものは異なりそうです。
人間が持っていて、
コンピュータで作られたシステムが持っていないものは何か。
ここでよくある間違った答えは、
「根性」「ガッツ」「気合い」といった言葉です。
(中略)
同じことをコツコツと積み重ねることを努力と呼ぶなら、
この点でも人間はシステムにかないません。
(中略)
「ガッツはレッドオーシャンだから、そこで勝負しても無駄だよ」
(P.40)
コンピュータやシステムを使いこなす側に回るなら
人間にしかできないことにフォーカスすべきですね。
しかしこれが見い出せていない気がしてしょうがありません。
まだまだ過渡期でしょうか。
組織のトップで意思決定を行うのは人間のままでしょうが、
その下にいるのは現場の労働者だけでいい、
いままでその中間で働いていた人たちの仕事は
システムによって補助や効率化できる部分もあります。
(P.56~57)
ホワイトカラー、中間管理職が不要になる。
システムが社会的に広がったときには
「卸」業が一気になくなりました。
まだ残っている「卸」もありますが、
その存在価値は薄れるばかりではないでしょうか?
これからは仲介業は総じて厳しくなると思います。
その役割を担ってきたホワイトカラー、中間管理職がなくなるのは
自明の理なのでしょうね。
「クリエイティブ・クラス」という
新しい階層が存在すると考えました。
簡単に言えば、
これは「創造的専門性を持った知的労働者」のことです。
現在の資本主義社会では、
このクリエイティブ・クラスがホワイトカラーの上位に位置している。
彼らには「知的な独占リソース」があるので、
株式や石油などの物理的な資本を持っていなくても、
資本主義社会で大きな成功を収めることができるのです。
(中略)
誰もが共有できるマニュアルのような「形式知」は、
勝つためのリソースにならない。
誰も盗むことのできない知識、
すなわち「暗黙知」を持つ者が、
それを自らの資本として戦うことができるのです。
(P.76~77)
この辺りがAI時代にも生き残る人の特徴でしょうか。
創造的専門性、暗黙知を持った知的労働者。
自分の仕事に当てはめたときに
どんなポジションがあるでしょうか?作り出せるでしょうか?
処理能力の高いホワイトカラーを目指せばよかった時代には、
受験勉強にもそれなりの意味はありました。
受験勉強を通じて身についたスキルが、
仕事にも役立ったからです。
(中略)
しかし、クリエイティブ・クラスの人間が解決する問題は、
他人から与えられるものではありません。
彼らの仕事は、まず誰も気づかなかった問題が
そこにあることを発見するところから始まります。
それによって生み出されるような仕事は、
勉強からは生まれません。
勉強は基本的に、誰かが見つけて解決した問題を
追体験するようなものだからです。
(P.79)
ここが大きいでしょうね。
これに気づけるか否かで職業人生は大きく変わりそうです。
会社が必要とする人間がどんどん変わっているのですね。
だから中高年は早期退職制度で追い出されます。
早めにクリエイティブ・クラスに変身すべきですよね。
大人から「好きなことを見つけろ」
「やりたいことを探せ」と言われると、
「自分は何が好きなんだろう」と
自分の内面に目を向ける人が多いでしょう。
そこからいわゆる「自分探しの旅」のようなものが始まるわけですが、
これは袋小路に行き当たってしまうことが少なくありません。
しかし「自分が解決したいと思う小さな問題を探せ」と言われたら、
どうでしょう。
意識は外の世界に向かうはずです。
そうやって探したときに、
なぜか自分には気になって仕方がない問題があれば、
それが「好きなこと」「やりたいこと」ではないでしょうか。
(P.110~111)
物凄く共感します。
自分、自分、自分って自分を主語にする人が
何者にもなれない理由がここにありますね。
違うんですよ。
常に他者、そして社会を見つめなければ
自分自身もより良いキャリアや人生を歩むことなんてできません。
ですから若い世代は、
いま自分がどんな時代に生きているのかを
過去と比較して知ることも大事です。
昔は何ができなくて、
いまは何ができるのかを知らなければ、
解決すべき問題を発見することも、
そこに文脈をつけることもできません。
生まれたときからパソコンも
インターネットもスマートフォンもあると、
「昔は何ができなかったのか」を
直感的には理解しにくいものですが、
それがわからないと、
20年後、30年後にまた別の時代が訪れることも
想像できないのです。
(P.115)
賢者は歴史から学ぶ。
愚者は自らの経験から学ぶ。
まさにこういうことですね~。
ただしヒントになる情報は、
ネットや本から仕入れられるかもしれない。
そこから自分の考えをまとめ上げ、
メッセージとして伝えられるようになる
エネルギーを持っているのが、
「思考体力のある人間」です。
私が思うに思考体力のある人間は常にマジです。
そういった人は自分の人生の問いについて
24時間、365時間考え続けています。
(P.130)
この思考体力という言葉。
なるほど…と思いました。
「考える」ことは誰にでもできますけど
「考え続ける」ことができる人は少ないです。
確かに体力の問題と言ってもいいかもしれません。
言語化の能力とは解釈力や説明能力のことであって、
語学力のことではありません。
どんなに英語が流暢でも、
解釈が低レベルで説明が下手では、
話を聞いてもらえません。
重要なのは語学力ではなく、
相手が「こいつの話は聞く価値がある」と
思えるだけの知性です。
(P.133)
これも共感です。
社内公用語を英語にする会社もありますけど
何か、腑に落ちないんですよね。
その理由がこれです。
基礎がないのに家を建てても
そりゃグラグラでしょってことです。
世界を変えるためには、
そこで物事を回しているキーマンの考え方や見方に
こちらから影響を与える必要があります。
(中略)
大切なのはご機嫌を取ることではなく、
相手が決断しやすいような材料を
ロジカルに提供することです。
(P.143)
私が若い頃に教えられたのは
上司に提案するときは「3案」出せ…でした。
これも相手が決断しやすくするためですね。
提案してNGで諦めるなんて思いが薄すぎます。
「成功」と「幸福」は同じではないのです。
ま、そりゃそうだということですけど
意外と混同している方は多いですよね。
自分が目指しているのは成功なのか?
それとも幸福なのか?
この答え次第で、プランは大きく異なりますね。
これからの若い世代が考えなければいけないのは、
「年収1000万円の会社に入ること(入って安心すること)」ではなく、
「年収1000万円の価値がある人間になること」でしょう。
その価値によって会社に採用されサラリーマンになったとしても、
価値さえあれば別の会社に転職することも可能ですから、
広い意味で一企業に縛られない生き方です。
(P.156~157)
ひとつの会社でしか通用しないキャリア。
これでは社畜街道まっしぐらですね。
クレクレ君が通用するような甘い時代ではありません。
高条件でのオファーというのは
こちらから求めるものではなく、
相手から頭を下げてお願いされるものではないでしょうか。
人が様々な形で存在する。
それが人間とコンピュータの新しい関係性であり、
デジタルネイチャーの本質だと私は考えています。
これから自分の進む道を模索する若い人たちは、
それを考えなければいけません。
確固たる専門性とオリジナリティを持たないかぎり、
この世界で「自分という人間の価値」を
自己肯定することはできないでしょう。
(P.200)
これが本書の総まとめと感じました。
本書にはサバイバル戦略があります。
知っているのと知らずにいるのでは、
とてつもない差が生まれるように思いました。
評価
おススメ度は ★★★★★ と満点といたします。
おそらく本書のターゲットは
これからの時代を担う若者だと思うんですけど、
逆に言えば若者をマネジメントする中高年は
本書を読まねばなりません。
これくらいの時代の流れを知らないと
マネジメントなんてできませんし、
本書にあるようにホワイトカラーは絶滅してしまうでしょう。
むしろ変化の先鞭に立たないといけません。
あと落合さんは自己啓発に懐疑的で
でも最もだと思います。
誰かの成功談義よりも、
まだ解決されていない問題を見つけなければなりません。
ハッキリ言っちゃうと自己啓発で儲けている人に
協力する必要はないのですね。
だって過去の話しなんですもの。
それと最後に…
システムになくて人間だけにある「モチベーション」こそが
システムの効率化に取り込まれないために必要だという点。
これがやりたいという動機。
これはシステムにはないのですね。
キャリアでも同じですが、
自分は何がやりたいのか?
ここが出発点ですね。
それでは、また…。
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