ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

山中 鹿介

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

好きな歴史上の人物はいますか?

 

昔は採用面接などでよく聞かれた質問ですが、

昨今ではNGワードになっています。

 

要はスキルや経験と違う

「思想信条」に関しての質問は

採用面接で聞いてはいけないということになってるのですね。

 

個人的にはそこまで気にするか?

面倒くさい時代だなとは思いますけど、

まあそういう時代の要請なので

致し方ないのかなとは思います。

 

もし私がこの質問をされたら

即答で「西郷隆盛です」と答えます。

 

あんまりテレビは見ないのですが、

少し前にNHK大河ドラマでやっていた

西郷どん」は全て見ました。

 

今まで西郷隆盛に関する書籍も

相当に読み込んできました。

 

おそらく西郷隆盛を尊敬していたり、

好きな人は多いと思うんですけど

私は小学生当時から好きで

ずっと尊敬していますので結構筋金入りです。

 

一応、歴史好きを広言していますので、

他には?と聞かれても

たくさんの偉人について話すことができます。

 

戦国武将であれば武田信玄伊達政宗が好きです。

明治維新の頃の人物であれば

高杉晋作坂本龍馬土方歳三が好きです。

 

何となく傾向が伝わりますでしょうか?

 

ちょっとマイナーな人物で言うと

島左近直江兼続、河合継之助などが好きなのですが、

実はもう1人かなり好きな人物がおりまして…

 

今回ご紹介する書籍は、

【 山中 鹿介 】 です。

 

 

本書をピックアップした理由

『 山中 鹿介 』

童門 冬二 人物文庫 を読みました。

 

当ブログではよくご紹介する

人物文庫シリーズです。

 

ka162701.hatenablog.com

 

冒頭申し上げたもう1人が

実はこの山中鹿介なのです。

 

じゃお前は山中鹿介のどこかどう好きなんだ?と

問われてしまうと答えがありません。

 

完全にイメージなんですね。

 

主君である尼子氏ですが

毛利家に滅ぼされてしまっており、

何とか再興を目指して山中鹿介が中心となり

月山富田城奪還を目論むものの願いは果たせず。

 

いわゆる悲運の武将というところでしょうか。

 

主君のためにお家再興を目指して戦うイメージが

何となく好感が持ててしまい

何だか好きなんです。

 

でも何だかじゃダメだな、

いつかしっかり学ばねばとは思っていて

私の好きな人物文庫シリーズに山中鹿介があることを知り、

思わずポチっといたしました。

 

さあ、山中鹿介よ、

君はいったい何をして、どんな人物なんだ?と

大いに楽しみにしながら読み始めたのでした。

 

目次

・ほろびの火

新月に祈る

・天も見放す上月城

・秀吉の最後通告

・三本の矢を守る毛利軍

・檻の中の鹿

・野犬の群れ

・木から落ちたサル

・七難八苦の思い出

・阿井の渡し

・小鹿

・まごころが行く

・死んでください

 

感想

ふむ、もう純粋に歴史小説として

楽しんでしまいました。

 

歴史作家の大家と言える

童門冬二さんの著書ですからね。

さすがに外しません…どころか

登場人物たちが活き活きとしていて

まさに人間ドラマです。

 

ワクワクしながら

次のページが楽しみで

あっという間に一気に読み終えてしまいました。

 

た・ただですね、

ひとつ残念なのは

本書では山中鹿介の後半生しかわからないんです。

 

もともと前半生は確実な資料が残っていないようで

不明な点が多いらしいですが、

そこは童門冬二さんの筆力であれば

フィクションであっても

信憑性の高そうなストーリーが描けるのではないかと

期待できるだけに残念でした。

 

本書ではすでに主君である尼子氏は滅ぼされており

僧侶になっていた一族の尼子勝久を担いで

山中鹿介は尼子家再興を目指します。

 

ちょうど織田信長が中国地方への進出をし始めており

豊臣秀吉が進軍を開始して

播磨西部の毛利方の拠点である上月城攻略し、

信長、秀吉の命を受けて

尼子勝久山中鹿介上月城に入るのですね。

 

ここからです。

本書はここから始まるのです。

 

物語としては面白いですし、

山中鹿介だけでなく、

尼子勝久

鹿介の義理の弟である亀井新十郎など

人物描写も秀逸で

かなり感情移入できます。

 

秀吉や黒田官兵衛小早川隆景吉川元春など

登場人物も魅力的であり、

戦史としてだけでなく

ヒューマンストーリーとしても楽しめます。

 

「我、主家を必ずや守らん。

 願わくば、我に七難八苦を与え給えと」

尼子家が再興されるならば

自分にどんな苦労が掛かっても良いと

月に祈る鹿介の真摯かつ熱い思いは

読む者の心を揺さぶられます。

 

ただ山中鹿介の凄さというか

武将としての優秀さや凄みについては

あまり感じることができません。

 

義に厚い人情派の武将であることはわかりましたが、

どちらかというと不運の武将であることが

後世に名を遺すことになったのでしょうか。

 

主君である尼子氏再興を志すも

大大名である毛利氏の壁に跳ね返され、

最後は毛利に殺されるという顛末です。

 

わりと日本人が好きな展開かもしれません。

 

忠義に尽くし不屈の闘志を持って戦うも

志半ばに斃れる…というのは

お涙頂戴のストーリーとしてはいいでしょう。

 

おそらく武勇に秀でたからこそ

尼子氏三傑の1人とされて

山陰の麒麟児とか

尼子十勇士の筆頭とも言われるのでしょうが、

こういった側面に関しては

あまり触れられておらずその点も残念です。

 

ぶっちゃけて言いますと

すごく面白かったんですよ。

 

ただ私個人的にはですね、

あと200ページくらいページ数を増やしてでも

鹿介の幼少期など前半生とか

童門さんの想像でもいいから描いて欲しかったですし、

もう少し鹿介の「武」に優れた部分についても

詳しく触れて欲しかったです。

 

あともうひとつ、

本書では「小鹿」という女性が

準主役のような形で重要なポジションで登場するのですが

この方は実在の人物なのか?

それとも童門さんの作った架空の人物なのか?

 

気になったのでネットで調べたのですが

特に引っ掛かってこないので

おそらく架空の人物であるのだとは思います。

(著書の創作と解説に書いてありました)

 

でもその割にはインパクトが強くて

ストーリー展開のなかで

欠かせない人物設定になっているのですね。

 

この方がいるのといないのでは

もう全然違う小説になってしまうんじゃないかという

それくらいの重要人物です。

 

歴史に忠実か?という点では

どうかなとは思うものの

物語に幅を持たせて

鹿介の人物像を具体化させるという意味では

とても有効と思いました。

 

もし実在の人物であれば申し訳ないのですが、

私は勝手ながら童門さんの名手腕かなと感じました。

 

そんなこんなで

とても面白く読みつつも

当初抱えていた山中鹿介をもっと知りたい!という

私の願望は叶えられたのか、叶えられていないのか、

正直かなり微妙です(笑)。

 

まあ小説ですから致し方ないのですが

どこかでもう少し山中鹿介のことは学びたいなあ。

 

評価

おススメ度は ★★★★☆ といたします。

 

前半に童門冬二さんは

山中鹿介は、鹿之介とか、鹿之助と書かれているが、

鹿介自身の署名や郷土史家の研究によると

鹿介が正しいと表明しています。

 

しかも「しかすけ」と読まないでいただきたい。

あくまでも「しかのすけ」であるとのお断りを

文中に入れています。

 

何だかお茶目な方だなと思いましたし、

実際に私は「山中鹿之介」と認識していましたので

むしろ教えてくれて有難かったです。

 

それと歴史的な知識として

尼子、大内、毛利が争っていた時代を

もう少し勉強したいと思いました。

 

最終的には毛利が勝者となるわけですが、

毛利元就だってもともとは小豪族だったわけで

おそらく相当に大変な思いをしたことでしょう。

 

その過程について知ることで

尼子や山中鹿介についても

さらに知識が深まるのだろうなと思いました。

いずれ読もうと思います。

 

それでは、また…。

 

 

*ジーネットTV 毎週新着動画をアップしています!

医師キャリア相談

*ZOOMキャリア相談を無料で行っています。

 

ジーネットが発信する情報提供サイトはこちらです!>
ジーネット株式会社 公式ホームページ
医療ビジネス健全化協議会<IBIKEN>ドクター向け情報提供サイト
ジーネット株式会社 <社長のtwitter>
ジーネット株式会社 <社長のfacebookページ>

よろしければ下記もポチっとお願いします!
      にほんブログ村 転職キャリアブログへ

診療圏調査バナー