ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

風に訊け ライフスタイル・アドバイス

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

無知の知

知らないことを知っている。

 

これは生存戦略としても

物凄く重要な概念だと思います。

 

人生の二大失敗要因は

「焦り」と「慢心」であると言われますけど

知ったかぶりや、わかったふりは、

確実に焦りや慢心の元となりそうです。

 

と言いつつ、偉そうなことを言うと、

私自身が無知の知を軽視しているとなりそうですので

いつも謙虚に、

学ぶ姿勢を持ち続けたいと考えております。

 

何を知らないかを知るために学ぶ。

中途半端な知識しかないものを知るために学ぶ。

 

こういうふうに考えると

学ばないという選択肢がなくなりますし、

使命感のようなものも湧いてきます。

 

子どもの頃は勉強ってあんまり好きではなかったのですが

大人になってからの勉強は大好きになりました。

遅ればせながら…ですけど(笑)。

 

今回ご紹介する書籍は、

【 風に訊け ライフスタイル・アドバイス 】 です。

 

 

本書をピックアップした理由

『 風に訊け ライフスタイル・アドバイス

開高 健 集英社文庫 を読みました。

 

facebookだったかと思いますが、

あるドクターが患者さんから

本書を薦められたという投稿をされていたのです。

 

それを見て、あ、開高健か、

名前は知っているけど詳しくは知らない。

 

こういうパターンは

私の知的好奇心を刺激します。

 

お前、知っておいたほうがいいんじゃないの?

そんな神の導きのようなものが感じられます。

 

これも何かの縁だよな。

読んだことない作家の本を読む。

楽しいことだよ。。。

 

ましてお医者さんが患者さんに勧められるというのは

そこに何らかの意図を感じます。

 

それだけ人間を知る良い勉強になるよ…ということでしょうか。

何となく後世に伝えたい感があって

かなり興味を持ってしまったのです。

 

そう思いながら

果たしてどんなものかなと楽しみにしながら

手に取ったのでした。

 

目次

目次はありません。

 

出版社からのコメントとして

 

読者から寄せられた難問、奇問、珍問に

人生の達人・開高健が名回答。

笑い、ユーモア、ブラック・ユーモア

そして教養に満ちた異色の書。

 

一気に読まないで下さい。

ききすぎるクスリと同じです。

1回に2つか3つ読むのが適量です…。

 

と書かれていたのが印象的です。

 

感想

これはちょっと評価の難しい本ですね。

ファンの方には申し訳ありませんが、

かなり賛否が分かれるような気がします。

 

読者からの質問や悩みに

開高さんが週刊プレイボーイの誌上で答えるのですが、

結構、下ネタも多いですし、

今の時代であれば

明らかなハラスメントのような

上から目線もはなはだしく(苦笑)、

出版された1986年当時ならいいとしても

現代なら確実にアウトじゃないでしょうか。

 

ただ、私は嫌いじゃないです。

好きとまでは言えませんけど、

多分、嫌いになれないタイプなのでしょう。

 

私にとって開高健という人物は

名前は何とか知っているものの

著書を読んだことがあるわけでもなく、

特別な何かを知っているわけではありません。

 

本書を読みながら、

くだらない質問にはビシっと厳しい回答をしたり、

ハードボイルドな雰囲気を醸し出したり、

エロモードが全開だったり、

まあいろんな開高さんを初めて知ったわけですが、

ああ、確かに昔はこういうタイプの方は多かったし、

わりと評価を受けていたし、

これはこれで良かった時代があったんだよな…と

少し感慨深く思いました。

 

むしろ時代の移り変わりを強く感じますね。

いつの間にやらこのタイプって

なぜか少なくなっています。

 

直言するというのは

現代社会ではリスクになりますし、

何より怖いのは炎上でしょうか。

 

たぶん本書の内容がtwitterなどで広まったら

もう炎上間違いなしのように思います。

 

これがいいのかどうかは

私にはわかりませんけど、

そうなったという現実は冷静に抑えておきたいですね。

 

そもそも質問がくだらないんですよ。

週刊プレイボーイだから…というのがあるのかもしれませんけど、

せっかく開高さんに質問できるのならば

もっと哲学的なものであったり、

深く熟慮すべき内容だったり、

この機会を活かせばいいのに…

なぜかエロな話しや

くだらない自己認識だったり、

すごくもったいない感じがしましたね。

 

こんなんだから開高さんも

1行でスパッと終わらせたり、

馬鹿っ話しで終わってしまったり、

もっと聞くべきことがあるだろう…と。

 

よくまあ開高さんも

これに付き合ったなと思いますけど

よほどフィーが良かったのか、

息抜きが欲しかったのか…(笑)。

 

ただ時折よい質問もあって

その際には開高さんも

きちんと向き合って真摯に答えてくれています。

 

こういうよい質問ばかりを取り上げていたら

本書の価値はグッと上がりそうですけど、

それだと読者が限定されてしまいそうですし、

そもそも週刊プレイボーイだから

こんな感じでいいかもしれません。

 

私のような開高さん素人は

本書のような内容ですと、

稀に見せる研ぎ澄まされた

鋭い切り返しに魅力を感じつつも

こんな質問に真面目に答えなくてもいいのにという

ガッカリ感もあって

さすがに本書だけでは判断できないですね。

 

たぶん価値観が昭和で止まっている人には

こんなんでも面白いのかもしれませんけど、

令和の価値感で本書を読むと

ゲンナリしてしまいそうです。

 

今回は恒例の私がグッと来た箇所も見送りです。

特にこれというところがなかったんです。

 

サブタイトルで

ライフスタイル・アドバイスと書かれていたので

もう少し深い人生相談のようなものを期待していたのですが、

まったくないわけではありませんけど、

特段、ご紹介するほどのものはなかったです。

 

この頃はまだ日本経済も良かったし、

一般の人たちも

お気楽に暮らしていたというのもあるかもしれません。

 

むしろ現代のほうが

キャリアにしても、人生にしても、

誰かに相談したいとか、

意見を聞きたいというニーズは強いと思われ、

今、開高さんに質問する機会があったら

もっと有益なアドバイスが出てきたのではないかと

少し残念な気もします。

 

これも時代ですね…。

懐かしさはありましたけど、

ここに戻りたいとは思えないなあ。

 

評価

おススメ度は ★★★☆☆ といたします。

 

自分の読書歴のなかでも

かなり異質な部類に入るかもしれません。

 

そしてたまたまおススメした投稿に

敏感に反応したからこそ

こういう経験ができたわけで、

これはこれでOKかなと思いました。

 

この風に訊けシリーズは

もう1冊あるようですが、

現段階では読むつもりはありません。

 

でも開高さんの小説は

どこかで読んでもいいかなと思ってます。

 

やはりあれですね、

読書ってどうしても自分の趣味というか

自分なりの偏りがいつの間にか出来上がってしまうので

あえてそこから外れてみるのは

視野を広げるという意味でも必要なのかもしれません。

 

すると、どなたかが薦めていたとか、

そういう情報って貴重なんですよね。

 

ちなみに私の敬愛する内田樹さんも

知人のある医師に紹介してもらって

「ド」ハマったというのがきっかけです。

 

似たような本ばかりではなく

たまにも思い切って

普段の自分なら読まないようなものに

チャレンジしてみる姿勢は必要不可欠です。

 

当たるかはどうかは時の運ですけど(笑)。

今回は……です。

 

それでは、また…。

 

 

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